愛知県知事リコールにおける署名運動の「不正」報道について思うところ

まず前提として、私は高須院長のリコール運動に賛意を示します。
その上で、ここ数日の(2021.02.02現在)の報道について思うところを述べます。

なお、県の公式HPでは下記の告知がなされていますが、これについて反論を試みようと思います。

愛知県知事解職請求に係る署名簿の調査の取りまとめ状況について

「不正」について

「不正」を辞書通りに考えるなら「意図した違反行為」となります。
1人で何人分も書くのが一番分かりやすい不正ですが、果たしてそれで36万筆も書けるのかな?
上記資料から、有効と認められないものは362,187。
署名の項目は「日付、氏名、住所、生年月日、捺印(拇印)」です。
不正行為と言えど無効票ではじかれては意味が無いので、全て楷書で丁寧に書くと仮定します。
また、存在しない人間の署名も意味が無いので、何らかの名簿を転記すると仮定します。
……なんか、この時点で普通に署名を募った方が速い気もしますが。
1人分を書くのに5分として、1時間で12筆。
まー、もうちょっとスピードアップするでしょうから1時間で20筆というところでしょうか。
資料では36万筆の内、約90%が同一人によって書かれたものと疑われています。
なので、90%の約32万6千筆なら16300時間=679日必要となります。
1人でやるわけないだろ!
という反論は当然なので、逆に偽造に関わった人間を換算します。
署名期間の60日で32万6千筆書くには、1日当たり5,433人分。
1日8時間書いたとして、1人で1日160人分。
つまり、34人が2ケ月間休日無しで書いてこれです。
現実的には休みも必要なので、延べ50人以上ってところでしょう。
さて、悪事ってのは関わった人間が少ないほど発覚しません。
偽造するにしても、仕事でやっているわけではないので50人が専任でやるのも現実的ではありません。
それに携わる時間も、全員がきっちり8時間とは限らない。
よって、32万6千筆が全て偽造だったとして、不正に関わった人間の数は数百人ではないかと思われます。
仮定に仮定を重ねていますけど、それだけの人間が不正を行っていたのなら、もっと色んなところから話が漏れているでしょうね。
結論として、32万6千筆の「不正」というのは現実的ではありません。
ただ、「不正」そのものは実際にあったのでしょうね。
家族の分の代筆とか、そういうのが。
ただ、これを「不正」とするのは、厳しいんじゃないかと思います。
何の為の捺印や拇印なのかと。

実際には何があったのか?

で、ここまでが前振り。
では36万筆はどのような署名だったのかというと「無効」という事でしょう。
これが一番現実的だと思うのですが、参考になるのが平成22年に行われた名古屋市議会へのリコール署名です。
このリコールでは11万筆もの署名が「無効」とされました。
これについて詳しくは衆議院において質問主意書が国会に提出されています。

名古屋市議会リコール署名の取り扱いに関する質問主意書

簡単に言うと、厳しすぎて何でもかんでも無効になっちゃう、という事です。
枠からはみ出し、書き損じ、二重線の訂正でも無効にされたり、生年月日の元号と西暦のミスも無効、インクが切れて別のペンで続きを書いても無効、印鑑が濃いから無効、などなど……
選挙の時より厳しい判断で無効にされたようです。
まるで民意を取り上げる事を拒むかのような、選管による厳しい「審査」だったとのこと。

余談ですけど、名古屋市議会リコール署名に対して質問主意書が提出されたのは旧民主党政権の菅直人内閣。
返答は「知らねーよ。そっちでやってくれ」

まとめ

まとめますと、選管が厳しすぎる基準で「無効」を大量に出し、マスコミはそれを「不正」と報道した、という事でしょう。

愛知県選管の公式発表では約90%が同一人によって書かれたと疑われるとありますが、先に述べた理由により現実的とは思えません。
また、同一人と疑うに足る根拠は示されておりません。
実際に一人ではないにせよ、約90%が同一人による偽造というのは選管の主観によるものなので、正確を期すのであれば筆跡鑑定を行うべきでしょう。

さすがに、不正を行った人間がゼロとは言いません。
しかし、報道されている内容は、そのまま信じるには非現実的。
情報少し歪め、小出しに、しかしセンセーショナルに報道しているように見えます。
そして、この件にさほど興味の無い人間にとっては「高須院長が、行政を相手にとんでもない不正を行った」と見えてしまう。
私個人としては高須院長を応援していたので、残念な気持ちでいっぱいです。
そして、今回の報道も実際に「不正」を報じたのではなく、恣意的なモノを感じます。
最後に思うところを一言。

っざっけんな!


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