マーケティング:オウンドメディア 実践編

クラウドソーシングでの外注ライター募集&管理

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HushTugNOTEの場合は大手のクラウドソーシングである「クラウドワークス」「ランサーズ」を利用して、外注のライターさんを集めました。

あまり独自性が必要無い記事のネタ(調べてすぐにわかるもの)については、しっかりとした文章さえ書ければ初心者のライターさんでも書けるので、できるだけ多くの記事を公開するために最初は経験、未経験を問わずにライターさんを募集しました。

ただし、未経験のライターさんの場合は
・WordPressの使用方法がわからない
・文章が得意では無い
・引用や出典についての理解がない
・その他考えにくいミスをしがち
という人も多いです。

応募の数は少なくなるかもしれませんが、やはり経験者の方を募集したほうがクオリティや手間は減ります。(記事数とのバランスをとって採用すると良いです)

上記をような問題を回避するために、HushTugNOTEではライターさん用のマニュアルを用意し、読めば初心者でも最低限の記事を書ける環境を用意しました。(ちなみに現在の記事内容とは異なるのでこのマニュアルの中身自体は参考にしなくていいかもしれません)

規則を決めたりマニュアルを作成するのは面倒かもしれませんが、その後の業務がかなり楽になるのでできる限り親切なマニュアルを作っておきましょう。


とはいえ、中にはマニュアルすら完全に無視して書いてしまうライターさんもいらっしゃいます。発注側もお金を払って業務をしてもらうので、1記事目をテスト記事としてあまりにひどい内容の場合はその依頼でお仕事を終了させてもらうようにしました。

その後は『2〜3回言ってもミスが減らない人は依頼をストップさせてもらう』というように、一定の基準を決めることでライターさんとのやり取りで起きる障害を減らしていきます。

募集のハードルが極端に高くなければライターさんはかなり集まるので、募集よりも圧倒的に管理が重要です。


数十人規模になったライターさんの管理は本当に頭がパンクしそうなぐらい大変なので、ライターのモチベーションを保ちつつ、円滑に記事作成をしてもらうための施策を紹介していきます。


1.ライターさん毎の記事管理

最初は1枚のスプレッドシート(共有可能なエクセルのようなもの)に各ライターさんの情報と執筆した記事、報酬などを記録していました。しかし人数が増えるにつれ非常に使いづらくなりました。

そのため以下のように各ライターさんに個別のスプレッドシートを作成し、執筆の経過や添削の可否、報酬をまとめるという方法に変更しました。

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スプレッドシートを全員分複製するのは少し面倒に感じますが、この管理方法であれば他のライターさんと混同してしまうことが無いため非常に楽です。


2.ライターさんの管理を外注する

そもそもこれらの業務で最も時間がかかるのが「ライターさんとのやり取り」と「記事の添削」です。

1〜5人ぐらいなら良いのですが、30人以上ともなると毎日10人以上とチャットをして4.5件の納品された記事を添削して〜〜と非常に忙しいです。立ち上げ初期のブランドなので他にもやるべきことがたくさんあるのに手が回らないという状況になってしまい四苦八苦していました。

これはライター経験がある知り合いやライターさんの中で優秀な人に頼んで代行してもらうことで解決しました。

HushTugNOTEの場合は2人の管理者を採用し「月曜日はAさん、火曜日はBさん」というように業務をする日を割り振ります。1日数時間を確保してもらい記事の添削や修正依頼、公開業務、各ライターさんからの質問回答などを代行してもらいました。

添削依頼や公開記事が少ない時には過去記事のメンテナンスをしてもらいました。

お金を払ってライターさんに記事を書いてもらうため、自分が作業に追われて適切な意思決定が出来ないという状況は避けるべきです。


3.報酬制度の変更

新しいライターさんはマニュアルがあるとはいえ、文章のクセやフォーマットの間違いなど修正が多くなりがちです。

メディア運営において継続的に一定以上のパフォーマンスで記事を書いてくれるライターさんはすごく貴重です。だからこそ1度数を増やした後は新しいライターさんをできるだけ増やさず、今いるライターさんにいかに継続してもらうかを重視しました。

