カスタマーサポート:顧客対応編

はじめに

こんにちは、顧客対応を担当している恩田恵梨です。

顧客対応はマーケティングと違い、とても大切なのに後回しにされがちな業務ですが、未来の売上を左右するとてもパートになります。

「良い商品を販売していれば上手くいく」

という考えが販売当初の私には少なからずありましたが、このような考えは大きな間違いで、顧客対応の良し悪しでLTVやレビューなどのUGUの獲得に大きな変化があることを痛感しています。

このパートではHushTugで行っている顧客対応について実例を用いて解説していきます。

顧客対応とは

顧客対応とは言葉の通り、顧客=お客様の対応をすることです。

D2Cの場合、店舗がなくECサイトでの販売がメインなので、基本的にはメールでの対応が多くなるかと思います。

お客様と直接やり取りができ、1番近い場所にいるのが顧客対応の担当者です。つまり要望や疑問、不満をダイレクトに聞くことができる重要なポジションということですね。

また、お客様と他のスタッフの中間にいるため双方を繋ぐ役割も担っています。

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お客様からのフィードバッグを他のスタッフに共有することでマーケティング施策などに反映されるため、とても重要なポジションだと言えます。

顧客対応がブランドへの印象を決める

「顧客対応者の行動がブランドのイメージに直結する」

ということを肝に銘じましょう。

なぜなら、お客様と接するスタッフの行動が、そのブランドの印象を決定付けるためです。

例えば・・・

飲食店に食事に行き、注文と違う料理が運ばれてきたとします。おかしいと思って、近くにいる店員に声をかけますよね。

その時にろくに謝りもされず、雑な対応をされたらどう感じるでしょうか?

腹が立って「こんな店、二度とくるか!!」と思う人は少なくないと思います。

しかし、この時に声をかけた店員が丁寧に謝罪をし、すぐに注文した料理を作ると言ってくれました。

さらに、作り終わるまで時間がかかるからと軽いおつまみをサービスしてくれたらどうでしょうか?

最初に注文を間違えていたとしても「ここのお店のサービスすごい…!」と感じる人もいるのでは無いでしょうか?

上記から分かるように対応した店員の行動は、その店員の評価ではなく、ダイレクトに店の評価に繋がるということです。

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そのため、お客様と接する、窓口になっている担当者の対応1つで、いい印象を与えることも、悪い印象を与えることもあるということですね。

D2Cの場合はお客様との窓口は基本的に顧客対応者になります。つまり顧客対応次第で、良いブランドにも悪いブランドにもなるのです。

上で述べた例のように、良い対応をすることができれば、良い評価・イメージに繋がるのです。そしてそれが「ブランドのファン」を作ることにも繋がっていきます。

満足では足りない。期待値を超えた対応を

では、顧客対応で目指す良い対応とはどんな対応なのでしょうか。

「満足してもらえる対応」と考える人も多いと思います。(私は最初そう思っていました…)

しかし、満足してもらえるだけでは実は不十分なのです。

満足という感情は想像している中で「ここまでやってもらえればいい」と思っていることがなされた時に感じます。

つまり、お客様の想像の範囲内の対応だということです。

良い対応ができたと思えるようにするためには、良い意味で相手の想像にない、想像や期待値を超えるような対応を目指すべきだと考えています。

目指すべき対応とは?

お客様はされたこと(行動)は忘れてしまいますが、どんな気持ち(感情)になったのかは覚えています。

そのため、HushTugではお客様に「何をするか?」ではなく「行なった結果、どんな気持ちにさせられるか?」を考えて対応することを常に心がけています。

どれだけお客様を感動させられる対応ができるかで、

・どんな印象、イメージを持ってもらえるか
・どれだけ覚えていてもらえるか
・ファンになってもらえるか

これらが決まると思います。

そのために、お客様のことをどれだけ考え、お客様の想像を超えるような対応ができるかどうかが大切です。

・ここまで、こんなことまでやってくれるのか
・自分にこんなに寄り添ってくれる

そんな風に感じてもらえるような、誠実な対応ができるよう心がけられるといいですよね。

参考例を紹介します

ここまでで私たちの考え方を共有してきたので、これから実際の対応例を紹介していきます。

感動を与える対応をしようと思ったら、利益だけを追い求めていたらできないこともあります。

自分たちの利益を優先するのではなく、本当にお客様が知りたいこと・してほしいことを考えて対応していかないと、感動を与えられるような対応をすることは難しいです。

HushTugは現状、生産が追いつかず予約注文での販売になっています。そんな時にこのような問い合わせが届きました。

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大変嬉しい問い合わせですが、事実、予約販売を待つよりほかに商品の購入方法はありません。

