特にない
定めなどない
わたし囚われず歩く
渇きなどない
わたし満たされてる
前を向いて歩くことの効用
僕は昔からだれかと隣り合って歩くと、必ず肩がぶつかる。どうやってもゆらゆら、ふらふらと歩いてしまう性質がある。足の病気とか疑ったけれどそんな感じではなさそうだった。大人になってもまっすぐ歩けなかった。
1年半も引きこもるとさすがに暇になって散歩することが増えた。何となく気分が良くて背筋を伸ばして、遠くを見ながら歩いた。体に軸が突き刺さったような感覚になった。驚いた。
明らかにまっすぐ歩けている。思い返すと僕はこれまで、下を向いて歩いていたのだった。
昔大人の誰かに言われた。「前を向かないと歩けないよ」と。
よくよく考えてみると僕は、「前を向かないと歩けない」のだから「歩けていれば前を向いていることになる」と解釈してしまっていた。「歩く」というのを前に進むことと理解していたので、下を向いても歩けているじゃないかとそのままにしていた。ふらふらしないことは勘定に入れていなかった。
いや、人の話はきちんと聞くべきだったな。
ちょっとうれしくなった出来事だった。
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