初期の募集内容は「1記事最低2000文字以上で2000円」というはっきりしたものです。しかしこの報酬形態にはいくつかのデメリットがありました。

・最低文字数を少し超える程度の記事が多い
・文字数さえ稼げば良いという投げやりな記事が多く修正が多い
・一部の本当に頑張ってくれているライターが他と同じ単価 など

『優秀なライターさんに高いモチベーションを持って継続してもらうこと』

『記事の質と量を向上させること』

この2つを目標に報酬体系を以下に変更しました。

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①月に5記事以上公開した方はその時点から月末日までの記事単価が1.1倍(2000円の場合→2200円)
更にその時点でボーナス+1000円、以降5記事毎に+500円
②3000文字以上の記事(文字数の水増しなどでは無く質が担保された記事)の場合はその記事の単価に+1300円(通常2000円→3300円)
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報酬管理は少し面倒になりますが、上記のスプレッドシートに文字数や記事数を記載することでそれほど手間はかかりませんでした。

これによって優秀なライターさんや1日1記事納品してくれる熱心なライターさんなどが多く継続してくれました。


4.記事の割り振り方を変更

最初は「◯◯さんにはこの記事、✕✕さんにはこの記事」というように個別に記事を振っていました。これも人数が多くなるにつれ把握や管理が難しくなります。

そもそも毎回記事の添削をしていることで、公開される記事の質は一定以上に担保しているはずです。それなら重要な記事以外は継続ライターさんの誰に書かせても大丈夫なはず…ということで、ライターさんが自主的に記事を選ぶという方法に変更しました。

その際に問題となりそうなのは、確認ミスで複数のライターさんの執筆記事が被ってしまうこと。これを解決するために以下のような施策をとりました。

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①書いてもらう記事はWordPressに下書きを作っておく
⇒タイトルと見出しのみ先に設置しておく
②WordPress内に執筆状況を表す項目を追加する
⇒プログラマーの方にお願いして以下の画像のように切り替えができるようにしてもらった

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用意した記事の下書きを「未着手」にためておき、ライターさんが各自で選ぶ。執筆開始時に「着手中」に変更し、執筆後は「納品済み」に変更する。
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これで「未着手」の中に記事の下書きを作っておけば勝手に納品され、「納品済み」の記事のみを添削し公開するという流れが完成します。

HushTugNOTEでは②のみプログラマーさんにお願いしましたが、記事内にメモを残すなど工夫をすればどんなメディアでも代用できます。


キーワード選定

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市場やキーワードはメディアの成長や収益化に繋がる最も重要なポイントです。
HushTugNOTEは本来「HushTugの革製品を売るため」の集客メディアです。しかし革製品の購入に直結する市場は競合も強く検索上位に上げづらい、更に顕在層(今すぐ買いたいというお客さん)しか集客出来ないというデメリットがあります。

正直2019年末現在でもHushTugNOTEの完成形が10だとしたら1ぐらいではありますが、

・媒体力強化(多くのPVを集められるメディアは検索順位も上がりやすい)

・検索エンジンからレザー関連の評価を得る

・メディア事業として安定的なPV確保

という意図もあり、取りやすい市場を攻略する戦略を取りました。

まず徹底的に取りに行ったのが「革の種類ついて」「革製品の手入れ」など「革・レザー」に関する市場です。

『売りたい物(革製品)に関連性が高い』『物の購入に直結せず企業が少ない』というのが「革・レザー市場」を攻めた要因です。

ここで大切なのがキーワードを選ぶ方法ですが、キーワード選定には主に2種類の方法を使いました。

1.競合サイトを参考にする方法
2.全キーワードを抽出しグルーピングする方法

一応どちらもご紹介しますが、おすすめは2つ目です。

1.競合サイトを参考にする方法

こちらは過去に別メディアを運営していた頃によく使っていた方法で、ドメインを取得したばかりの小さなサイトの場合には比較的有効です。

簡単に言えば『弱いライバルが検索上位に上がっているキーワードで更に良質な記事を書けば自社のサイトは当然上がるよね』という理論です。

この方法は『同じ市場内で自社サイトよりもちょっと上かな?ぐらいのサイトを探す』ところから始めます。

まず複数のキーワードを検索してみて「恐らく個人が運営しているサイト」を探してみましょう。

記事のコンテンツ量もそれほど多くなく、運営が極端に長いわけでも無いのに検索上位にいる個人サイトなどが一番の狙い目です。(企業か個人かは見た目や運営者情報で大体わかるはず…です)