そのため、他の方法はないと伝えていく必要がありますが、それだけでは普通ですよね。感動を与えられるような対応にはなりません。

そこで私は以下のように返信しました。

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予約注文以外はできないということを伝え、他のブランドの商品を調べて伝えました。

デザインや色、価格帯などできるだけ近いものを探したので、正直、時間は結構かかりました。

しかし、例え他のブランド商品の購入になったとしても、このお客様に納得いくプレゼントを見つけてほしい、そう思ったのです。

そして、こんなお返事をいただきました。

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「顧客対応やっててよかった!」と初めて思えた瞬間でした。。。

実際にこのお客様は、お渡ししたい日を過ぎるにも関わらず商品をご注文して下さいました。利益を考えずに「お客様が本当に喜ぶこと」にフォーカスした行動が、結果的に自分達のプラスになりました。(もちろん顧客対応が全ての要因ではないと思います)

ただ、毎回このように良い対応ができるわけではありません。お客様のことを考え対応したとしても、お客様に感動を与えられないこともあります。むしろ不快にさせてしまうこともあるかもしれません。

お客様の考え方は1人1人違うので、全ての方に必ず感動してもらえるようなマニュアルを作ることは不可能です。

そのため、その都度自分の頭で考え、自分が良いと思ったことを思い切って実行し。試行錯誤を積み重ねていくことで、お客様に感動を与えられる対応が自然とできるようになっていく。私はそう考えています。

お客様=神様ではない

顧客対応ではお客様に向き合い、誠実な対応を心がけるべきですが、お客様の言うことを全て聞くことが正しいわけではないと思います。

接客業などではよく「お客様は神様だ」と言われることがありますよね。でも本当にそうなのでしょうか?

お客様のために行えることは行うべきだと思いますが、できないことはできないと伝えることも大切です。

例えば、HushTugは最高にシンプルな商品を目指し、高品質なものを工夫によってリーズナブルな価格で提供できるように日々努力しています。

そのため、ブランドロゴを全面的に押し出すようなことはしていませんし、機能面でも必要なものだけを想定し制作しています。

そのため「多機能性に富んだ商品が欲しい」「ひと目であのブランドを持っていると分かるような商品が欲しい」などと考えている方には合わない商品と言えるでしょう。

上記のような商品を制作することも可能でしょうが、それではHushTugというブランドが崩壊してしまいます。

だからこそ、全ての言葉を鵜呑みにするのではなく、要望として叶えられるよう行動するべきなのか・断るべき内容なのかを考えて対応していく必要があると思います。

お金が絡む対応は丁寧に

商品の販売をしていて切り離せないのがお金に関する対応でしょう。

HushTugで現状、一番多いお金絡みの対応は返品や注文キャンセルです。

私がこれらの対応を行う際に一番気をつけているのは「一度読むだけで理解でき、疑問が生まれない内容になっているか?」ということです。

対面で接客されたとしても、返品や返金の対応が分かりにくかったり、時間がかかれば不安になりますよね。メールだけのやり取りでは、相手の表情も感情も分からないため、より不安を感じやすい状況です。

なので、多少メールの内容が長くなったとしても、上からメールを一度読んだだけで納得して理解ができるような文章を心がけています。

そもそも返品やキャンセルの場合、本当に対応してくれるかな?と不安に思っている方もいるなかで、何度も読まないと理解できなかったり、読んでも疑問が残るような内容を送ってしまうと、よりお客様を不安にさせてしまいます。

【実例】

例えば、注文のキャンセルをして欲しいとメールが届いたとします。その際に、すでに料金の支払いを行なっている方にはこのような内容のメールを送っています。

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キャンセルに了承したということだけでなく、どこに料金は返金されるのか、その確認はどうすればいいのか、ということも合わせて伝えるようにしています。

言葉遣い

今までメール対応をしていなかった人は、最初、言葉遣いに苦労すると思います。(私はとっても苦労しました。今でもたまに悩むことも…。)

実は正しいと思って使用している言葉が間違っているということは、よくあることなのです。

書き言葉と話し言葉があるので、会話なら間違っていないが文章として書くと間違いということもあります。

メールでは話し言葉は使用せず、正しい敬語を使用しなければいけません。

また、稚拙な言い回しも避けるべきです。「〜はできません。」などの言い方は幼く感じさせてしますので違和感があります。こんな言い方しかできないのか、と下に見られてしまうかもしれません。

お客様と対等にやり取りするためには、言葉遣いは重要なポイントなのです。

慣れるまでは正しい言葉遣いなのか。どう言い回すべきなのか。判断できないことが多いと思いますが、そんな時はネットで検索して調べるのが一番です。

1つのページではなく複数のページを確認し、正しい言葉遣い・敬語を確認していきましょう。

複数のページを確認しておかないと、最初に確認したページが間違った知識を伝えている場合、正しい知識をつけることができなくなります。複数のページを見て、同じことを伝えているか確認するといいと思います。

