対先手中飛車対策(超速)

自分用のメモです。

結局超速

持久戦の戦い方もいくつか検討しましたが、結局超速が一番なんじゃないかかという結論に最近落ち着きました。
理由は片美濃囲いに固さで勝てる囲いが左美濃や穴熊くらいだからです。
しかし、それを使うとどうも駒が足りないという事態に陥るのです。

従来、対振り飛車は(向かい飛車は除くが)角交換して飛車先突破を目指すのがメインテーマとなっていますが、無理なく78金型を用意出来るために飛車先突破が難しく序盤から難しい変化が多いという感想です。

将棋から離れたからこそ、手っ取り早く体系化したいと思ったので今回も短めにまとめます。

概要

対抗系の話

主語がでかいですが、対抗系で居飛車側は頑張って攻めなくて良いと思っています。ノーマル振り飛車系は特にそうですが出来るだけ戦いを避けて穴熊を組む方が得が多いように思えます。
急戦は好みとして好きですが、勝率は穴熊の方が良いです。
逆転負けが少ないのが愛されポイントなのかもしれません。

超速の着地点(理想)

結局この形が一番強い

この形に組んだだけで、居飛車が後手にも関わらず‐200点ほどを示しています。
それほどこの形が優秀ということでしょう。

先手中飛車の狙い

先手中飛車の狙いとしては、早めに良い感じで捌くというざっくりとした狙いにあります。
他の振り飛車と違い、自分で飛車先交換をする権利を持ち合わせているので、比較的歩の交換は簡単に出来ます。

居飛車のウィークポイント(弱み)

角を使うために大概角道を開けます。その時横歩を取られるだけなら良いのですが、王手で歩を取られると大変嫌です。

駒組について

まず、銀対抗になるかどうかです。
戦型の特徴として角道が直通しているために、序盤から非常に気を遣います。

この角があるので、飛車先交換は簡単に出来ない。

前提条件としてすぐの飛車先交換は出来ません。
かといって、こういった細かい変化をいちいち確認するのも骨が折れるので、

ひとまず上図の様に駒組をしていきます。5筋に枚数を足すイメージです。
※一般的な超速だと、52金を保留して74歩を急ぐようです。
この後、理想系に近付けていきますが、右銀の活用を優先します。
左辺は、相手の銀の動き次第で変えていきたいです。
具体的には飛車先交換の際に王手をされたくありません。

ⅰー美濃囲いを急いだ場合

仮に美濃囲いを振り飛車が急いだ場合、上図まで進みます。
銀が間に合わず、65銀の突進を受け止める方法として、66歩がまず浮かぶ所ですが、そうすると55の歩が掠め取られてしまいます。
なので、この局面では歩交換を目指したいところ。

少し飛ばしましたが、上図まで進みました。
ここでは、平凡に77角成から飛車先突破を狙う手で自然と良くなります。
評価値の上では微差ですが、居飛車は右銀の活用も取れていて。左辺は平べったいですが玉を守る役割は果たしています。
片美濃囲いに比べると薄いことには変わりませんが居飛車がやりたいことは出来ています。

ⅱ‐38玉型+銀の位置論

一直線に美濃に囲うのは手数が足りないので、修正案として美濃囲いの前に銀を動かすことで修正しました。
銀の位置についてですが、相手が動いたら自分も動かすという当たり前のことですが意外と出来てない方も多いです(自分を含め)。
先述した通り、65銀の突進を避けるためには居飛車の銀の動きに合わせる必要が出てきます。
先手番であれば、38玉まで王様を囲いに近づけつつ銀も動かせるという仕組みです。

ⅲ‐銀対抗~そして二枚銀へ~

銀が向かい合う形、銀対抗へ移行しました。

32銀を経由することで王手を防ぐ

細かい所ですが、32玉とはしません。32銀とすることで戦いになった時の耐久性、王手にならない飛車先交換された時の33銀も用意していて都合が良いです。

ん、穏やかな駒組。心安らかなり。

銀対抗に最初からしてもらった方が駒組しやすいのは意外な結果かもしれません。あとは73桂馬と跳ねて攻めの準備を整えていきましょう。
二枚銀が間に合ったことで、55歩と蓋が出来るので飛車先交換は出来ません。