そうした個人運営のサイトはメディア自体が強くない場合が多く、そこからキーワードを探すことで市場内の穴場キーワードを見つけることができます。

そのサイトよりもわかりやすく、コンテンツ量も豊富な記事を書けば簡単に検索上位に上げることができるというわけです。



2.全キーワードを抽出しグルーピングする方法

今現在HushTugNOTEで採用しているのがこちらの方法です。
まずキーワード抽出は無料・有料含め多数のツールがあるので難しくは無いはずです。
(GoogleキーワードプランナーやAhrefs、ウーバーサジェストなどが有名でしょうか。ちなみにHushTugNOTEでははAhrefsを使っています。)


後述する記事の書き方にも付随しますが、上がりやすい記事というのは1つの記事内に更に下層のキーワードをいくつも含んでいます。


つまり大きな1つの記事で様々な情報を網羅していることが大切です。


例えば「メンズ パーマ」というキーワードを調べるとGoogleでの検索ボリュームが約2万と出てきます。

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この中では「メンズ パーマ」が最も検索されているキーワードですが、「髪型」「ショート」「種類」「ツーブロック」「セット」など更に1語付け足したキーワードも多く検索されていることがわかります。

先程も解説したようにこれらの情報を網羅することが大切なので、タイトルや見出しに「メンズ パーマ」というキーワードや「髪型」「種類」「ツーブロック」などを使うべきだとわかりますよね。

書くべきキーワードは非常に多いので、スプレッドシートやエクセルなどを利用するとキーワード管理が簡単です。


1の競合サイトを参考にする方法とは違い、メインのキーワードはかなり検索ボリュームも多くライバルも強いキーワードになります。

しかし、下層のキーワード(先程の例ならメンズ パーマ ツーブロックなど)で上位を取ることで、更に検索ボリュームの多いキーワードやメインキーワードでも検索上位にランクインしてくるはずです。


記事作成

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記事作成の時に意識すべきポイントは3つです。

・わかりやすさ
・情報の網羅
・独自性

ネットで検索すると細かいノウハウなども紹介されていますが、主にはこの3つだけ意識しておけば問題ありません。(WordPressを使う場合最低限のSEO対策は最初からされている場合が多いためです)

それでは1つずつ解説していきますね。


1 .わかりやすさ

記事の『わかりやすさ』とは文章が明快であることはもちろん、画像やテキストの配置などが見やすいことも重要です。

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外注のライターさんを使ったメディア(まとめサイトなど)でよくあるのが、見出しや画像は既に設置してあって文章だけを埋めたんだなという記事です。

そうした記事は文章ばかりで読みづらかったり、解説するための画像が設置されておらず意図が伝わりづらいなど、『読んでいる人に不親切な記事』になりがちです。


確かに大きな企業の運営など、強いメディアを最初から持っているのであればそれでも検索上位に上がるのですが、これを読んでいる方の場合は違うはずです。

弱小メディアがライバルサイトに打ち勝っていくためには、やりすぎなぐらいに『わかりやすさ』にこだわりましょう。

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わかりやすいサイトを作るための具体例を紹介しますね。


・大見出し(見出し2,h2)の下にはイメージや解説に必要な画像を入れる

・文章が長く続く場合には画像で一旦区切る

・複数の選択肢がある際には必ず箇条書き(リスト)を使う

・説明することが多い時には表を使う

特別なことではありませんが、上記のようなことを意識して『読みやすくわかりやすい記事』を作りましょう。

ライターさんの自主性にまかせていたら、上記は絶対にしてくれません。
徹底させるレベルでマニュアル作成と添削をしましょう。


2. 情報の網羅

キーワード選定の章でも解説した通り、1つの記事で関連する様々な情報を網羅していることが大切です。

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もちろん最初から検索ボリュームの大きいキーワードで検索上位を取ることができれば良いですが、いきなりそれを狙うのは難しいです。各見出しにキーワードを散りばめ、それぞれのキーワードに関する情報を充実させていく意識を持ちましょう。

