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『セルフケアの定着を目指して 景山歯科医院のブラッシング指導』より―「増補第2版の刊行にあたって」 (一部抜粋)

『セルフケアの定着を目指して 景山歯科医院のブラッシング指導』を2月4日に発刊しました! 「増補第2版の刊行にあたって」 をウェブ版として公開します.ぜひ,ご一読ください.(編集部)


今回,『景山歯科医院のブラッシング指導』を加筆・改訂し,本書『景山歯科医院のブラッシング指導 増補第2版』を上梓する機会をいただきました.

第1版の出版から8年が経ちました.その間に,社会は少子化が進み高齢者率がますます高くなってきました.それに伴い,歯科界も大きく変わってきました.う蝕や歯周病の重症化予防が評価されるようになり,プラークコントロールの重要性がさらに強調されています.
一方で,マスメディアを通し一般の方々にもセルフケアの大切さが周知され,さまざまなオーラルケア用品が市販されています.そのため,どのようにセルフケアを含むプラークコントロールに取り組めばよいのか,混乱が生じてはいないでしょうか.

プロフェッショナルケアとセルフケアからなるプラークコントロールの基本的概念は従来と変わりません.しかし,患者さんにセルフケアを身に付けていただくためには,適切なブラッシング指導をわれわれ歯科医療従事者が行えるか否かが現在のところ喫緊の課題だといえます.

そこで,本書では第1版と構成を変えず,内容も踏襲していますが,現在ブラッシング指導を行ううえで,必要であると思われる項目を追加しました.
まず,「第Ⅱ章 ブラッシング指導のポイント ①景山歯科医院で行っているブラッシング指導」の項目でSPT/メインテナンスについて加筆しています.SPT/メインテナンスではセルフケアの定着を確認し,必要に応じてブラッシング指導を行いますので,景山歯科医院でどのように行っているのか見ていただきます.

次に,「第Ⅲ章 ブラッシング指導に迷うときの参考資料」に「Q1:乳児の歯ブラシの選択は?」と「Q2:フッ化物配合歯磨剤の選択は?」を質問として加えています.乳児の歯ブラシの選択については,保護者の方から尋ねられることが多いからです.フッ化物配合歯磨剤については,2017年3月より国際基準と同じ1,450ppmフッ化物配合歯磨剤が発売されることになりました.そのため,フッ化物の効果,フッ化物配合歯磨剤の濃度と年齢別使用量を今一度確認する必要があります.さらに,景山歯科医院で患者さんに薦めている歯磨剤について説明します.

本書『景山歯科医院のブラッシング指導 増補第2版』が読者の皆様の明日からのブラッシング指導に,そして診療の参考になれば幸いです.


 2022年1月
景山正登・景山亜由美
飯田しのぶ・田中浩子・坂屋優衣・小池里江


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