知らないと指しにくい/知ってても実戦で見逃す


ⅳ‐振り飛車歩交換のタイミング 68銀型

このタイミングは振り飛車にとっては好機

上図のタイミングでの歩交換はリスクを少な目に飛車先交換が可能となっています。実はこの手がかなり厄介です。
知らないと指しにくいシリーズです。
ここで、44歩とするのが最善です。
5筋を手抜くのが途轍もなく怖いですが、歩成に同金で耐えています。

不格好だが、これで問題ない。

これで耐えているという理由ですが、居飛車は飛車を5筋に転換して、54の歩を取り切れればわかりやすい収穫を得られます。
その上、銀を57銀としてしまうとその瞬間54金とぼろっと歩を取られてしまいます。
こうなってくると、先手5筋位取りではなくノーマル中飛車系列(=66歩型)の展開になってくるでしょう。

一例ですが、55歩として次の54金が実現出来れば居飛車不満なしの展開。

以上から、意外と歩交換に苦労をするというのが示せたと思います。

ⅴ‐56銀型

避けて通れないのが、これです。
わたしが仮に将棋を教える立場で戦型を一つ学ばせるとしたら、こいつを用意します。実際お友達の一人にこれを授けて結構勝ってました。
シンプルな棒銀。加えて34にいる歩を狙いに行こうという欲張った手です。

対応としては、34の歩は取られて仕方ないと思いましょう。本命である5筋から勝手に逸れてくれたのは好ましいと。
32銀は入れておきます。

あまり良い所が見えてこないですが、じゃあ弱いかと言ったらそうではありません。56銀型を咎める手は存在します。
何回か話題には出ていた、65銀の突進です。

後戻りは出来ない

この手を発動すると互いにもう引けません。
65銀を避けるということは、棋理に反するという思想の持ち主(わたしもそうです)は腹を括るしかありません。
ある程度パターン知っておかないと居飛車負けると思っています。
中飛車指す人は、多分経験値多いので。

駒組後の攻め方

ⅰ‐対先手5筋位取り 基本方針

方針は”55の歩を取りに行く”です。

この局面を想定しますが、既に振り飛車は手に困っている印象です。
中飛車を諦めて、三間飛車に振りなおすと55銀左で歩を取られて困ってしまいます。

大事な飛車引き

この手は大事な一手で、73Xと攻められた時の手を予め避けている意味があります。
それからもう一つ。
ここで手渡した時に振り飛車の指す手が難しいです。
47銀と囲いの発展を目指そうにも、それはすぐに攻めが飛んできそうでやりにくいです。9筋の交換は95角が消えるので居飛車も悪い気はしません。
それ以外となると、桂馬を跳ねることは避けられないので自ら角を移動する手。88角が一つ有力になってきます。事前に避けることで、攻めを緩和して駒組の猶予が生まれます。

この時65銀と攻める手と、33銀と再構築する手があります。
65銀の方が主導権を握れていて局面の誘導が出来そうなのでこちらを見ていきます。
65銀同銀同桂までは進みます。

桂馬が取られそうですが、67銀の強手で大丈夫です。
囲いが不安定な時なので振り飛車は相当怖い思いをすることになります。

シンプルな狙い

居飛車の攻めはシンプルで、飛車先交換から横歩を取りに行きます。68銀があるので受けたいですが(58飛は69銀で良い)、既にこの局面でかなり振り飛車は厳しいです。

この局面での振り飛車は56銀打が最善がとなっていますがこれは相当打ちにくいでしょう。直接桂馬を取りに行く緊急事態の手。それから、先述した67銀を消しています。

それに対して居飛車も派手な手で攻めていきます。
いきなり69銀とタダ捨てします。
同飛なら57桂不成で戦えます。

飛車をどかすことが出来れば、55銀と眠っていた駒も活用出来て良さそうです。この変化は互角ではあるものの、相対的に居飛車の玉が堅く勝ちやすそうです。
一つの結論として、漠然とした駒組をすると振り飛車が苦労します。