2語以上の小さなキーワードでもそれぞれで上位を取ることができれば、メインで狙いたい検索ボリュームが大きなキーワードでも上位が見えてくるはずです。


3. 独自性

長期的な目線で見た時に独自性は非常に重要です。WEBサイトの検索順位は検索エンジン(Googleなど)の定める基準によって日々変わっていきます。

もちろん内容の良い記事、コンテンツ量の多い記事、わかりやすい記事が検索結果の1ページ目に多く掲載されます。しかし、良い記事や正しい情報だからといって1ページ目に掲載されるとは限りません。

例えばあなたが知りたい情報について検索した時に、検索結果の1〜10位までが全て似たような内容だったらどう思うでしょうか?もしその中に知りたい情報がなかったらどう感じますか?

1つのキーワードでも検索する人によって意図が違ったり、求めている正解が違うことが多いため、情報が正確なものだけでなく独自の視点やコンテンツを持ったものも1ページ目に掲載されやすいです。

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つまり、わかりやすさと情報の網羅を意識した上で、他サイトとは違う視点や独自のコンテンツ(画像など)を入れることができれば、更に1ページ目に表示される確率が高くなります。


独自性を出すのにおすすめな3つのパターンがあるのでご紹介しますね。


ネタをイチから作り上げる
⇒有名なWEBメディアでわかりやすい例を上げれば「ほぼ日刊イトイ新聞」「ロケットニュース」「オモコロ」などのように独自の企画を作れば独自性は高いはずです。

上記したものは比較的エンタメに特化したものが多いですが、例えばHushTugNOTEのようなメディアであれば「100均のもので革製品を手入れできるか」「高級感を出す要素とは」のようなテーマで独自のコンテンツを作ったことがあります。

検索して調べた事の寄せ集めの記事では無いため、記事を作るのに手間はかかりますが独自性は高く評価されるはずです。


テーマに対する徹底的な逆説を唱える
⇒キーワードを見ているとユーザーの意見やユーザーが疑問に思っているテーマが見えてきます。

例えば「ダサい」というキーワードを見てみましょう。実際「プリウス ダサい」「ニューバランス ダサい」のようなキーワードは比較的検索ボリュームのあるキーワードですが、検索をしてみると比較的似た意見が多いことがわかります。

それに対して逆説を論理的に唱える記事などは独自性も高く評価されやすいです。上記の「ダサい」という例だと、タイトルや記事内で「ダサくない」ということを主張するなどがこれにあたります。

ここで注意したいのが曖昧な回答をせずに徹底的に逆説を唱えることです。特にタイトル内では「安い!」「ダサくない!」「おもしろい!」など100%自信を持って意見を書きましょう。(ただし、ただの批判はやめましょうね…)


テーマを補足するコンテンツを作る
⇒これは誰にでも実践しやすい独自性の出し方です。まず記事のテーマの範囲内で「他のサイトには無い視点がどこか」「関連していて面白い企画」などを考えます。

1つ目の「ネタをイチから作りあげる」を小規模に行う感覚でしょうか。
例えば「何かの商品を紹介する記事」では「独自の選び方」を紹介するなどがこれにあたります。「選び方」「◯◯の方法」「◯◯の特徴」など、正解が無いものは独自のコンテンツを作りやすいです。

また、他メディアはネット上のフリー画像や他サイトからの引用画像を使用していることが多いです。つまり、簡単なものでも良いので自分で画像を撮ったり図を作ったりすると更に独自性が高まります。

