2021ショパン国際ピアノコンクール、私の感想ツイートまとめ&一年後の考察

2021/7/18
いい演奏、20日、待ってます♪ 

7/20
あんなに自分をさらけ出して、絞り出すように演奏しているのを見ると、ヒリヒリしてくる....かてぃんさん、ありがとう😭
三回も見たから今日はもう疲れ切りました
ショパコンの映像っていつまで残してくれるんだろう??

10/6
今更ながら感想
かてぃんさんのショパンは、不安に満ちていることをカケラも隠そうとしていない....そういう演奏に聞こえました だからこそ心にヒリヒリくる....
ホッとできるのは10-1だけ!
スケルツォで右手チラッと見たの、ショパンがまた聴きに来てたのかなあ?

10/12
ずーーーっとマズルカ風ロンドのトリル音が、耳から離れずに鳥の様に出たり入ったりしてくるので何にも手につかない....😭
なので何もかも放り出して二次予選の感想を一曲ずつ書いて、とりあえず次の予選まで耳を休ませたい....ご興味ある方は下に続きます 

 マズルカ風ロンド 
こんなに濃密な音楽だったとは!

踊っている人々と小鳥の鳴き声、緑の森と小舟の端を波が洗っている音....そして踊っている人の中に恋しい人もいる...一緒に踊れる喜びと切なさ....鳥が代わりにあの人にこの気持ちを伝えてくれたらいいのに..でももう曲は終わってしまう...

という話まで浮かびました!
これは、200年前のポーランドの夏、なんだろうなあ😊

バラ2
冒頭でペダル放す音なのか?何かが共鳴した様な変なヒュワって音が2回するんですよ😳
ところが、そのあとその変な音が鳴りそうになってもどうにかして小さくしているんですよ😳 そしてさらにすごいのは、音楽がひとつも影響なくて、
そんなトラブルはなかったかの様に、いつもより集中度マシマシで弾いてるんですよ!
むしろトラブルがあった故に集中したのかもしれない.....すごい😳 

 華麗なる大円舞曲
人間では踊れないぐらいに速くて軽やか✨✨🧚‍♀️妖精🧚‍♂️か何かが踊る用の曲になってる

クラシックのワルツを弾くのに、ジャズワルツとかからも得るものがあったってインタビューで答えてたけど、どういう学びだったんだろ?LABOで共有してくれるかしら??(これは、すでにラボで喋ってましたね、たぶん。ジャズとクラシックの弾き方の違い、の回で)

そして最後の英ポロですよ....
この曲をこの場で弾ける喜びが伝わってきて、ジャーンジャジャーンが鳴り渡るたびにこちらも嬉しくなる🥰
この曲でもヒュワって音がなりそうになるけどすぐ抑え込んでる...これはもしかして音響の問題?...だったら私のさっきの感想↑は😅まあ、なかったことに😅 左手オクターブ連打の軽やかさ!こんなに軽やかに弾けるなんて....左手が手に見えない!!
人々が集まる足音とかざわめきみたいに聞こえる...
そこからの連想↓ 
英雄が帰ってきた、とラッパが告げ知らせている。群衆があちらこちらからどんどんと集まってきて、花びらのシャワーを降らせている。
英雄は、馬上で一人だ。誰も彼の孤独をわかってあげられない。光がさして、天気雨が降ってきた。金色の雨が彼に降り注ぐ。それは祝福の雨なんだろうか.... 
最後まで見ていただく方がいるかどうかわかりませんが、長い長い感想につきあっていただいてありがとう🙇‍♀️
ポケットに手つっこむのとか、弾いてる最中唇とんがってたとか、最後のお辞儀の深さに反比例する様にすばやく去っていくのとか、他にも色々言いたいけどここで止めときます😁

10/15

演奏を聴いて涙が出ることはあったけど....
声出して泣いたのは初めてだよ....
途中から怖くなって、無意識に何かつかんで安心しようとしてた....持ってかれすぎた....
もう一回聴きたいけど聴けない!!!
みんなのTwitterの感想見て、感動だけをリピートしてる。

10/17
もうニ日前なのか、まだ二日前なのか....いまだに葬送..の音がみぞおちにあって、なんでか、すぐ涙がでてくるんです。
そして、リアルタイムで聞いてからは一回も聴き返す事が出来なくて、それがどうしてか?整理して自分なりに納得しないと、と思って書きます

病院で働いていた時期に、人が亡くなる瞬間に居合わせる事が何回かあって.....その時、まわりの親族の方がたてる声のトーンに共通のものがあるなあ...と感じていました。
感情の底が抜けた様な声、と言えばいいのでしょうか?普段は抑えてるものが全部取り払われて、穴があいてダダ漏れになってる様な。その声が泣き叫んでいても、穏やかに語りかけていても、同じトーンに私には聞こえました。
でも、かてぃんさんの弾かれた「葬送...」が、そのトーンに聴こえたっていう話ではない...です。むしろあの曲の中には「嘆き」みたいなものは聞こえなかったです。
あの有名な第3楽章、左手で淡々と弾かれているのが、冷徹な時間の流れで、右手では今起きている事実だけが伝えられている気がしました。そして、どこがきっかけでそう思ったのか、わからないのですが....
いつのまにか私自身が、底の抜けたバケツの様なものになってしまっていて....今、目の前にいる近しい人が死んでいくのをただ見ている..... 

