グラジナ・バツェヴィチの序曲にまつわる私の思い

9/14の岡山シンフォニーホールであった、ポーランド国立放送交響楽団の公演についての感想をnoteに書いた時、序曲の感想だけは飛ばしてしまいました。
なぜか、というと...あんまりにも個人的な思い入れに満ちた聴き方をしてしまったからです。
なので、これは曲の感想というよりかは、ほぼほぼ私自身の話になります。

チケットを取った後、少しだけ予習していました。
一番最初に演奏される曲としてあげられていた、

バツェヴィチ/序曲

これだけの情報から、作曲者のことがすぐに調べられるインターネットのありがたさ!

グラジナ・バツェヴィチ、ポーランドの女性作曲家。1909年〜1969年

一番目をひく情報は、第二次世界大戦の時に、地下組織の秘密演奏会を開いていた、という記述。

あの時代に、音楽活動を続けることがどれだけ難しかったのか...想像することしかできないけれど。
お写真で拝見するに、きっと、マリン・オルソップさんに似て、凛とした、自分を持ってらっしゃる方だっただろうなあ、と。
私もそのように年を重ねていきたい...いや、今、私も私が出来る限りの時間をつぎ込んでいることがある!
どうにか、この二人の美しい女性にあやかれるように、岡山に行く前にある程度ガンバらなければ....

何をガンバっていたのか、というと..
星新一文学賞に提出するショートショートを書いていました。

お話を書くことに対するあこがれは、昔っからありました。たぶん小学生くらいから。でも、書きかけた小説も途中で放り出したりして、何も挑戦せず。書くよりも読むことの方が好きだったのかもしれないけど。ただ、ずっとあこがれてはいました。

そして、去年のショパン国際ピアノコンクールでのかてぃんさんの予備予選を見た時..あの指の震えを見た時..ああ、私はあそこまで震えるような、何かをがんばったことがあっただろうか..と、心がヒリヒリと痛みました。
私も、何かを心の底から頑張ってみたい、でもそれはきっとピアノ演奏じゃない。ピアノは趣味でもかまわない。ずっとあこがれてた小説を書いてみたい!と思いついてから、少しずつ去年の年末から書き溜めてはいたのだけれど。
でもやっぱり根気のなさから、出そうと思っていた文学賞にはぜんぜん間に合わなくて..あああ、やっぱ私には無理かな、また途中で飽きちゃって投げ出すのかな、と思いながら...
それでも、登場人物が言いそうなセリフだけでもいいから少しずつ書いて、ためておけば、苦手な地の文を後から書き足して小説になるだろう...と本当に少しずつ少しずつ書いていました。

そして、「星新一賞の募集要項にAIも可となってるのすごい。」 というツイートにかてぃんさんがいいねしてるのを見てしまって。これだ!この文学賞に応募しよう、ショートショートなら、地の文がなくて会話だけでもいけるだろう、今まで書き溜めたもので構成出来るかもしれない!って思いついちゃって。
そこからは結構頑張って、使い慣れないお古のノーパソとWordと格闘して、紙のノートに書いていたものを構成し直して...

そしてどうにか小説の目処がたったところで、ちょうど岡山まで演奏を聴きに行くことが出来ました。
我が家の最寄り駅から次の駅まで、大きい坂があって、登る時にそれまでと違うリズムで列車の音が聞こえてくる箇所があるのですが、その時に意識が、明日聞くはずの序曲に飛んで...

私、グラジナさんとマリンさんみたいな、カッコいい人になれた?いや、まだぜんぜん足元にも及ばないけど、でも、ちゃんとガンバってる。自分がしたい、と思うことを楽しんでやれてる!

そして次の日にようやく聞けた本当の序曲は、魂の自由を教えてくれるような曲でした。柳のようにしなやかで、折れない。
自由を求めるのは簡単じゃない、色々な困難はある。でも誰でも目指せるんだよ、だから続けなさい、続けなさい、続けなさい!!!
「はい、わかりました!」と大声で返事しそうでした。

帰ってからもずっと、書き足しては削って削って...を繰り返していました。
ショートショートなので、一万字以内、という規定があったのが良かったのか悪かったのか...短い話に登場人物は8人もいるし、ギュウギュウでわかりづらい小説になっちゃったんじゃないだろうか?あらすじも提出??200字で??この話をさらに短く???書きづらいなあ
不安はたくさんあったけど、でもちゃんと仕上げて送れた!締め切りの1日前に送った!ギリギリにすると、恥ずかしくて決意が鈍ってしまいそうだったから。

送信ボタンを押す時、私の指は震えてただろうか?震えてなかったような気がするけど。でも心はずっとドキドキしてる。かてぃんさん、マリンさん、そしてグラジナさんは私に勇気をくれました。ありがとうございました!

(文学賞に応募した、という事をわざわざ言う必要があったのかどうか、わからないけど、でもこの文章は、バツェヴィチの序曲の話を聞きたい!と望んでくれた、うにちゃんさんのために書きました。うにちゃんさんに捧げます。いつもいつも読んでくれて本当に本当にありがとう!)

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