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HushTugNOTEの場合は商品の選び方で「こんなシチュエーションに合っている」ということを示す図を作ったりしています。


メンテナンス(更新)

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記事を書いたところで、そのまま検索上位に上がる記事ばかりではありません。検索上位に上げるためにメンテナンスが必要な場合があるので方法をご紹介します。

検索順位を参考にするメンテナンス方法

1つの記事でも狙ったキーワードだけでなく、様々なキーワードで検索されます。その際、検索ボリュームの大きなキーワードでは1ページ目にランクインしていないものの、意図していない小さなキーワードが上位に上がっているという場合があります。

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この画像の場合は「牛 牛乳」の内容を加筆し充実させることで、まず「牛 牛乳」の検索上位を確実に取りに行っています。「牛 牛乳」が上位に上がった結果、更に検索数の多い「牛」という単体キーワードでも上位表示が出来ているわけです。

まず小さなキーワードでもPVを集め、読んでもらうことによってGoogleの評価が上がり、関連するキーワードや狙っていたキーワードでも評価を受けやすくなります。


最新情報を追加するメンテナンス方法

また、メンテナンスの手法の1つとして強い効果があるのが『最新情報の追加』です。トレンド性のある記事や時期や年によって変わるテーマでは特に影響を受けやすく、すぐに順位が上昇することもあります。

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・既存の情報を最新のものに変更する

・タイトル等に「20◯◯年」など時期的な要素を入れる

のように簡単なメンテナンスでも順位は上昇する可能性があります。

特に「イベント」「ファッショントレンド」などのテーマでは上記の施策が大きく役立ちますが、これにはデメリットも存在します。

イベントやトレンドに該当する時期が終わったり、情報が古くなったりすると順位がガクッと落ちることもあるので定期的なメンテナンスが必要です。

同じような記事を書いているライバルサイトも同様の方法で順位を上げやすいということなので、その他の情報やわかりやすさ、独自性で差をつけるようにしましょう。


収益化

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メディアの収益化の方法は大きく分けると5種類あります。


1. クリック型広告
2. 成果報酬型
3. 純広告
4. メディア売却
5. 自社商品の販売

今回は自社の集客のためのオウンドメディアについて書いているので、1〜4番については簡単にどんなものかをご紹介します。

1. クリック型広告

⇒その名の通りクリックされるだけで成果が発生する広告。有名所なのは「Google AdSense」や「nend」など。記事内やサイドバーなどに広告を貼って、クリックしてもらうことで収益が発生する。

2. 成果報酬型

⇒上記のクリック型と違ってクリックだけで収益は発生せず、定められた成果地点に到達した時点で収益が発生する広告。

例えば成果地点が商品購入だった場合は自分の設置したリンクを経由して商品が売れた時に、決められた額、もしくは購入額の◯%という形で収益が発生する。

3. 純広告

⇒自分が運営しているメディアの中のスペースを一部他の企業などに貸し出して収益を得る方法。期間や、何回見られたか(インプレッション)、何回クリックされたかなどでそれに応じた広告費をもらう。

4. メディア売却

⇒メディアをそのまま個人や企業に売却する。規模や時期にもよるが収益の1〜2年分で売却できることが多い。

5. 自社商品の販売

現在HushTugNOTEの場合は自社のECへの導線を3つ用意しています。

バナー広告

1つ目が記事の最初、目次の上に設置しているバナー広告です。

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正直クリック率は高く無いため、どんな画像が良いかのテストや認知獲得のために設置をしています。そのためメディアとしての収益増加を狙うならなら別の形(Google AdSenseなどのクリック型広告)に変更しても良いかもしれません。


CTA

2つ目がほぼ全ての記事の下に設置してあるCTA(コールトゥアクション)です。上記したバナー広告とCTAからECサイトへの誘導数を調べると、71%がCTAからの誘導だということがわかりました。

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現在PVを集めている多くの記事は、少なくとも「革」や「バッグ」など関連性の高い内容なので、フォーマットを記事型にすることで自然に読み進めて興味を持つユーザーが多いようです。

