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シン・仮面ライダー(ネタバレあり感想)

ごきげんよう!F-SPZPです!

シン・ヒーローズシリーズの最新作にして今のところ最終作と思われるシン・仮面ライダーがいよいよ上映されました…!!
SNSではめっちゃ賛否割れてますし、"結局シンゴジが面白かっただけ説"みたいなんもまあ出てます!笑

じゃあ実際観てきてどうなのか、そんなに言われるほどのもんなのか、はたまた超絶大傑作だったのか、よかったところもいただけなかったところも、あくまで"観てきたものの主観"としてひとつ語っていこうじゃないかと。

そんな記事です今回は笑

わたくし全然はっきり言って昭和ライダー無知蒙昧ですし1話たりとも観てないですし当然のごとく漫画のほうも読んでないです。
しょうがないじゃん!産まれてもない時代のコンテンツやし!
産まれて以降のコンテンツすら追いきれていないのにそんなものをどうしろと?
…というスタンスの人間がお送りする感想になります。

シン・仮面ライダーの内容バチバチネタバレで触れていきますのでこれから観るかたはご注意ください。
それではレッツゴー!

最初からやってる

シン・仮面ライダー

シン・仮面ライダー開始早々からバイクとトラックの爆走チェイスから始まります!
もう爆あがり!!笑

なんちゃら土木みたいな真っ黒トラックがクモオーグの糸で2台横連結して山道を追ってくる圧迫感!
爆発ドカーン!崖落ちガッシャーン!

からの!
下級戦闘員VS仮面ライダーの戦闘!

仮面ライダーの殺傷力の描写!
血飛沫ぶっしゃあ!SEぐっしゃあ!

フルスロットルクラウチングスタートやん!
トラックの崖落ちや肉弾戦のグロ描写も気合の特撮ですよ!

特報の曲どこで掛かるんだろう問題もシンシリーズはあって、シンゴジは蒲田のあいつのシーン、シンウルはメフィラス戦、とここぞの場面で毎回掛かっていたけどシン・仮面ライダーはいきなり!!

いい…!!!!
これがアバンタイトル…!!!!!

本郷猛がショッカーに改造されて緑川博士によって救出されて、みたいなやつは全部アクション後の会話シーンに回して、まずは血まみれ大殺戮祭り!!

これはいい映画のつかみですよ!期待以上に大満足でした!
こういうのがいいんだよ!!

大勝利キャスティング

シン・仮面ライダー

シン・仮面ライダーのすばらしいところ、それはなんと言ってもキャスティングです!

池松壮亮!柄本佑!
日本映画観てる人間なら絶対の信頼を感じられる実力抜群のこの2人!

強すぎる力を突然授けられ、ためらい無く人を殺めてしまった自分自身と向き合い続ける本郷猛、優しさと闘争本能の間でゆれる彼の表情。
コミュ症で他者に心を開かない今回の本郷猛がルリ子には少しづつ思いやりを持つようになるその過程の彼の眼差しや声の暖かさ。
そして終盤、ついに見せる涙演技…
少しずつ喪失感が溢れ、ゆっくりと決壊していくような長回しのアップ、見事でした…!!

"どっこいいいやつでした"の柄本佑の安定感!
一文字隼人いいやつでしたね~!笑
"ちょっと嫌な奴なのを隠さない"いい奴感ね?
観た人みんな一文字隼人大好きでしょ?
"これがおまえのフルスペックか?"
ふぅーーーーー!!!!

そして今作のメインはなんと言っても浜辺美波先生ですね!
まあ演技はさ、一言しゃべった瞬間に(パターソン家の者…!!)ってなったけどさ笑
けど浜辺美波先生のビジュアルと衣装がハマることでちゃんとルリ子さんとして確立されていると思いますよ。
政府組との会話やガンアクションなんかのシメるところはちゃんと浜辺先生がシメてくれてました。

そんで遺言のシーン…………
はじめは無機質だった人工生命体のルリ子が本郷との日々で少しづつ感情を露わにするようになる、みたいなのは結局いつもの庵野秀明ヒロインやんけ…ってなるけども、浜辺先生の実力が見事に既視感を超えていきましたね。
あの顔で「うれしかった」は確殺です…
浜辺美波先生の前半からの表情の変化だけでも2時間の価値を非常に高くしてくれます。

