2023/3/20KEYS函館

最初に言っておきますがネタバレありです!まだ千葉が残ってるので、見てない方は公演見てからの方がいいと思いますよーー配信あります!

バッハ イタリア協奏曲
17-18世紀の音楽だとは信じられないほどフレッシュに聴こえる。そして色んな楽器の音色、弦楽器や管楽器の音色も聴こえてくる。
グランドピアノの大きい屋根が開いているのが、大きな二枚貝の様に見える連想から..新鮮な牡蠣に、ピッコロとかフルートみたいに聴こえる部分が、レモンの様に効いている。イタリアだから牡蠣じゃなくてムール貝か?そこの例えはどうでもいいか。
2楽章の最初の方で..たぶん携帯なっちゃった....でも、まだ弾きはじめ、くらいのところで鳴ったので、かてぃんさん慌てず指で「もう一回☝️」ってやって、2楽章始まりからやり直した。うーんすごい大人の対応。鳴っちゃったのがまだ最初の方でよかったね、いや良くないけど。
そうしてすごい集中力で弾かれたのは、明るい調でもなぜか大きい悲しみ、あきらめ、の様に聴こえる。はらはらはら、と落花に埋もれてゆく。苦しいくらい。最後の静寂、私としてはもう少し長く続いて欲しい、と願うほどに美しい瞬間だったけど、もう少し長ければ、
本当に息が詰まってしまったかも、というぐらい、そこまで弾かれた音の残響に埋もれてしまった。
その降り積もった音を一掃するかのごとく明るく始まった3楽章、壁が空いて、風が吹いて、そしてその風にはらわれて、何か大きい、遥かな、そして遠い何かが見えてくる。なんだか「楽しい」という気分そのものが俯瞰で見えている感じ。

モーツァルト ソナタ第11番
子供が合唱している様な。空気がたくさん含まれている様な音。エアインチョコとかホイップクリームとか。
まるでお遊戯会で色々な子がニコニコ演技している様な。歌ってる、踊ってる。この曲は、前の曲と違って、暗い曲調とかになっても、
なぜか可愛らしい、微笑みが底に必ずある感じ。
そして最後、トルコ行進曲になったら!本当に、前に座ってたお子さんが、頭フリフリで聴きはじめたの!
私の中の想像の子供が現実になった!と思って、笑っちゃいそうになっちゃった。そうだよね、踊りたくなるよね、これ言うの何度目だって思うけど、クラシックの曲だって、立ってノリノリで踊って聴きたい。あの...武道館でやる時は踊ってもいいでしょうか?ツアーTシャツ付きのチケットとか販売するんだから、汗かく前提よね?クラシックのコンサートの範疇じゃないよね??お願いします...ペントハウス以外だって、ノリノリで聴きたいよう

24の調によるトルコ行進曲変奏曲
丸い電球の色で調を表す、ってMC終わって、拍手も終わらないうちに弾きはじめられたせいか、最初、おもちゃ箱をひっくり返したみたいに、「どんがらがっちゃん!!」って聴こえちゃった。そしてこちらの変奏曲は、からくり時計の人形が、後ろの壁からくるりん、っと出てくるように聴こえる。出てくる人形は、子供じゃなくて大人の時もあって、くるりんするたびに色々な人間が表情豊かに生活してるシーンが見えてくる。
途中、紫色の曲(たぶん15変奏)のところから、何か雰囲気が変わった。何か違う。何故か懐かしい海の音がする。その懐かしい海に、橙色の16変奏に変わったところで、大きな夕陽が沈む(色🟠に想像が引き摺られた)。
その懐かしさに惹かれて、🟣の色を覚えてたら、最後でも紫色から赤に。この部分の盛り上げ方がすごかった。あんまりにも凄すぎて、曲が終わった瞬間、つい笑ってしまったら、お隣の方に聞かれてしまった😅「凄いですね」って微笑まれてしまった。スゴかったですよね、共感してもらえて良かった。

大猫のワルツ
最初のMCで「家に太った猫がいて」って。オヤ、「そこそこ大きい」って言い換えるようにしてたのかと思ってたら。プリンちゃんはそんなに太ってないと思うけどな。
チェレスタは本当に可愛い音色、可愛い猫にぴったり🐱
途中のトイピアノのキラリン🌟で、笑いが起きるのも、折り込み済みなのかな?楽しそうに弾かれてた。途中の、昔を懐かしんでいるようなところが、本当に愛おしんで弾かれてる気がして。