ちなみに2019年末現在HushTugNOTEは月間約20万PVありますが、その中の約1%がCTAからECを訪れています。


CV記事

3つ目が記事内に直接ECサイトへのリンクがある記事です。WEB業界だと成約や商品購入をCVと呼ぶことが多いので、ここではCV記事と呼びます。

HushTugNOTEの場合は革製品を売りたいので、革のバッグや財布を紹介する記事がこれにあたります。

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現在CV記事を見たユーザーの5〜15%が自社のECサイトへ訪れています。


WordPressプラグイン

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全体の流れについて書いた際に述べましたが、メディア運営は基礎的な知識を除けばノウハウ的なものは2割程度、ほとんどは仕組み化によって成り立っています。

外注のライターさんが快適に執筆をするための準備や収益化のためにWordPressをカスタマイズする機会も多く、その際に実際に使用したプラグインについてご紹介しようと思います。


All In One SEO Pack

言わずと知れた有名SEOプラグインです。基礎的なSEO対策をサポートしてくれます。

ただ、正直これでSEO効果が良くなっているかと言われると恐らくそうでも無いのですが、最も役立っているのがWordPressのログインユーザーをGoogleAnalytics(WEBサイトを分析するGoogleのツール)で計測しないようにできる機能です。

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特に自社広告関連ではテストを繰り返すことが多いのですが、自分のテストクリックやライターさんが間違ってクリックしてしまった時は計測したくありません。ユーザーの正確な行動のみがしっかりと計測できるためおすすめです。

やり方はAll In One SEO Packの「一般設定」⇒「Google設定」⇒「トラッキングからユーザーを除外」と進み、Administrator, Author, Contributor, Editorなどのユーザー権限を表す部分にチェックを入れるだけです。


AddQuicktag

こちらもかなり有名なプラグインです。よく使うHTMLコードを記事作成画面から一瞬で呼び出すことができます。

自分の作業効率化だけで無く、外注のライターさんがフォーマットを間違えないように最初に登録しておくと便利です。

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上の画像は実際の記事作成画面でAddQuicktagを使っているところです。「画像の出典」をクリックしただけでビジュアルエディターに出典のフォーマットが表示されています。


Calls to Action

CTAを作成し記事毎に表示させることができるプラグインです。
記事毎に出し分けできるだけでなく、1つのCTAで複数の画像などを設定してどれが最もクリックされるかのテストをすることも可能です。

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メディアからECサイトへの誘導は仮説の検証を繰り返して精度を高めていくので非常に役立ちます。


EWWW Image Optimizer

画像を最適化しサイズを小さくしてくれるプラグインです。こうした記事型のメディアは画像の枚数がかなり多くなります。画像はページを読み込む時間を遅くしてユーザーがページを離脱してしまう要因の1つなので、ページ速度を上げるためにも必須のプラグインです。

自分だけが画像をアップロードするなら予め画像サイズを落としておけば良いのですが、外部のライターさんにそこまで求めると確認の手間が増え手しまいます。こうしたプラグインで効率化していきましょう。

ちなみにアップロードした画像を自動で最適化してくれますが、過去の画像を一括で最適化することも可能です。


Rinker

Amazonアソシエイトや楽天アフィリエイトを利用するならおすすめのプラグインです。日本人のプログラマーさんが作っているので解説や参考になる記事がたくさんあるのも魅力ですね。

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Amazon、楽天、Yahooショッピングなど様々なモール系のアフィリエイトが一括管理できて、商品検索からリンク設置までが簡単に行えます。小規模なサイトや個人のアフィリエイターさんにもおすすめです。


Search Regex

記事内の特定の文字列を検索し、一括で別の文字列に変更できるプラグインです。手動設置した広告リンクや、商品名、金額の変更時などを変更する時に便利ですね。

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例えば上の画像では全ての記事から「革製品」という文字列を検索しています。

「革製品」から「レザー製品」という文字列に統一したい時は下のreplace patternというテキストボックスに「レザー製品」と打ち込んでreplace&saveボタンを押すと一瞬で書き換わります。

