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2021年を振り返って

ども。去年の今頃noteで一年の振り返りをして以来のnote執筆ですね。もっと書こうと思ったんですが少し思うところもありまして(後述します)、結果一年ぶりとなりました。楽しみにしていた方はすみませんでした。

2021年の音楽制作について

色んな仕事をさせてもらっている私ですが、本業は音楽クリエイターです。今年もありがたいことにたくさんオファーをいただき、その度に全力で斜め上の作品を提供させていただいたつもりです。個人的に思い入れが強いのはメンバー増員した新生・でんぱ組.inc初の新曲「プリンセスでんぱパワー!シャインオン!」

メロとかコードとかかなり上手にできたと思いますし、何より新しい門出を楽曲で祝えたのが手応えありました。

そして一年でジャニーズの2アーティストに提供できたのも大変に嬉しかったです。King&Prince「フィジャディバ グラビボ ブラジポテト!」、そして関ジャニ∞「関ジャニ∞ on the STAGE」です。どちらも手前味噌ですが「自分だからこそ作れる曲」を制作できたという自負があります。嬉しい。他にも満足がいく提供ができたと思っています。

とはいえ、推定ですが2021年は私の音楽キャリアの中で一番曲数を書かなかった年だと思います。(逆に今までが書きすぎていたのかもしれない。)職業作曲家としてオファーを待って曲を書くというスタイルを取っていたもので、コロナの影響もあり少し減ったオファー数に甘んじつつ少しラクをさせてもらった点は否めません。ここの心境の変化も後述させてください。

日本のあちこちを訪れた一年

本当に制限の多い一年でした。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」といいますが、緊急事態宣言、お店は20時まで、お酒も飲めないどこにもいけない、という時期が随分長かったですね。解除されて2ヶ月超、すっかりあの閉塞感を忘れてしまった感はありますが本当に窮屈でした。そんな中、少し制限が和らいだ瞬間や首都圏近郊に限定するなどして今年は色んな所に行きました。生きがいとして海外旅行に行っていた自分としてはどこにも行けない毎日は大変に苦痛で精神が病んでいく音がするくらい。そんな中、キャンプを教えてくれる友人に恵まれアウトドアレジャーの楽しみを知りました。ソロキャンプに行くようになるなんてね、信じられない。

富士山の目の前でキャンプ。寒かった。
民家を借り切って「絵に描いた夏」を経験しました
東京九州フェリーで22時間かけて横須賀から新門司へ

さらにBS朝日で放送中「サウナを愛でたい」で全国各地のサウナ施設を訪れ、たくさんの優しい人達に出会い、そして美味しいご飯を楽しみました。

タカラ湯さんの縁側にて
富山スパ・アルプスの水風呂にて

これでもかというくらいにインプットを繰り返すことによって確実に自分の感性が
変わっていく実感がありました。


表現について考えた2021年

コロナ禍2年目、ということでいよいよこっちがスタンダードになりつつ世界で表現することについても考えた一年でした。一番最初の話に戻るのですが以前みたいにブログを書いたりとか(当初予定していた)note執筆をしなかったのもここにあります。年々、いや、日々、ネット上の文章に対しての許容度が低くなっている体感があります。平たく言えば「すぐに炎上する」。ちょっと強めのことつぶやいたら勝手にネット記者がネット記事にして切り抜くし、文章の言葉尻を取って前後の文脈を無視した悪意のある取り上げ方も増えました。記者だけにとどまらずネットユーザーの「正義警察」による民間検閲も厳しくなっています。私の知り合いだけの話でソースは少ないですが周りの芸能関係者、音楽関係者でSNSでの発信を控えるようになった人が増えています。宣伝ツール、さらに自己承認欲求満たしツールとしては魅力的ですが、それを上回るくらいのストレスがかかる媒体でもあります。例えば「こんな美味しいもの食べましたよ!」てことがあったとして、それは自分と友人との間で共有しておけばいいだけの話で、SNSで発信するのは「こんな美味いもの食いやがって」とやっかみを生むリスクでしかないわけです。(もちろんファンの皆さんと交流したい、てのもありますよ)長文になるとなおさらリスクは高まります。全文読んでくれるとも限らないからね。そんな理由でお仕事媒体でしか長文を書かなくなったという2021年でした。闇雲に吐き出さなくなった分、インプットの質も上がった感覚もあります。

インプットの末に湧き出した欲

さて。アウトプットを控えインプットに特化した結果、とても興味深い変化が訪れました。ここ4年くらいの自分の中のモヤモヤとして「欲がなくなった」がありました。楽しい仕事、暮らしていける収入、愉快な友人、かわいい猫。パートナーこそいないものの満たされた毎日を送っていて、オファーされた楽曲も満足いく出来で撃ち返していました。インタビューで「今後何をしたいですか?」と聞かれるのが一番イヤで適当な返事をしてお茶を濁したものです。しかしこの一年、インプットしまくった結果、欲が降りてきたんです。こんなことあるんですね。例えるならまるで子育て中の母親の気分です。全然自分から動かない子供に対してアレヤコレヤと発破をかけるんですが動かない子供。しかしある日いきなり「母ちゃん、俺、勉強するよ・・・」としゃかりきに勉強を始めた、そんなイメージです。今、あれもしたいな、これもしてみたいな、と思いを巡らせています。

音楽に関しても徐々に欲が戻ってきています。今までは色んなアイディアが思いついた時「次オファー来た時試してみようかな」とか「あのアーティストの次のオファーで使おうかな」とか商業ベースで全て物を考えていました。しかしそんなうまいこと案件がくるわけでもなく、思いついていたアイディアは錆びていき、なんなら自分の頭の中からも忘れさられていきました。いや、もったいなくない?自分の能力を過信しているわけではないですが、たった一度の人生の今という瞬間に漏れ出たアイディアを使わず垂れ流して無駄にするのはもったいない。なので、これからは思いついたら考えずにとりあえずやる、そんな感じでやっていこうと思っています。まず自分が好きな年末年始の曲、大好きなシンガーソングライターの熊谷幸子さんの「冬の花火」をアカペラカバーしました。

こういうことをフッ軽でやっていこうと思います。


死ぬ瞬間に思い返す「2022」は若い

最後にですが、最近よく思うことがあります。自分が老いて病気をして病院のベッドでチューブに繋がれ、体は痩せ細り体のあちこちが痛い。下の処理もお世話になり呼吸は常にピューピュー言う。おぼろげな意識の中、きっと自分の人生を思い出すと思うんです。その時、40代の自分のことを「あの頃、もう老けたとか若くないとか言ってたけど、あれもできたしこれもできた。あの頃は若かったなあ」と顧みるはず。私は若い。おじさんと言われる年齢だとしても、私は若い。仕事が落ち着いているのならその空いた時間で、しょうもない作品を笑いながら作ればいい。新しいオファーには今まで以上に肩ぶん回して臨む所存です。2021年、本当にお世話になりました。2022もぜひご贔屓によろしくお願いします!

久保みねヒャダこじらせナイト、大晦日の夜観てね。





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