後手:一間飛車
ヒューリック杯第4期白玲戦
福間香奈女流五冠が採用したのは、何と一間飛車。
背後から後頭部を殴りつけられる思いでした。
結果は福間五冠の勝利。
”強ければ何しても強い”を再認識させられる対局でした。
後手番・評価値的な話
それはアリかもしれない
後手は評価値的に低いので、正直何やっても良いんじゃないかと最近思っています。
規定路線で最善を求めていると、先手がきちんと研究してきていた場合死んでしまいます。
「こんなの研究しているわけないじゃん」というカオスな局面から頑張ることが昨今求められているのではないかと思っています。
何が言いたいかと言えば、一間飛車はアリかもしれない……ということです。
後手の手段
居飛車後手の手段として、色々ある所ですが最近調べているのが坂田流向かい飛車です。
この戦法なのですが”居飛車の裏芸”的な戦法です。
相手から角交換になれば、振り飛車になりますが拒否されると居飛車になります。
純粋な振り飛車党、居飛車党には指せないのです。
話は変わるけど、闇堕ち(光堕ち)で過去使っていた力を使う展開って格好いいよね。
今回は、下図の様なオープニングを想定しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1715392146099-9iamjkmV9I.png)
で、坂田流で困るのが角交換してこない場合なんですよね。
なので、待機含めて94歩と様子を見るのが、今回の導入となります。
雁木と1筋(端の打診)の話
雁木を採用するのではあれば1筋の交換はしておきたいというのが所感です。
![](https://assets.st-note.com/img/1715392517917-PB2TEe58dV.png)
上図は、通常52金としておかないと、雁木は間に合っていない恰好です。
![](https://assets.st-note.com/img/1715392576947-lfaMorlsGz.png)
しかし、1筋の交換が入っていると75歩同歩64銀から攻め合いを目指すことが出来るわけです。
この変化は雁木側が誘導しているため、局面誘導性観点から考えると雁木良しではないかと考えます。
話が逸れてしまいましたが、94歩96歩の交換が入るのであれば、雁木にしても良いだろうということです。
(まぁ、雁木はその他に大変なんですが……。某七冠、棒銀……(トラウマ)。
今回のメインテーマ
(一間飛車)やらないか?
・坂田流に出来なかった。
・95歩まで位を取れた。
「(一間飛車)やらないか?」
※そもそも95歩取れたら素直に四間飛車した方が良いというのは全くもってその通りです。
今回は実戦譜をベースに話を進めていきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1715393963322-qTsXlqVhZB.png)
手順はまだ慣れていないのですが、大体こんな感じ。
で、これまた適当なことを言い始めますが、相手から角交換はそこまで怖い手ではありません。
![](https://assets.st-note.com/img/1715395113745-6SgYr3jerX.png)
角交換には、同桂と応じます。
![](https://assets.st-note.com/img/1715395175414-bWtCrWn6vf.png)
飛車先交換が可能になったので、24歩同歩同飛はやってみたくなるところ。
上図から、94飛車が強手です。
21飛車成には22角で飛車を閉じ込めます。
同飛車同香91飛車が気になりますが、49飛車と王手で打てるため、バランスが取れているみたいです。
故に、角交換・飛車先交換はそこまで恐れる必要がないのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1715395413125-tIjDkmfJTM.png)
また、アヒル囲いなどでもそうですが、飛車の打ち込みには強いので、24飛車とぶつける手も一つあります。
部分的な発見
![](https://assets.st-note.com/img/1715395607741-DByK9dK1qc.png)
この角打ちは美濃囲いをするとたまーにやってしまう手です。
ただ、この場合は、94飛車とすると角が死んでいます。
一間飛車ならではの罠というわけです。
狙い筋
![](https://assets.st-note.com/img/1715395765893-2Dz8MZrLRj.png)
上図で14角は悪手ですが、狙いは25角の一点狙いです。
25角~24飛車迄出来ると、陣形を生かした攻めが通りやすいです。
14角に対応する66角、55角が打てないと互角に戻ります。
初見でこの角打ちを導き出せる人はいないでしょう。
まとめ
意外とそんなに悪くない、というのが率直な感想でした。
今までこの類の奇襲戦法を目の敵にしていましたが、平等に一つの戦法なのだと実感しました。
もう少し試してみようかと思います。
ただ、まぁ……嬉野は許さんが。
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