最近だと消費税が変更された時に自社商品の金額を書き換えるのに使いました。


Table of Contents Plus

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記事に目次を表示させるプラグインです。
導入が簡単なのと意外とカスタマイズ性が高いのが魅力的です。

User Role Editor

ユーザー権限を自由に変えることができるプラグインです。WordPressに元々設定されている「編集者」「寄稿者」などのユーザーは通常権限ごとに機能が制限されています。

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これを使えば権限が無いユーザーに記事の公開まで任せたり、テーマの編集をお願いすることも可能です。

外注のライターさんを多く管理する場合や、運営の一部を外部に委託する場合に便利です。


カスタマイズ

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ここからはWordPressプラグインでは無く、テーマ自体のカスタマイズやJavaScriptライブラリなどを活用したカスタマイズ方法を紹介します。

詳細なコードなどは使用テーマ等によって細かい違いが出ますし、プログラミングの知識がある人のみできる高度な内容なので施策のみ書いておきます。

lazysizes.js

WordPressプラグインのEWWW Image Optimizerと同じく、ページ表示速度を早くするために使用したJavaScriptライブラリです。

画像の読み込みだけを遅くすることで、ページを開く速度を上げることができます。ユーザーがページをスクロールして画像の場所まで来た時に初めて画像を読み込んでくれます。

似たものでlazyloadというjQueryライブラリもありますが、個人的にはlazysizesのほうが使いやすかったです。


内部リンクのブログカード化

回遊数を上げるためにテキストリンクでは無くブログカードで表示されるようにカスタマイズをしました。WordPressにはデフォルトでブログカードの機能はついていますが見づらいため自分で変えました。

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アイキャッチ画像も取得してイメージしやすいようにするのが良いですね。


セルフチェック項目

継続のライターさんで修正が多い方がいたため、納品前のセルフチェックを義務付けるために設置しました。

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全てにチェックが入っていたら添削や公開という流れを徹底することでミスや手間を減らせました。


h2の見出し個数を検出し広告を挿入

HushTugNOTEでは自社広告に加えGoogleAdSenseのクリック型広告も設置していますが、手動で貼っていくのは面倒です。自動で見出しを検出して広告が入るように設定をしました。

全ての見出しの上だと邪魔なので、記事全体のh2の個数を検出して「◯番目と◯番目のh2の上に広告を挿入する」という設定をしました。


その他意識すべきSEO対策

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E-A-T
近年SEO業界で重視されているのが「E-A-T」についてです。E-A-Tとは、専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthy)の英単語の頭文字をとったもので、これらが高いほどSEO的に良いとされています。

とはいえここまでの事を実践できれば「E-A-T」に関してはそれほど問題が無いはずです。

E=Expertise(専門性)
⇒自身の事業に関する領域から外れないことを意識すれば問題ありません。「関係無い話題だけど検索上位とれそうだし書いちゃおう!」みたいなことをしなければ大丈夫です。

A=Authoritativeness(権威性)
⇒専門家がいたり元々名前が売れていない限り初期は権威性が無いのが当たり前です。

わかりやすさ・情報の網羅・独自性を意識した記事を更新し続ければ、自然と権威性の高いメディアができあがります。ドメインが企業やブランドのものならなおさらです。


T=Trustworthy(信頼性)
⇒SSL化などのセキュリティに気をつけて、運営元の情報をしっかりと記載しておきましょう。



YMYLについて

Your Money or Your Lifeの略です。お金や人生に関わる情報はより信頼性の高いもので無いといけないとGoogleが発表しています。

お金や健康、法律などに直接影響を与える内容を執筆する場合は注意しましょう。誤解を招く内容や、薄く低品質な内容は検索順位の低下に繋がります。

事業がそもそもYMYLに直接結びつかないものであれば、この領域の記事は避けたほうが良いかもしれません。

終わりに

以上で「オウンドメディア 実践編」は終了です。オウンドメディアは特別新しい集客方法ではありませんが、しっかり取り組めば安定的な集客の柱になります。

あなたのメディア運営が成功することを祈っています!

おわり

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