あと政府組ね!
結局出てきた竹野内豊がこの世界線ではちゃっかり斎藤工をしたがえてるのとかは(おまえ竹野内豊このやろう!!)って感じで面白かったですね。

斎藤工も映った瞬間に(現れたなZ空調)ってなったけどよかったですね。
憎まれるのも任務のうち、心を殺して遂行する。

シン・仮面ライダー

わかったよそろそろ西野七瀬の話しするよ!笑

孤狼の血に出ておいてよかったね!
幹部構成員の凄みと妖気がちゃんと出てて和装と刀もキマってました!
ルリ子との会話シーンのヒヤヒヤ感はずっと観てられるわ笑

あとは森山未來もすごかったですね~
あの変な動きしながらの演技をシリアスな気持ちで見ていられるのはやっぱり演者の実力ですよ。

本郷奏多と長澤まさみはめっちゃ楽しそうでした笑
それで十分です笑

あとは豪華キャスト全然わからんかった!笑
豪華すぎる!贅沢すぎ!笑

ときめきのガジェット

シン・仮面ライダー

なんせさあ!

サイクロン号がめちゃめちゃかっこいいんですよ!

仮面ライダーの映画としてバイクがかっこよく撮れていればそれはもう大正解でしょ!

あの車体各部に至るまでの細々としたガチャガチャ変形ですよ…!!!!
男児はこういうのを常に求めているんですよ!!

ブースト×6で真下に爆炎吹けば空に飛ぶよ!!笑
わい(フォーゼ…?)

いやちょっと茶化したけどこの場面もめっちゃテンション上がるからね!

サイクロン号の良さも相まって"風を受ければ受けるほど強くなる"というギミックがより高揚感をもたらすよね!

どんどん加速してパワー増幅して、そこでベルトがちゃんとかっこよく可動してくれる。

とてもシンプルに視覚的効果で興奮させてくれるシークエンスです。

まあ仮面ライダーの設定で考えればものすごい当たり前のことしか言ってないんやけど笑

シン・仮面ライダー

敵幹部のデザインも非常によかったです!

クモオーグの髪の毛がクモの脚に視える頭部の造形とかはさすがのセンスでしたし、ハチオーグの存在によって仮面を着けて闘うライダーが敵の力を自由のために使うっていう構図が視えてくるのもよかったです。

そしてチョウオーグで仮面ライダー第ゼロ号…!!
1号、2号、ショッカーライダーはしっかり昭和ベースのテイストでデザインしておいて、ここで平成以降のテイストのデザインもお出ししてくるんか…!!
隙がねえ………!!

あと観る前はそんなにピンと来てなかった外套スタイルの仮面ライダー、めっちゃかっこいいやん!
もはやわいの中で新たなる定番スタイルとして安定してしまいそうな刺さり具合!笑

こんな調子で映画のルックは個人的にたいへん気に入っています。
映画を好きになるかどうかで言うと、これはとても大事なポイントです。

アクションどうやねん問題

シン・仮面ライダー

SNSで映画好きから結構言われてるのがアクションダサい問題とCGショボい問題なんですけど笑

CGは個人的には許容範囲内です。
全っ然問題無い。
シンウルトラマンと製作時期かぶってることが原因として明らかだし白組その他にマルチタスク負わせ過ぎです!

アクションは…どうですか?笑
そんなひどい?

序盤の徒手空拳戦闘は実際に池松壮亮さんが演じているということで、泥臭く本能のままに力をふるっていく感じよかったじゃないですか?
あともうこれでもかっていうぐらいに跳んで跳んで回って回るのもほんとにライダー大好きなんだな…って感じが出てて微笑ましいじゃないですか?

幹部怪人たちもキャラクターごとにちゃんと戦闘の魅せ方バリエーション付けててわいは好きですけどね?

クモオーグのクセつよムーブからのコウモリオーグの知能戦&飛行戦、ハチオーグの神速剣戟、1号VS2号のドラゴンボール戦闘と棲み分けきちんとしてるやん?

