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スマホクリーナーの製造の裏側

こんにちは。ヒョウガ商店です。

モノづくりアカウントで掲載した投稿を1つにまとめて、多少の文章も変えて投稿します。

たまには、モノづくりの投稿も載せないとですね😅

私が考案した製法で作っているモバイルクリーナーの製造の裏側をお伝えいたします。(実用新案を取得済み🌈  

まず、入稿されたデータを印刷用データの作り替えます。

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今回は、『うさうさん』のイラストをお借りして説明いたします。

始めに白い材料を使用して業務用のインクジェットプリンターで印刷いたします。

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この印刷機はメーカーに特注で作らせた印刷機で、この仕様は世界に1台の貴重な印刷機です。
※現在は上場した為に、細かい対応が不可能になりました。
なので、本当に『幻の特注機』となりました。

■追記
実は、この印刷機を特注してもらえるまでに、約2年間ほど印刷機メーカーの営業さんと開発部の人に交渉しました。

数え切れないほどの熱望を語り続けて2年後・・・。
営業の方から営業トップの方を紹介されて、更に熱く語り続けました。
その後に、開発部の部長も巻き込んで、当時のメーカーの試作品を特別にお借りしました。

その後、約1年間ほどデモ機として使用して、その全てのノウハウをメーカーに提供する条件で、特別に特注機を作ってもらいました。

その後、UVプリンターにも、私が提供したノウハウは活かされています✨
なので、開発部の中で1部の営業マンの間では、現在も私の『ありえない行動』を覚えてくれています。(笑)

たぶん、メーカー以外の人間で、私が開発に1番貢献していると思いますw

それぐらい、高スペックの躯体とプリントヘッドだったのですが、他の顧客にはインクの皮膜を向上させるスキルがなくて、溶剤型では量産不可という決断が出されました。
のちに溶剤インクからUVインクの技術が確立されたのが、この特注機から約5年後の事でした。
(当時のUVプリンターは1,500万円以上の印刷機でした。)  

その後、コストダウンが進み、現在は500万円前後まで価格が下がりました。

特注機の話に戻します💦
この特注機は、躯体も恐ろしく頑丈で、プリントヘッドも当時最強の性能を誇る物を使用していたので、耐用年数も通常の印刷機の2倍以上の耐久性を誇ります。

通常は、耐用年数は5〜7年ですが、この特注機は既に約14年間も現役で活動しています。
(現在も元気に稼働中。)

当時は、印刷機メーカーも開発予算が潤沢にありましたので、印刷機の躯体もプリントヘッドの性能も『かなりのオーバースペック』で製造されていました⚡️
(現在の1000万円overクラスの設計となっております。)

4世代以上前のプリントヘッドなのですが、このプリントヘッドだけは現在でも最新機種と大差なく使えている名機中の名機です✨

通常は、10年ぐらいで消耗品も製造中止となりますが、当時は大人気の印刷ヘッドなので、現在も部品供給が行われている珍しい事例です。
(ただ、1〜2年以内に部品供給が終わります。)

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印刷後は数時間ほどインクを乾燥させます。

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下記の画像のように、印刷が終わった物を1枚ずつカッターでカットして、その後に特殊コーティングを施してから、製品加工の工場で特殊加工いたします。(異なる材質を高周波で接着後に抜き加工をします。)

そして、色々な形状の金型を使用して、異なる材質を高周波で接着後に抜き加工をします。

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透明インクと特殊な液体を2種類ほどブレンドして、インクの被膜強度をあげます。

その後に、先ほどのプリントした物の上に透明インクをコーティングいたします。

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下記の画像は、
ハート型と30mm丸型のモバイルクリーナーの抜き終わった物です。
完成品は版権作品の為に掲載不可です。

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また、完成品は抜き打ちチェックをします。

完成品をハサミで半分にして、中から外側に向けて引っ張ります。
溶着が弱いとすぐに接着部分が剥がれてしまいます。
(他社製品よりも強度が強くて頑丈です。)

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ちなみに、他社さんは、こんな面倒くさいことをやっていません😊
インクの耐久性と本体の耐久性は他社を圧倒しています🔥

他社の製品は1年ぐらいで壊れますが、うちの製品は数年間は壊れません。
下記の記事(うさうさんの投稿)でも、実際に5年以上も使用されていも『壊れていない』と書かれていました💡

上記の説明は、現在の方式(印刷後に製品加工)ですが、来年から稼働する新しい製造方法でも作りました。

こちらは、無地の完成品(立体物)に後から印刷をいたします。

■欠点
欠点は、立体物の完成品に印刷する事で、高低差の低い部分の印刷がボヤけてしまったり、色が綺麗に再現されません。
また、光沢インクでコーティングできないので、色の彩度が落ちます。

画像の上段が完成品の画像で、下側の画像が現在の製造方法です。

現在の方法ですと印刷後に加工をするので、金型の関係で最低注文が6個からで、6面の金型の為に6個の次は12個と6の倍数の発注となります。


しかし、完成品に印刷する事で1個から注文を受けられる事になります。
また、追加も1個から追加でき、更に拭き取り面の色も1個ずつ変えられます。


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■欠点
欠点は、立体物の完成品に印刷する事で、高低差の低い部分の印刷がボヤけてしまったり、色が綺麗に再現されません。
また、光沢インクでコーティングできないので、色の彩度が落ちます。

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また、完成品自体も個体差があるので、厚みが少し違うだけでもプリントヘッドに干渉してしまい不良品になってしまいます。

下記はイラストの顔の部分にプリントヘッドが干渉した画像です。

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また、印刷の品質を出そうとするとプリントヘッドに干渉しやすいので、ギリギリの所を攻めますので、誰でも綺麗に印刷ができず職人技が必要です。


■利点
拭き取り面の色が1個ずつ別々に選べます。

通常の製法では、6面つけの金型で一括加工するので、拭き取り面の色は1色しか選べません。
この製法ですと全て別々の色で作ることができます。

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現時点では、最低注文数が6個からですが、新しい製法は1個から注文ができるので、お客様の細かいオーダーに対応できます。


印刷機と製造方法に違いで完成品も異なります。

完成品はUVインクジェットを使用しますので、インクの発色が従来の溶剤タイプよりも綺麗です。

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コストは上がりますが、もう1つのUV印刷機に変更すれば完成品の質を上げる事も可能です💡

ただし、印刷スピードと印刷範囲が狭い印刷機なので、多少のコスト高になります。


来年の春からは、新しい製造方向にシフトしますが、2種類の印刷機で価格差と品質の差別化で進めていこうと思います。

実は、うさうさんは5年前にリアルのお客さんだったという事が判明しております😊 
noteで感動の再会を果たした後にコラボグッズという流れになりました✨

来年は、違う商材でコラボグッズをやりますのでお楽しみに🌈
うさうさん、コラボ企画のご協力ありがとうございました😊

頂いたサポートは、新商品の開発や実験、新しいチャレンジへの資金として有効に活用させて頂きます!