ガーシュウィン パリのアメリカ人
最初は、そのまま大都会の光景。パリだかNYだかは分からないけど。
スモーキー、フォギーに聴こえる箇所があって、紫煙くすぶるBARでウイスキー、みたいな連想が飛ぶ。行ったこと無いけど。でも、チェレスタがなったところから、何だか変なところに連れて行かれて、現在地がわからなくなった。ナビが壊れてしまいました、みたいな。
ピアニカを吹きはじめた時、なんか舞台に2人いるように感じた。まるでサックスか何か吹いてる人と、ピアノ弾いてる人が、2人でセッションしてるみたい。ピアニカの吹きかた、どんどん極めていってる印象。
そうして最後、fからffffまでのあいだの音しか知りません!なんならf六つでも!八つでも!みたいな勢いで鳴らされていく音たち。グランドピアノの前に座っていたから、身体が物理的に痛い!って思えるくらいの音のつぶてにやられてしまう。

どこのMCだったか、もう忘れちゃったけど、函館ならではのMCとしては、この函館市芸術ホールが、五稜郭を模して五角形なんじゃないか、みたいな気づきがあったって言ってたけど...「おー!」って感じにはならなくて....みんなポカンとしてたし、私も「えー?五角形?六角形じゃない.....?」って思っちゃった😂あんまり明確にそうだね!って言えないってゆうか🤣あのMCは滑ってたな多分🤣

ボレロ
最初から度肝を抜かれる。どうやってあの真っ暗の中、転ばずに椅子に座って、最初の一音を出せるのか?

🥁の音、ずっと鳴らされていると、こちらの身体の中でもなりはじめて、だから楽器を変える時に🥁の音が途切れても、なんの問題もなく私たちの身体の音が続けて鳴っていて、そこに自然に繋がって..でも良く考えるとあの一瞬、いわば聴いてる人に音楽を預けて、そのあと続きを引き取るみたいな芸当がなされてたわけで...観客を信じてないとできないよね...ああすごいな..いまさら感動してるけどすごいなあ...
その🥁の音に絡みつくような不思議な歪んだ音たち。オーケストラバージョンより、さらに不思議な感じ。

後ろの壁(なんか今回、壁の話ばっかりしてるけど、ちょっと印象的な凹みがついてたから...)が、照明に照らされて、まるでオーケストラの人影のようにだんだんと増えていっている。
そして後半の盛り上がり向けて、さっきの身に痛いほどのフォルテがさらに、さらに、さらに!もうもうもうYouTubeライブで聴いた時に「これ絶対、生で聴きたい!」と思った興奮がよみがえってくる。
そしてその興奮の上ゆく上をゆく、上のさらに上、上、とうとうメロディが変わって上がりきって、あっ終わる...と思ったら、だんだん光量が増してたステージの光が!
最後の「ダン!!!」の音と共に!消えた!ギャアアアア!!!
すっごい自然に歓声をあげてしまった。後ろからもめちゃめちゃ歓声が飛んでくる。わあスゴかった。すごかったすごかった。完璧な演出!!
何も知らずにクラシックピアニストだと思って聴きに来た人がいたかな?絶対腰抜かしたよね、ファンを自認する私も驚いたんだから!

立って拍手したの、私の周りでは私だけだったかもしれないけど(後ろは見てない)、でも客席はコーフンしきってたのは、かてぃんさんに伝わったかな?きっと伝わってるよね。

そして、熱を穏やかに冷ましていくようなノクターン。夜明けをイメージしています、というMCだったけど。
私には渡り鳥がイメージされた。明け方の陽をさして、羽ばたいている渡り鳥。いいこともわるいことも、日常の全ては、ほんの少しの疲れや悲しみと共にあって、その淡々とした日常こそが美しい、と。

ト短調キラキラ星
毎回違うの当たり前みたいに聴いてたけど、当たり前では全然ないよね...全部即興..?な訳ない..よね...?
最後の最後まですごい人だ。
ここでしか聴けない特別感もあって、とても嬉しいお土産☺️
大満足でした!

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