ⅱ‐修正案=56銀を急ぐ

課題局面

手数で逆算すると59飛車や78金を入れている余裕はありませんでした。
56銀は65銀を牽制する手でこれで居飛車からの攻めは一旦なくなります。
この局面は双方にとっても課題局面の一つでしょう。
方針を思い出して55歩を取りにいきたいですが駒が足りません。
手段としては、42金寄~52飛車くらいでしょうか。
42金に対して玉を固めたいと38金とするのは実は攻める手段があってやりにくいです。

割愛するが55銀右から無理矢理銀を入手する手がある

38金としたいなら、59飛車は必要経費です。

互いにやりたいことは出来ている。

この局面ですが振り飛車も左金が若干立ち遅れているという考え方も、発展性(58金~48金)があるいう考えもあります。
54歩は居飛車側の権利となったのですぐに交換しなくても大丈夫です。
居飛車の基本方針である55歩を取ることでしたが、既に不可となりました。
そのため、次に考えることは玉を固めることです。
一例として穴熊を目指します。

振り飛車はこの動きを止めることが出来ない

この局面自体は互角ですが、難局。
目指したい局面ではありません。

ⅲー居飛車修正案 32玉保留+44銀優先

再掲 課題局面

上図から攻めるのは受け止められてあまり面白い展開にはなりませんでした。
ここで、一つわたしからの修正案があります。

32玉を急がない

不安定な形に見えますが、47銀に65桂馬でカウンターが出来る様になっています。32玉の一手を入れると、56銀が間に合い、65桂馬が跳ねられなくなるのです。
この手順を踏むことで、56銀から抑え込みを回避できます。
ただし、これも一長一短です。

55歩の蓋する手が桂馬を跳ねることで消える

桂馬を跳ねると今度は飛車先交換を許すことになります。
しかし、放っておくと32玉~65桂馬とされて振り飛車面白くありません。

最後のチャンス

よって、ここで飛車先交換をします。
同歩同飛車と進み、65桂馬と跳ねて決戦です。
65桂馬と跳ねられたので、今度は桂馬を狙われることがなくなりました。

余裕が出来た場合は55歩と蓋をして飛車を抑え込みにいきましょう。

ⅳ‐どちらを選ぶか

ⅱとⅲどちらで戦うかは、正直好みです。
ⅱは多少固く囲えますが、攻め手がわかりにくいです。試してみましたがワンミスで角か銀が死んだりとかなり気を遣います。
ⅳは、あまりにも薄すぎます。強襲策を受け切る器量がないとかなり痛い目に遭います。
よって、ここからは好みです。
ただし、誘導率はかなり高いと思うのでこの先は自分自身で調べてみてください。

まとめ

先手中飛車に対して超速で戦う場合は、相手が美濃囲いを急ぐのか右銀を優先するのかを注意する。
1:一直線に美濃囲い
65銀を防げないので出来ない。
乱戦になるが、冷静に対処すれば居飛車良し。
2:右銀を急ぐパターン
銀対抗になると、乱戦が無くなり、駒組がしやすくなる。二枚銀を目指す。
3:56銀型
腹を決めて、調べる。難敵。
正直一番困る。
きちんと調べれば勝ちやすい(多分)。
4:銀対抗・駒組
穴熊か乱戦かを選べる。
好み。

以上、まとめでした。
中飛車苦手と言っている生徒と自分用にちょろっと書くはずが、長くなってしまいました。
実際にサンプルのために何局かやってみましたが序盤の安定感が変わりました。けど結局美濃囲い固くて理不尽に逆転負けもされたのでやっぱり将棋引退。おもんな二度とやらん。Valorantしよ。




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