一度調べたことは、どこかにまとめてメモをしておくのがおすすめです。そうすれば、次回以降は自分がまとめたものを確認すれば判断できるようになります。

毎回調べるのも時間がかかり非効率なので、ぱっと見て分かるようにまとめておくといいでしょう。

返信のテンプレート

全ての返信ではないですが、テンプレートを用意しておくとスムーズに対応できることがあります。

私は以下の場合は、送信するテンプレートを用意しています。

1.同じ内容(アンケートなど)を送信した場合の返信
2.同じ内容を伝える場合

1.同じ内容(アンケートなど)を送信した場合の返信

アンケートなど同じ内容を送信した場合、返信で伝えるべきことも似たようなことになることが多いです。

大勢に送信するものは返信される確率も高いですし、同じ内容を送信していれば必然的にその返信内容も同じようなものになることが多いです。

そこで、返信内容のテンプレートを考えておけば、時間の短縮もできスムーズに返信することができるようになります。またテンプレートがあれば、誰にでも行える返信になりますね。

ただし、返信の全てをテンプレートだけにはしないようにしましょう。

全てテンプレートで返信できるということは、メールを読まなくても行える返信ということです。読んでいなくても行える返信をもらって、喜ぶ人は少ないと思います。

テンプレートにプラスして、送信されてきたメールの内容を付け加えて返信していきます。たとえ一言だけだったとしても、受ける印象が変わりますよ。

【実例】

HushTugでは現在、注文を頂いた際に「どこでHushTugを知ってもらえたのか?」というアンケートを行なっています。

その返信はこのような感じです。

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伏せている部分は、そのお客様に合わせて文章を考えて追加しています。また商品のお届け日についても、何を注文されたのか、その商品の到着日はいつなのかを確認して変更しています。

それ以外は、お届けまでに時間がかかるかどうかで「お時間を頂戴し申し訳ありません」の部分を入れるかどうかを変更する程度です。

2.同じ内容を伝える場合

同じ内容を伝える場合は、返品・交換やキャンセル、支払いの確認などお客様の行動に関するものが多いです。

「返品をしたい」という問い合わせの場合、行なっていただく行動は同じです。そこで、同じことを伝える部分をテンプレートとして用意し、お客様に合わせて変更するべき部分を変えて文章を考えます。

便利だけど注意も必要

テンプレートは返信を時短できる、便利なものです。

しかし、相手に合わせて変更するべき部分を変更せず送信してしまうと、不満・不信感に繋がることがあります。送信する相手に合わせた内容になっているかを最後に必ず確認して、ミスがないようにしましょう。

質問・問い合わせ

顧客対応で一番多いのは、質問や問い合わせかもしれません。

疑問点を解決すること、相手が知りたいことは何なのかを読み取り、返信していくことが必要です。

私はこのように返信する文章を考えています。

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1.わざわざメールで質問するという時間・労力かけてもらっているので、そのお礼。

2.どの質問に対する回答なのかが分かるように、質問内容を簡潔に伝える。

3.疑問を解決できるよう、分かりやすく質問に回答する。

4.他の質問や回答に対する疑問を抱いた際に聞きやすいように、他にも質問があればお気軽に聞いて下さいということを伝える。

本当に知りたいこと・伝えるべきことを考えて回答していく必要があるので、慣れるまでは疑問への回答を考えるのに結構時間がかかると思います。

しかし、ここを適当にしてしまうと相手が理解できる・納得できる回答をすることができません。

さらに「なんでこんな回答なの?」と思わせてしまっては、ブランドへの不信感にも繋がる恐れがあるのです。

また、お客様が本当に知りたいと思っていることを的確に読み取ることも簡単なことではありません。

メールの返信を作業と考えずに、お客様と常に向き合っていかないとなかなか問い合わせの意図を読み取っていくことは難しいことだと思います。

【実例・失敗談】

以前、このようなメールを頂きました。

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私はこちらのメールに関して、交換も無料で行っているからと交換方法をお伝えしていきました。その時は「商品の不良があった=交換する」としか考えられていなかったのです。

それも間違いではないのかもしれません。しかし、お客様は交換を希望していたわけではなく、修復方法について質問されていました。

ここでは、修復できる方法をお伝えした上で、それでも気になるのなら交換できると提案するべきだったのではないかと考えています。

顧客対応は、こうするのが必ず正解だと答えをだせることではありません。だからこそ「これはこうするのが正しい」「〇〇=△△」と固定して考えてはいけない。それを忘れてはいけないのだと思います。

