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タクシーの空車表示はもっとわかりやすくならないのか

以下は、2013年8月にブログに書いた文章を少しだけ変えたもの。空車のときは上の社名表示灯が点灯するからわかるはずっていうコメントももらったのだが、そういう人は夜にしかタクシーに乗ったことのない人なんだろう。一度昼間にタクシーに乗ってみるとわかるが、昼間はあれほとんど見えないから。実際、私が乗ってるタクシーに向かって手を挙げる人をよく見るから、私だけではないはず。

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小ネタ。たまに「大人になったと思うのはどんなときか」と聞かれることがある。昔は「なった気がしない」みたいに答えていたんだが、最近は変わってきた。自分で「大人になったなあ」と自覚することがある。タクシーに向かって躊躇なく手を挙げられるようになったことだ。

子供のころの私にとって、タクシーというのは、めったに乗る機会のない特別な乗り物だった。もちろん大人と一緒のときだけ。自分が大人になっても、根が貧乏性なものだから、どんどん上がってく料金メーターを眺めるのが苦痛で、めったに乗ることはなかった。バブル期も、一部の業界のようにタクシー券が景気よく配られるような職場ではなかったから、満員電車に乗って過ごした。自分が利用する交通機関の選択肢の1つとしてタクシーが頭に浮かぶようになったのは、本当にここしばらくのことなのだ。

というわけで、最近は便利に利用しているわけだが、そうなればなったで、気になることが出てくる。

空車表示だ。あれはもう少し見やすくならないものだろうか。

日本のタクシーの空車表示は、助手席前のダッシュボード上に設置されているわけだが、どうにも小さいし、昼間だと暗くてよく見えないし、見えても色がまぎらわしいしで、かなり近くに来るまで見分けがつかないことがよくある。早い話、空車かと思って手を上げたが人が乗ってたり回送だったりするケースがかなり多いのだ。タクシーに乗るようになると同じ目に遭っている人をよく見かけるので、私だけの話ではないと思う。あれは非常にいらつくし、よく見ようと車道に体を乗り出したりするので危険でもある。タクシーの側からしても、直前で手を上げられると急停車になるからやっぱり危険だ。

空車表示灯は、今はLEDだが、記憶が正しければ、昔は点灯もせず、ふつうに空車と賃走みたいな札を運転手がガチャガチャと手で回して切り替えていたように思う。そのころと比べれば改善したということではあろうが、そもそも空車表示灯があの位置にあるのは手で直接ガチャガチャしてた時代の名残りなのではないかと想像する。別の場所に動かしてはいけないということもあるまいから、もう少し見やすい位置に、見やすい大きさで表示してはもらえないものだろうか。

もちろん、あれには決まりがある。道路運送法やらタクシー業務適正化特別措置法やらに基づくそうだが、細かいところは地方運輸局長通達で決められているようだ。東京だと東京運輸支局長通達で「東京都内に配置するハイヤー・タクシー車両の表示等に関する取扱について」というのが出ているらしい。こんな感じ。ぱらぱらと見ると、表示の位置や大きさ、色なんかも決められている。安全を考えれば決まりがあるのは当然ではあるんだが、逆にいえば安全性に考慮したうえでその決まりを変えてくれればいいわけで、ぜひなんとかしてもらいたい。

基本的には、表示灯が小さいことと充分な明るさがないことが問題なわけで、今よりはるかに大きく明るくなれば、問題はかなりのところ解決するのかもしれない。とはいえ、あまり大きいと運転手の視界を遮ったりして危ないという話もありそうな気がするから、やはり別の場所に表示するのがいいのではないか。

たとえばだが、タクシーというのは必ずルーフの上に社名表示灯を載せている。あれも通達で決まっているはずだが、あの部分に大きな空車表示灯をつけていただくことはできないものだろうか。ことばで説明するのはめんどくさいので殴り書き(下手くそな絵で失礼)したものを上に置いとく。

ネオンサインみたいにチカチカするのはやりすぎだろうからやめとくとしても(広告とか流したくなる大きさではあるが安全第一)、このくらいの大きさで、遠くからでもわかるようにしてもらえると助かる。

あるいは、今ならスマホとかも使えるわけだから、スマホのカメラを通して見るとARで空車かどうかが遠くからでもわかるようなしくみを作ることもできそうな気がする。要は直前にならないとわからないのがイヤなだけなので、具体的な方法は正直どうでもよい。

一説には、「回送」表示にしたまま走っていて、「空車」とまちがえて手を上げる客を見てから止めるかどうか決める(そうすることで乗車拒否との批判を避ける)というやり方をする運転手がいるという話もあるそうで、そういう運転手からすれば、近くまで空車かどうかわかりにくい方が得策なのかもしれないが、そういう人は少数派だと信じておくことにしよう。

まあ、私がこう書いたからといって変わるというものでもないだろうが、こういう意見もあるよということで、関係者の皆様におかれましては、可能ならばぜひ善処いただきたく。

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