そして、私の口から本物の「嘆き」が漏れ出てきた..ピアノを聴いて、声を出して泣いてしまうなんて..

途中の優しい美しいメロディが心底怖かったのだけは、強烈に覚えています...
あれは私が失って、もう二度と手に入らない美しいもの、それがなんなのかはわからないけど、もう手に入らないことだけを事実として伝えられた様な気がして.... 
つまり、あの「葬送..」は、死んで行く人に対する嘆きそのものではなくて、その嘆きが抜けてしまった後の現実、何もなくなってしまった私自身に聴こえた..のかなあ?
大事な物を失ってしまって、抜け殻の私....なるほど、それは、もう一度味わいたい経験ではないなあ...だんだんわかってきた!
そのあと、スケルツォの時は、なんだかまだ上の空で、終わった時はみんなが「いいお葬式だったわね」みたいなことを言ってるのを遠くから見てる、みたいな気持ちだった....
なので、私はこのソナタ2番のもっと言えば第3楽章のことしか覚えていない事がよく分かりました。衝撃的すぎたから、他の記憶全部どっかいっちゃったんだな
マズルカ素敵!って感じたはずなのに
でも「葬送...」全体の記憶もすでに曖昧で思い出せない..曲よりも、自分が受け取った感情しか覚えてないのは...いい事?悪い事?分からないけど、こんな気持ちでもう一度聴けないのはハッキリわかる。なので、もう少し落ち着いて...一週間ぐらいたったらもう一度聴けるかなぁ?
(架空の)近親者が亡くなったんだと思えば..
この演奏から離れる事はできそうにありません!

10/25
一次の演奏は、ショパンに対峙する恐れを隠さないかてぃんさん。
二次の演奏は、ショパンを弾く喜びに満ちたかてぃんさん。

三次は..なぜか聴こえるのは私自身。
どこも見ていない目で見てる、音楽しか存在しない世界..
感情の鏡..

怖い!けど聴きたい!もうだいぶ経ったし、ソナタ聴けるかな
正直あんな有名な、例えばコント「お葬式」、とかで使われそうなメロディなのに..何をどうしたらあんなに持ってかれる羽目に😓

でも、あの体験は唯一無二で、もう一度聴いてもあそこまで持ってかれる事も無いだろう..と思うとちょっとさみしい
さ、聴いて、私も先に進もうかな!

ここからは、一年後の感想を書き足します。

2022/10/15から数日かけて。

葬送ソナタ第3楽章を弾いてる時の感想ツイートを書く時、本当は書きたかったけど控えてしまった表現があった。

ずっと「父殺し」という単語が頭の中に浮かんでた。今まさに「父殺し」が行われているんだと。すごく誤解を生みそうな表現だから、大急ぎで言い訳させてもらうけどかてぃんさんの本当のお父さまとはぜんぜん関係なくて...ここでいう「父」とは権威の象徴、といった意味合いです。既存の価値観とか、見えない壁、とか。今の世では常識、と言われてるものとかとか..。「親殺し」とも言えるかもしれない。

神話の世界では、「父殺し」のモチーフはよくある気がする。息子が、実の父だとは気づかずに殺してしまった、オイディプス王が有名なお話ですよね。

あの時、ソナタを弾きながら殺していたのはなんだったんだろう。いろんな解釈をしたくなっちゃうけど、なんだかいっぺんにたくさんの物事や人を越えようとしていた気がする。

コンクール後のラボで、なぜコンクールに挑もうと思ったか?の理由のひとつに、周りの人達のため、と喋っておられたけど。
自分以外の人のために何かをするのは、自分だけでは頑張れない場面でも踏ん張れたりできるので、ある意味、楽な面もある。その頑張りを、自分ごとにするためにもがいておられたんだろうか。

あの演奏を、単なる音楽として聴かず、若者の成長譚のように聴いてしまうのはちょっとうざい気もする。私はあまりにもあの演奏に心を持っていかれすぎて、喋りすぎてる気がするけど。
でも、どうしてもなんだか文章にしたかったので、ひっそりひっそり書いてしまいます。 終わり。

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