無自覚な自己判断に気をつけよう
報連相はビジネスの基本とよく耳にしますよね。
withコロナによるリモートワークが、この基本の難度をさらに上げたな、と実感した一年でしたし、今も思っています。
質問することを迷うメンバーの存在
とある日、昨年途中からチームに加入した若手メンバーSさんが、多々抱えているであろう疑問/質問の問いかけが少なく感じることがあった。
Sさんとの1on1や個別のやりとりを通して、要因が見えたため、対策としては明確なルールを決めることとした。
ルール① ”分からないことは3分調べ、解決のヒントが掴めなかった場合は問い合わせる”
自分で何とかしようと思うことは、主体性だと思う。
それは尊重したいし、時に尊重し過ぎかもしれない。気を付けます。
留意点としては、尊重に期間や指標がなくなると、それはネグレクトに変わる、という点だ。
まず、Sさんと決めたルールは"分からないことは3分調べてみて、それで解決しなさそうだったら、迷わず確認する"ということで合意した。
狙いは以下2つ。
・自主性の容認
・生産性低下の抑制 *必要以上に調べる、悩むことによるもの
この2つは、特に新たな業務に就く方、また経験が浅い方にトレードオフになりがちだと思う。
当然、問い合わせ先は私でなくても構わないが、その答えを持っていそうな問い合わせ先(ライトパーソン)に聞くようを伝えた。
その後、成果が見られた。
Sさんからの日々の報告は増えた。これからやろうとしていること、「●●さんに聞いてみます」というチャットが一日に数回入ってくるようになった。
ここで次なる課題が顕在化した。
要因は、作業依頼者との完了点の相違だった。
ルール2 "120%確実なこと以外は聞こう"
問い合わせるべきことの定義を合わせた。 *下図
この図解がフィットしたようで、Sさんからも納得の反応が見られた。
作業依頼者に対して、自分が「分かってる」ことを、「念のため確認ですが、●●という理解でいいですよね?」と聞くことは、決して余計な質問ではない。
むしろ、質が上がるという点で、ゴールに向けて理想的な対応だ。
その点を重ねてSさんに伝えた。
周囲への配慮ができる人ほど、時にコミュニケーションの壁が高くなってしまう。
チームに加入して日が浅く、対面できない状況ならなおさらだと思う。
確認を怠ったことで、成果物や作業そのものがやり直しになることも往々にあるため、その意味でも念入りな確認はし過ぎるくらいでOKだと思う。
例えば、どこか知らない場所で誰かと待ち合わせをする場合、知りたいのは向かうべき方角や「ざっくりあの辺」という情報ではない。
明確な住所、目印となる建物/看板、待ち合わせ時間は何時か、といった具体的な情報が知りたいし、不可欠だ。
繰り返しでしつこいが、自発的な念のための確認は心から推奨する。
「今忙しいだろうから聞かない方がいいかな」という自己判断はしない方がいいし、当然質問を受ける側も無碍に扱ってはいけない。
もちろん前提として、作業依頼者側の依頼の仕方や、その管理者が状況把握→調整する、など対応すべき点は色々ある。
無自覚な自己判断
今回は"聞いた方がいいことを聞かないで済ます"という内容にスポットを当てたが、他にもたくさんあると思う。
以下、私の体験に基づく無自覚な自己判断例を一部列挙する。
・あー、●●って言ってから、きっとこうだろうな
・たしか前もこれでOKだったよな
・週次会議で●●さんがこうしてたから、同じ感じでいこうかな
・確認依頼出してたメールに「了解」って返信来てたから、これってやってOKだよね
・やばい。もう時間ないからこれでいっか
・連絡も返信もないってことは暗黙の了承ってことだよね
繰り返すがbased on a true storyである。
類語として挙げるなら、希望的観測や都合の良い解釈、あたりが該当するだろう。
油断すると私自身もすぐに陥るので、自戒を込めて。
*BGM:Out of my hands ~revival~ / Pay money To my Pain