自動反応スキル:キガキクニンゲン

「気が利く」 

気が利くってなんだ!?笑 なんだと思う?笑 今日は意味のわからない狂った気が利くについてお話をしたいと思います。

気が利くとはどういうことだろう?気が利くとは……簡単に言えば、常に周りの状況を判断して、言われる前により良くなるように働きかけることかな……とおりは思う。言葉にすると簡単じゃないか! 気が利かないより気が利くほうが100倍いいに決まっている!じゃあやってみよう。

君は今日からキガキクニンゲン見習いだ。たくさん気を利かせて世界をより良くしていこう。

さぁ、さっそく気を利かせるチャンスだ。誰だってあるような瞬間。例えば……3人で壁際のソファなどに座っている時、真ん中の人間が移動をしたいとなれば、左右のどちらかが移動してやらねばいけない。気が利く人間……なら……きっと……「ちょっといい?」なんて言わせるまもなく動きを検知して移動してやるだろう。

しめしめ。

そしてきみはちょうどよくささっと席を立つ!great!よくやった!これはだいぶ「キガキク」だ。そして真ん中の人間はきみにありがとう、と声をかける。大成功だ。

荷物を持っている人間が扉の前にいたら開けてやる……何か活動をする前に、事前に必要そうなものを言われずとも持っていく……気が利く、!気が利く! そうだ!きみはとっても便利でいい子だ。素晴らしいことだ。

こうして人間は、どんどん「キガキクニンゲン」になっていく。

……余談だが、ありがとう と声をかけてくれた人間の 「ありがとう」というものも 一種の「キガキク」だろう。

気が利くってなんていいことなんだろう!めでたしめでたし!




…………そうもいかない。「気が利く」にも個人差があるだろう。当然だ。

ここで少々自分の経験を話させていただきたい。自惚れとかではないのだが、客観的に自分は気が利くほうの人間だと思っている。小さい頃からおまえは気が利かないな と幾度も幾度も言われて過ごしてきたので、周りを見ることとお礼を言うことは徹底するようにしている。

別に、誰かのためにやっているわけではない。毎度毎度、そんなことを言われるなんてとても耐えられたものではない。……から……身についた……?なのだが… 

……こんな風に書いては見たが、これは多分いいことだ。お礼を言えて偉いねぇ なんて子供みたいなことを今更でもよく言われるくらいだから 多分……

ほら!笑気が利くならいいんじゃないの? なにが問題なんだ、 気が利くんだからいいじゃん!笑 終わり!



…………


そうはいかないので続きを書いていこうと思う。恐らく自分は性格が悪いので、ここからは気が利く人間というより ただのゴミカスクソ人間のお話だと思って読んでもらいたい。

ちょっと嫌なうえに変なことかもしれないが、おりはすぐに人のことを嫌いになってしまう。なんで嫌いになるかと言うと、別にいじわるをされたとか そういうこともなく、普通の人間を突然嫌いになる。嫌いというか、苦手にだ。(なんで!?笑)

理由は簡単だ。相手が自分より気が利かなかったりする瞬間が、何度も見えてしまうから(さ 最低でおもろ……笑)

さっき、自分はおそらく気が利く、と書いた。おそらくおりは最低人間なので 勝手に相手にも同じ行動を期待しているのだ。気の押し売り、とでも言うべくか……

声をかけないと退いてくれない…なんでこの人は 移動しようとしているのを見ているのに退いてくれないのか……?そう 例えば複数人で話している時、ずっとずっと自分の話をしている人間がいる。もちろん、それがいけないとは言わない。みんなの知らない話題についてばかり話している。みんなが合わせているのが 伝わってくる……「場の空気」が悪くなっている な なんで どうして気づかないんだ……  

い いまどいてあげたのに!無言で出ていくなんて う うわあ! うわああああ!おりの つらいつらいキガキクはなんなんだ!?笑 !?!?!?!!?!???!笑


ど……どうして気づかないんだ……?

そんなことは簡単だ 気づかないんだから気づかない。仕方がない。気が利く なんてものは所詮自己満足なのである。もちろん、全てとは言わないが。(おりにとっては きっと自己満足と刷り込みの無意識の行動だ)

よき人間というものは 全てに見返りを求めないものだ。だがしかし、おれは悪い人間だ。気になって気になって仕方がない。塵も積もれば山となり……そう もう彼らが嫌で嫌で仕方ない!どうしたらいいんだ!?笑


ふーん めんどくさ!じゃあ気なんかつかわないで過ごせばいいじゃないか! 

そ そうは言う そうは言うが……なぜぼくらが、些細な人間の行動ひとつひとつに目くじらを立ててしまうのか……もうおわかりだと思うが、刷り込まれているのだ。自動反応スキル:キガキクニンゲン 書き込まれているのでもうおしまいだ。これは意識的なものでは確実にない。何も、わざわざ人の気の回らないところを見つけて見つけて貶したりしているわけではないのだ。勝手に目に付いてしまう。最悪だ。

ここからは、同じことを思っている人間がいたとき用に書いておく。きっと、ぼくらが悪いわけではないのである。

気が利かない人間くん、気が利く人間が、最近妙にそっけない……意味がわからない!?かなしい。なんかしたっけ!?

気が利かない人間くんはかわいそうに、「気が利かない」人間 なんて枠組みに入れられてしまっているが、別に悪気なんてほんの少しも無い。だいたい、言わないことなんて、何で把握すればいいんだ?意味がわからない……

気が利く人間くん、別になにかひどいことをされてはいないのに、また目に付いてしまう……顔を合わせるのが苦痛だ……ひどい。別に、粗探しをしようって算段なんてないのに。

なんでぼくたちはこんな目にあうのだろう?

これは、おそらくではあるが、文化に由来するものかもしれない。「ハイコンテクスト文化」と「ローコンテクスト文化」というものがある。

日本人は、もうめちゃくちゃびっくりするくらいのハイコンテクスト文化だ。これに関しては、おりはもちろん専門家でもなんでもないので、気になった人間は調べてみてほしい。

簡単に言うと日本は「超絶察してよね文化」という事だ。言わなくても、わかるでしょ? 状況を見なさい。1度は言われたことがあるかと思うフレーズだ。

日本人はいつもキガキクセンサーを張り巡らせて生きている。目上の人 友人 家族 ぜんぶぜんぶ、ぜーんぶにだ。

「言われてやる」では遅すぎる。毎日毎日、気が利かないなあ 気が利かないね もう少し気をつかってよ と言われ続けて、ぼくらはすくすくそだっていく。背中にはでっかいキガキクアンテナが縛り付けられているのだ。大きくすればするほど、舵が切れなくなっていく。ぐらぐら……あぁ……全てが気になって 最悪だ。

気が利かないよりは気が利くほうがいい。それはそうだ。けれど、この特有の気を使え!そうでないやつはなかまはずれだ。みんなで察してよね?わかるでしょ?

…………

こんな空気感は、もしかしたらここから生まれているのかもしれない。

もしかしたら もしかしたらみんなは気が見えていて、そう ぼくらだけ 見えないそれを求めてセンサーなんて張り巡らせているのかもしれない。……うう……

まあ、残念ながら、そんなことはないのだが。

この一件に関しては、特にぼくらが打てる手立てはないのである。文化に抗う なんだそりは……日本壊滅とかかな……どうにもならない! えっと、じゃあどうしたらいい……?

「気が利かないよりは気が利くほうが100倍いい!」

そうだった! 忘れてた!これだ!

さあさあ、今日も気を利かせていこう。

くるくるアンテナと共に、世界をより良くしていこう!


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