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【書評】無(最高の状態)を理系大学院生が読んで感じたこと。【鈴木祐】

直近に読んだ本の中で、とても良いと感じた本が【無(最高の状態)】だ。とても良い刺激を受けたため、ぜひnoteで紹介しようと思う。

●人類はみな、”生まれつきネガティブ”である

 まず、これにハッとなった。「人生は苦である」と説いたブッダの言葉を引用されているが、人生これから先も、ネガティブと戦っていかなくてはならない。しかし、これは悪いことと感じるかもしれないが、そんなことはない。それは「抵抗」をしなくなるからだ。

 本書では”苦しみは痛み×抵抗”で成り立つと記されている。まず、痛みというのは、避けることのできない出来事である。例として、道端で転んで膝をすりむいてしまった。これは痛みである。抵抗とは、痛みという現象に対して「なんで私がこんな目に、、」や「運が悪い、、」と感じてしまうこと。人間はこの”抵抗”に精神を削ってしまう。抵抗するのではなく、「私は今、膝をすりむいて痛みを感じている」と思うだけに留めることが重要だ。

 この内容に関しては、納得しかない。生じてしまった事実に気持ちがやられているのでなく、事実に対しての抵抗が原因なのである。このメカニズムを頭にあるだけで、「あ、抵抗してる」と気付けるようになった。

●無我状態になるための「観想」

 観想というのは、「オープンモニタリング法」とも呼ばれるのだが、これは、何も感じない無我状態になるための方法であるが、簡単に説明すると瞑想のようなものである。目を瞑り、浮かんできた事象をそのまま見つめる作業である。その事象に対して考えることはNG。

 瞑想は1年くらい前から毎日続けているが、やはりストレスをなくすためにも観想を行うことは効果が高いことが分かる。本書にも記されていたが、意識がそれてしまうのは普通の現象であり、数十年の訓練を積んだ人でも発生してしまうため、意識がそれてもまた自分の呼吸に意識を戻す。これが大事である。

 以上で、紹介は終わるが本書ではもっとたくさん学ぶことができる内容が詰まっていた。僕はこういう神経科学や脳科学のデータを用いた本が大好きなため、一瞬で読み終わった気がする。著者の鈴木祐さんの他の著書である【最高の体調】もめちゃくちゃ面白かったのでオススメ。また紹介したい本に出合えたら投稿しようと思う。


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