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ビジネス・エコノミクス

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ビジネス・エコノミクス関連のレポートを書いていきたいと思います。生煮えのものが多いかもしれませんがスピード重視で。 それから過去に書いたちょっと古いエッセイも”その後”の追加を含…
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#研究開発費

#176 研究開発費は中国が急伸

日本の研究開発費は15兆円くらい。 あまり伸びていません。 中国は急伸しています。 ちょっと古いデータですが、アメリカに並んでいます。 アメリカ、中国、EUがダントツで、ちょっと差を付けられています。 国の大きさが違うので、対GDP費で見てみましょう。 日本はGDP比で少ないわけではありません。 まあ、国の経済規模が伸びていないのも原因です。 成長しないので、研究開発費が出せない。研究開発費が少ないので成長しない。 悪循環ですね。

#128 研究開発費はなぜ回収できないのに支払うのか?

研究開発費の半分は人件費ということでした。 まだ誤解があると思います。 (1)そのほとんどが改良・カイゼン、製造ラインの修正 コトバのイメージと異なって、実態は基礎研究、新規技術、全く新しい商品や市場・・・ではないのです。 みんながイメージする”新しい電池”なんかとはかけ離れています。 (2)実証研究でも費用と将来キャッシュフローとの因果が見えない 実証研究でも、2~3年後に効果が出るかと思いきやそうでもない。 特に改良以外の部分。 それでも巨額の費用をつぎ込

#124 研究開発費の中身って何?

販管費で考えた研究開発費です。 これは会計の用語であって、そういうモノやサービスを買っているわけではありません。 世の中に「研究開発」というモノやサービスは売っていませんからね。 それでは、研究開発費って何にお金を支払っているのでしょうか? 実は、中身のほとんどは人件費なんです。 人件費  約45% 原材料  約19% 設備費  約10% その他(光熱水道費、図書費、旅費など)26% ありゃ、拍子抜け でも考えればそうですね。 郊外に立派な研究所が建っていても、

#117 研究開発費の上位ランキング

さて、研究開発費はどのくらいでしょうか?どの国、どの業界が大きいのでしょうか? まずは国別。企業だけでなく大学や公設も入っている数字です。 第1位アメリカは60.7兆円 第2位中国は58.0兆円 第3位日本の19.5兆円(2018年) ドイツは14.8兆円、韓国は10.3兆円 「企業部門」、中国の44.9兆円、アメリカの44.2兆円に次ぐ、世界第3位の14.2兆円。 「大学部門」アメリカの7.8兆円、中国の4.3兆円、ドイツの2.6兆円に次ぐ、世界第4位の2.1

#116 研究開発費になるソフトウェアとならないソフトウェア

ソフトウェアは研究開発費になるのか?資産か費用なのか? 有形じゃないから無形資産? 場合によります。 以下の区分に応じて会計処理します。 (1)受注制作のソフトウェア 受注制作のソフトウェアの制作費は、請負工事の会計処理に準じて処理することとされており、「工事契約に関する会計基準」の適用対象となります。 (2)市場販売目的のソフトウェア 市場販売目的のソフトウェアの制作費用のうち、「最初に製品化された製品マスター」の完成時点までの制作活動は研究開発と考えられ、ここま

#115 研究開発費の会計処理:なぜ医薬品業界はIFRS?

攻めのコストの2つめです。 研究開発費(R&D費) これは費用処理でしょうか?資産計上でしょうか? 1999(平成11)年3月期までは、開発費について資産計上が認められていたました。 現在は、研究開発活動と将来の収益との対応関係が不確実であるという米国会計基準の考え方を踏襲し、研究開発費はすべて発生時に費用として処理します。 一方、IFRSにおいては、一定の開発費については資産計上します。 「研究から生じた無形資産を認識してはならず、これに関する支出は、発生時に費

#113 販管費も業界で異なるけど、全てカットすべきは間違い

広告宣伝費、研究開発費、従業員教育費、資源探索費などは回収不能です。 このお金は返ってこないので埋没費用=サンクコスト といいます。 会計上の費用かどうかとは別の話です。むしろ経済的な見方になります。 回収できないからリスクとか問題であるということもあります。 しかし、これは参入阻止の源泉になると考えるのです。 つまり「攻めのコスト」、「最大防御のコスト」になります。 “顧客創造の実現は、マーケティングとイノベーションだけである”(ドラッカー[1954]「現代の経