ダイソーの500円ワイヤレスイヤホンを試した結果……。
忘れもしない2015年のクリスマス。
ずっと甥っ子にプレゼントを贈っていた(と言ってもお金出しただけ)こともあり、叔母からお返しに何が欲しいか聞かれたことがありまして。当時欲しかったものが高額なものばかりだったので一度は断ったのですが、それでもいいということで、当時発売したばかりのウォークマン”NW-A25/HN”をお願いしてみました。すると、本当にプレゼントしてもらえました。microSDカードで容量を足すことができ、音楽もハイレゾに対応。動画も再生できて、2～3万円台にしてはかなりコスパの高い端末でした。
しかし、6年の月日が流れ。何度も地面に落としてしまったことや経年劣化が重なり、誤動作を防ぐホールドボタンが接触不良。もはや触ってなくても勝手にホールド状態。こうなるとボタンの入力を受け付けなくなるため、何度もホールドボタンをスライドして解除するも、少しでも揺らせば機能してしまい、好きな曲を再生するまで一苦労という有り様。ただ、まだまだ音楽の再生は可能なので、使える限りは使いたい。しかし、この勝手にホールド状態はいい加減に何とかしたい。
そこで解決策として用意したのが、ワイヤレスイヤホン。Bluetooth接続したら、イヤホン側から操作できる。また、この操作はホールド状態でも可能。今のオンボロウォークマンでも問題なし！……のはず。しかし高価なものを買えないので、お試しに買ったのが、ダイソーのBluetoothイヤホン。
500円でBluetoothイヤホン……何それこわ……と思いながら買ってみましたが。あれ、意外とコイツ使える子なのでは？
1. 良かった点
〇 接続しやすく、遅延もほぼなし。
真ん中のボタンを押すことで起動。すぐにスマホに登録できました。あとで説明書を読んだとき「最初に使う時は2-3時間充電してください」という手順をすっ飛ばしていたことを知りましたが……。
試しに部屋を離れてみたり、外出した時はスマホをカバンの中に入れていましたが、全く乱れることなく。また、遅延もほとんどありませんでした。接続の安定性は、自分が持っているワイヤレスヘッドホン”MDR-1000X”にも負けてなかった。さすがBluetooth5.0。この時期だと、ポケットに突っ込んでいたら汗がついたりするので、ウォークマンやスマホをカバンに入れられるのは嬉しいところ。
〇 「ものによっては」値段以上の音質
ウォークマン付属イヤホンのイヤーピースに変更してテスト。YouTubeの動画などは問題なく視聴可能。特に人の会話などはかなり聞こえやすい。ラジオやポッドキャスト系は最適かもしれません。また、音楽もものによっては良い感じに聞こえます。
こちらのバーバパパさんのEDM動画は、結構イヤホンとかみ合ってる感じ。しっかり低音も高音も聞こえます。他にも良い作品があるので、皆さんもぜひ(ダイマ)。
あと個人的にはAwesome City Clubの『勿忘』も良かった。
〇 意外と電池も優秀
50mAhで待機時間は何と175時間。連続再生時間はさすがに2-3時間と短いですが、充電する時間も短め。そこまで長距離の通勤通学でなければ、使い勝手は悪くないかな？と。
あとは、マグネット式であるためイヤホン同士をくっつけられ、コンパクトに収納できるところもいい。俗に言う”きしめん”タイプの線で、断線しづらそうな感じもあり。500円にしてはかなりしっかりした作りに見えます。
2. 悪い点
✖ 細かい音量調節ができない
スマホ、ウォークマン、パソコンと接続して検証してみましたが、音量がおかしい。特にスマホはひどくて。Xperia XZ1と接続した時、音量が0の状態からボタンを二回上に押すだけで、かなり大きく鳴ってしまいます……。0→当然鳴らない、1→何故か鳴らない、2→大音量。ヘッドホンならこんなことにはならないので、このイヤホンに原因があると考えられます。また、最初にパソコンに接続した時、何かやたら音が大きいな？と思ってスピーカーのアイコンをクリックしたら、驚異の91という表示が。そりゃあうるさいよ。どうしてそうなる。