みんなそんなにドラゴンボール戦闘嫌いなん?
ハチオーグ戦の刀対決の演出もそうですけど、わいはどうしても嫌いになれないんですよ…

ああいう…その〜……
目に視えるSPEED……超えてくMOTION?笑

全部が全部映画好き御用達の洗練されたタクティカルアクションやマーシャルアーツだったとしてそれはそれで単調になるやん?

いやタクティカルアクションもマーシャルアーツも微塵も感じない2時間だったけどさあ笑
KKオーグだけはマーシャルアーツ感あったかなぁ…

だとしても、アクションの楽しさってほんとにそれだけですか?

ただね~アクションいいのここまでなんですよ…

ショッカーライダー戦のシチュエーションはやりたいことはわかりますけど、さすがに何がなんだかわからなさすぎですよ。

ただでさえダブルライダーとショッカーライダーで誰が誰やら状態なのに暗いトンネルて!笑

まあ意図的に混沌としたライダー曼陀羅を画面に作りたかったんでしょうけど、シンプルにあまりにも見づらい!笑

ショッカーライダーが1列でバイクで走ってChooChooTRAINみたいになってるところとか笑ったけどさあ、じゃあギャグってことなん?

ここらへんから一文字隼人がどんどんいい味出して来て、横並びで決めポーズしたりして展開は熱いのに非常にもったいなかったです…

チョウオーグ戦も最初は良かったよ?
超絶怒涛不気味ムーブで圧倒するチョウオーグとボッコボコにされて喀血しても諦めない本郷と一文字熱かったよ?

けど本郷とイチローが寝技合戦みたいになった瞬間映像がガッタガタにブレ始めるのあれなんなん?

結構な時間ずっとガタガタだったしあそこ普通に酔ってしんどかったよ?

一回"見づらいな"って思ってから思い返してみるとアバンタイトルの良かったはずの戦闘シーンもなんかカット割り過ぎてて何やってるかよくわかんなかったな、みたいに遡って印象悪くなるじゃないですか?
めっちゃもったいないですよね〜…

だからアクションに関してはいいところはたくさんあるのに印象悪く終わってしまって、そこは残念かなって感じですね。
シン・仮面ライダーのアクション、自分はおおむね好きですよ。

継承の物語

シン・仮面ライダー

今回の物語についてどう思ったかもまとめていきますね。

緑川博士のオーグメント技術の最高傑作として改造され、SHOCKER構成員として洗脳を受ける前にルリ子によって解放された本郷猛は、博士によって組織と闘うように導かれ、更には政府の男たちによってSHOCKER幹部構成員の抹殺を依頼されます。

なるほど。
つまり心の優しい優秀な青年が戦闘力を持ってしまったことによって"殺し屋"になってしまった。
そういう話か。

そして案の定で殺し屋になるには優し過ぎた本郷は闘う覚悟ができず、ルリ子にはその事を見抜かれてしまいます。

そんな本郷が仮面ライダーとして拳をふるい、自分自身と向き合っていく中で何が起こっていたか。

それは"継承"です。

父親から受け継いでいた優しさ、緑川博士に授けられた力、ルリ子から託された使命、それら全てと向き合い、継承することで本郷猛/仮面ライダーという人物像が完成する。

そして本郷はイチローとの、勝てるかわからない戦いに臨みます。

ここで本郷がした事、それはルリ子の宿願を果たしイチローを止める事、そしてもう1つは一文字隼人に自らの生き様を見せる、という事です。

本郷自身のアイデンティティ形成も父親の死を眼前で目撃した事から始まっており、自らの生き様を一文字に託す行為が本郷自身の終わりとして、ここで繋がってくる。

めっちゃきれいな着地やんけ……

ラスト、一文字は政府の男たちに「君たちと付き合う努力をしよう」と言い、男たちは立花、滝、という名を告げ、彼らの物語が始まります。
ヘルメットを装着すればプラーナを介して本郷の声が聞こえ、新しいサイクロン号でスピードを上げて行く。

この軽さがまたいいじゃないの!
本郷の物語は重く終わって、一文字の物語は軽く始まる。
これが本郷から一文字への継承の物語です。

といったところで、個人的にはシン・仮面ライダーの物語は大正解ということでいいと思いますね!