謝罪メール

顧客対応を行なっていて気を遣うのが謝罪をする際の対応です。

対面での対応や電話と違い、メールでは声や態度で伝えることができません。文章だけで謝罪を伝えることは、想像以上に難しいです。

そのためにも、メールの内容を謝罪だけにしないことは大切です。

原因が分からず謝られても納得できない人ことは多いと思います。(私だったらただ謝られるだけでは納得できませんなことも多々あります…。)

そのため、なぜ謝らないといないことが起きてしまったのか、その原因も伝えて謝罪するようにしています。

【実例】

商品の制作はモンゴルで行なっているので、商品に関してのことはモンゴルの職人に聞かないと分からないことが多いです。

そのため商品状態を文章や写真で伝え、メールや電話でやり取りをして原因を解明するようにしています。

実際に先日、届いた商品の角にシワがあったので、その部分の写メと一緒にモンゴルにいる社員に原因が分かるかをこのように質問しています。

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そして、頂いた返信の内容をもとにお客様にお送りする謝罪メールの内容を考えていきます。

上記のようにモンゴルの職人に聞いても、原因が分からないこともあります。実物を見て、触って確認してもらうことはずぐにはできないので、写真で伝わらないことは原因が分からないことも多いのです。

その場合は、原因がはっきりしないこと・考えられる原因の候補・解明できたら連絡をすることを伝え、分かったら伝えるようにしています。

また、その原因に対する対策を考えられる場合は、それも伝えていきます。対策を考えているということは、同じことが起きないようにしようと行動しているということです。

同じ失敗を繰り返さないようにしていることが伝わりますし、次に利用することがあった際に安心に繋がります。

とにかく謝るがダメな理由

謝罪のメールを作成する際に「とにかく謝らないと」そう考え、謝罪の文章を入れすぎるのはあまり良くないと思っています。

お客様相手でもへりくだりすぎる必要はないですし、ただ謝ればいいと考えているのでは?と感じさせしまうこともあります。お客様からの心象が逆に悪くなってしまうこともあるのです。

最後に謝罪を入れるか、最初と最後に謝罪するくらいで丁度いいと思います。

【実例】

HushTugでは、モンゴルで商品の制作を行なっているため、海外輸送や配送などでトラブルが起きることがあります。その内容によっては、サイトでお伝えしているお届け日を過ぎる可能性が発生することがあります。

このような場合は遅れが発生する可能性があると分かった段階で謝罪のメールを送信しています。

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このメールでは生産責任者からのメールに、遅れることになった原因が書かれていたので、このような流れで作成しました。

予約していた商品のお届けが遅れるというのは、待っている方にとっては嫌なことですが、原因を明らかにして、しっかりと謝罪をすれば、クレームなどには繋がりにくくなります。

事実としてクレームになるどころか「モンゴルの職人の皆様の健康を第一に優先して下さい」といった心優しい返信を頂けることもありました。

メールでも相手のことを考え、誠意を持って早急に対処をしていけばこちらの気持ちがしっかり伝わります。

電話対応

D2Cの場合、顧客対応は基本メールになると思いますが、メール以外の対応をしたほうがいいこともあります。

それは「メールが届いていない・読んでいない」と考えられる相手の場合です。

メールが届いていなかったり、読んでいないのなら、再度メールをお送りしても内容を確認してもらえない確率が高いですよね。

私は電話をする際には、流れを考えてから行うようにしています。電話の場合、メールと違い相手と直接やり取りをするのでスムーズな対応が必要になるため事前準備が大切です。

伝えるべきことを電話をしながら調べたり考えたりするのは、時間がかかってしまいます。

急にかかってきた電話であれば仕方ないですが、自分からかける場合には伝えること・必要な情報は前もって用意しておきましょう。

質問されるだろうと考えられることも回答を用意できるとなお良いです。

スムーズに対応できれば、お客様に安心してもらます。逆に時間がかかりすぎると「大丈夫かな?」と不安や不信感に繋がる恐れがあります。

【流れの実例】

HushTugからのメールが届いていないと思える方に電話する際は、このような流れで連絡しています。

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この時は、問い合わせに対する回答はもちろん、メールが届かない原因とその対処法も調べた上で連絡するようにしています。

また電話をかける時間も注意しています。メールと違い、自分のタイミングで行動することができないことなので、休憩の可能性が高い12時台か、仕事が終わっているだろう19時以降などにかけるようにしています。

おわりに

以上でこのパートは終了です。

顧客対応は商品が売れれば必ず発生する業務なのでブランドを運営している限りずっと続き、そしてお客様と最も近いポジションであり、ブランドの印象を左右する責任を担っているとても大切な仕事になります。

お客様の期待値を超えた対応を通じて感動を与え、愛されるブランドになれるように頑張ってくださいね!

終わり

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