……と、ここまで書いといて何なのですが、やっぱりウォークマンが一番ひどい。なぜか音量調整が全く利かず、耳に入れずとも聞こえるレベルで流れます。本体のボタンでもイヤホンのボタンでも音量は変わらず。最初の接続は問題なかったはずなのに……何のためにこれを買ったんだ……(涙)
また、イヤホンの起動/シャットダウン、Bluetoothの接続/解除時に流れる音声案内が、バカみたいにうるさいし音割れしてる。ヘッドホンでは優しい音量で知らせてくれるのですが、このイヤホンはそんなことなく。音声案内でここまで鳴らす意味ある？ってレベルで流れます。この辺、どうにか調整できる仕組みが欲しかった。もし設定の仕方をご存じの方がいらっしゃいましたら、どうかコメント欄にてご教示お願いいたします。
✖ 自分の耳には大きい
自分の耳が小さいというのもありますが、しっかり耳に挿し込もうとするとイヤホンの金属部分がガッツリ耳にぶつかり、30分もすれば耳が痛くなります。これに関しては仕方ないのですが、もう少しサイズが小さかったら嬉しかったなぁ、と。
✖ やっぱり音は悪い
まぁ、そりゃあ500円ですからね。めちゃくちゃ良い音ってわけもなく。普通の音楽は大体スカスカに聞こえます。他のブログの方が調べたところ、どうやらモノラル再生されているそうで。通りで「何かラジオで聴いてる感じの音だなぁ」と思ったわけだ。
ただ、ものによってはこのスカスカが良い感じのテイストに変わるものもあるので、全部が悪いということもなく。上述しましたが、ラジオやポッドキャストなど、人の会話が主体のものなら十分な音質で聞こえるので、音楽よりもそっち側の方が向いてるのかもしれません。
✖ その他で気になったところ
イヤホンのL/Rがとても分かりづらい。Lだけ赤色で書いてあったり、突起がついてあって分かりやすく工夫しているイヤホンが多い中、このイヤホンはそういったものが一切ない。
イヤホンの背面(でいいのかな)の線の根本に小さく書いてあるだけ。初見で思いっきり逆につけてました。
また、充電の端子はmicroUSB。付属のケーブルでは長さが足りず、他の物を使ったためだとは思うのですが、なぜか抜き差しがやたら固い。その割に、ドコモの純正充電器だとスムーズ。この差は一体？
最後に親に協力を仰ぎ、音声通話のテスト。こちら側で接続してテストした場合、こちら側からの声は割れており、親のスマホに接続し直してしゃべってもらうと普通に聞こえました。端末との相性問題(？)があるのか、どうも物によって違ってくるようです。
3. 総評
500円でここまで使えるんだ！という驚きと、まぁこんなもんだよねという納得感・残念さが両立するイヤホン、と言ったところでしょうか。接続の安定性は素晴らしく、YouTubeの視聴程度なら問題なく使えるのですが、やはり音質はよくない。また、音量調整がバグっていて、やたらデカく聞こえてしまう。対応コーデックはSBCのみであり、音質や遅延が気になる人には使えない。そもそも、それらを求める人がこれを買うのかっていう疑問がありますが。
自分のように金銭面などで切羽詰まった事情があったり、Bluetoothイヤホンをとりあえず使ってみたいなーという人にはオススメできる一品だと思います。逆に、特にお金の問題がない人なら、もっとしっかりしたものを買った方が幸せになります。むしろそっちを買え。
とりあえず今のところはこのイヤホンを使い続けてみるつもりです。会話中心なら問題なく聴けるし、スマホなら多少の音量調整ができますからね。0か1しかないようなものですけども。本当はウォークマンに使いたかったんだけどな……。
お読みいただきありがとうございました。いつか3万円台のワイヤレスイヤホン買ってレビューしたいと思います。いつか。
(追記 2021/07/23 17:03)
ウォークマンに接続する場合、イヤホン側のボタンで音量調節が可能だということが分かりました。しかし、接続した時の最初の爆音は何なの……？