庵野秀明×仮面ライダー

シン・仮面ライダー

シンシリーズ恒例の注目ポイントとしては"仮面ライダーとしてどうなのか"っていうのと"庵野作品としてどうなのか"っていうそのバランスがどんな具合に着地しているのかが興味深いですよね。

興味深いんですけど問題はこれ書いてる人間が昭和ライダー無知蒙昧かつエヴァ未履修という体たらくで全然語る資格が無いっていうことですよね!笑

とりあえずこれまでと今回の映画から感じ取れるものだけで書いてみるね?
合ってること言えるかは知らんけど自分の手札だけ使って書いてみるね?

そういうの嫌いな人はたぶん頭くると思うから読むのここまでにしたほうがいいと思うよ?

シンシリーズを思い返してみてもシン・ゴジラの主人公は尾形でも芹沢でもない矢口蘭堂という完全新規キャラクターでしたし、シン・ウルトラマンの主人公もハヤタではない神永新二というシンジくんでした。

それがどうですか今回は!
主人公は本郷猛、2号ライダーは一文字隼人ですよ?

なんでそんなに行儀よくなってんだよ庵野秀明?笑

どうしたんだよ?
めっちゃ仮面ライダーやるやん。

劇中の音楽という一要素を取って語ってみますと、今回の映画でも例によって「仮面ライダー」テレビシリーズ当時の劇伴が流れているらしいんですね。
らしいんですけど、これが全然わからん笑

いやド定番のメロディーが聞こえたらああこの曲!ってなったけどそれもそのままなのかアレンジなのかわからんし。

それは当時の劇伴のセンスの良さでもあり、そしてSHOCKERや改造人間が日常に潜む今作のヘンテコな日本の世界観、そしてそれを捉える映像や演出のトーンと奇抜な音楽がマッチしているということです。

要するに"めっちゃ仮面ライダーである"と。

あとついでに音楽の話していい?

鷺巣詩郎じゃねえ!!!笑
グリッドマンとかぶったか笑

鷺巣詩郎じゃねえけど岩崎琢さんの音楽良かった!
どれが昭和曲かわからんのはそれくらい新規劇伴が昭和のテイストと違和感無くシームレスにクセ強いからという点もありますね笑

めっちゃ仮面ライダーやってる一方で、じゃあ庵野秀明テイストは鳴りを潜めているのかというと

全っっっっっ然鳴ってる!!!笑

やっぱり"プラーナ"と"ハビタット世界"がね…笑

まあクモオーグが出て来た段階でメフィラス枠そのまま居るんかい!ってなったから割りと最初から庵野ではあるんやけど笑

ハチオーグあたりからじわじわ庵野来たよね。

プラーナをコネクションすることで完璧に管理された市民の住むモデル都市…

始まったぞ…庵野始まった…

ルリ子の出自はハビタット世界との接続の計算のために造られた人造人間だった…

来てるぞ…庵野来てるぞ…

現世での時間など全て無駄なんだ…みんなハビタット世界に行けば幸福になれる…

無駄なことなんて、何も無いんだよ…

来た来た来た来た来た来た庵野!!!!笑

観てないけど知ってるよ!
これエヴァやろ??笑

めっちゃ庵野なんだよ!

ここまで仮面ライダーにリスペクトを込めて創っていても結局はこのテーマに回帰するっていうのがね、もう立派ですよ。
たいしたもんです。

仮面ライダーテイストと庵野秀明テイストの殴り合い、自分は大いに楽しめました!笑

おわりに

シン・仮面ライダー

はい、というわけでね!

結構な文量かけてにわかの戯れ言をお送りしましたけどみなさんシン・仮面ライダーどうでしたか?

駄目だった派の人の言うこともわからんでもないですけどね〜

自分的にシンシリーズの結論を言うなら、シン・ウルトラマンやシン・仮面ライダーがつまらないのではなくてシン・ゴジラが面白過ぎた、っていう感じですかね。
シン・仮面ライダー自体は全体的に満足でしたよ。

今回ははじめて友人に頼まれて書いた文章なんですけど、こんなところで勘弁していただけます?笑

また思うところのある映画に出会ったら執筆したいと思います。

まったね~

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