ECサイト開設編

ECサイトの立ち上げはshopifyを使おう

まずEC事業を立ち上げるならサイトを作る必要がありますが、今後事業を大きく伸ばしていきたいなら『shopify(ショッピファイ)』を使うことをおすすめします。

「ん?shopify??聞いたこと無いけど大丈夫なの…??」

と思った方のために補足すると、shopifyはカナダ発の企業なので日本での知名度はまだ低いですが、時価総額が3兆円を超える超大手企業です。

僕たちがshopifyを選んだ理由は以下のとおりです。

①入金サイクルが早い

shopifyにはshopifyペイメントという独自の決済システムがあり、毎週売上が申請など不要で自動で入金されます。

日本の主要ECプラットフォームを比較してみると、その差が歴然です。

・stores.jp:月末締め、翌月末払い(参考URL:【売上管理】売上はいつ振り込まれますか?)

・BASE:振込申請をしてから土日祝日を除き10日後(参考URL:BASEかんたん決済の振込申請って何?売上はどうやって受け取るの?手数料は?)

僕たちのような小さいな企業だと毎日のように資金繰りを考えないといけないので、毎週入金というのはかなり助かります。

②決済手数料が安い

shopifyは入金サイクルが早いのに加えて決済手数料も上記2つよりも安価です。取引額が大きくなればなるほど手数料のコンマ数%の差が大きくなるので、月商数百万円を超えるならわりとインパクトの大きな差になると思います。

・shopify:ベーシックプラン:月額29USドル(約3,000円)+3.4%

・stores.jp:フリープラン:月額料金0円+決済手数料5% or スタンダードプラン:月額1,980円+決済手数料3.6%

・BASE:決済手数料3.6%+40円+サービス利用料(送料含む)3%(月額費用は0円)

上記を比較すると一長一短がありますが、僕たちの場合は最初から事業を伸ばす前提でECプラットフォームを選んでいたので、今後の成長を考えるとshopifyが最も運用コストが安くなるということでこちらを選択しました。

逆に個人の方で趣味でのんびり続けたいという方は月額費用が0円のほうが安心して続けられると思うので、現状と将来の事業の伸び方を考えて選択すれば良いと思います。

越境ECに強い、アプリ(拡張機能)が豊富、デザインのテーマが豊富などメリットはたくさんありますが、当時はそのあたりはよく分かってなかったので基本的には資金繰りと運営コストで選びました。

月商数百万円を超えるならshopifyは非常におすすめですが、大きなデメリットがあり、それは完璧には日本語対応していない点です。

アプリなどの説明が英語でされていたりと、英語が全くできない人だと0から設定するのはちょっと厳しいかもしれません。

それでもshopifyを使いたいという方のために実際に僕たちが現在進行系で使っているアプリとご紹介するアプリの使い方などを開設したいと思います。

全部そのままパクって頂ければかなり使いやすくなると思います。(月額費用がかかるアプリもあるので自己責任でお願いします…!)

shopifyのおすすめアプリ一覧

shopifyのメリットの一つでもあるアプリですが、イメージはWordPressのプラグインとほぼ一緒です。

無料から有料のものまで一通り揃っていますがWordPressに比べれば全然少なく、細かいニーズを満たそうと思うと少し心もとないのが本音です。

そんな中で自分たちで実際に使ってみてよかったアプリをご紹介していきます。

shopifyで使ってるアプリは以下の3つです。

Product Reviews(レビュー)
Klaviyo(メールマーケ)
Lucky Orange(各種分析)

1つずつ紹介していきます。

Product Reviews・・・各商品ページにレビューを掲載できるアプリ(DLはこちら

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■選んだ理由

「無料で簡単に使えたから」が最も大きいです。

レビューがどれだけ集まるか分からない時期に実装したので、まず形だけでも整えようとのことで選びました。レビューが多くなればソート機能は必須なので、YOTPOなどの有料のものに切り替えたほうがベターかもしれません。

余談ですがレビューは超・超・超大事です。分析した結果、お客様はレビュー欄をくまなく見ていることが分かりましたし、購入後のアンケートでもレビューが決めてだったと非常によく言われます。

以下、簡単なまとめです。

メリット

・無料
・shopify自身が作ったアプリなので安心
・簡単に実装できる

デメリット

・★の数でソート不可
・レビューと一緒に画像を投稿できない
・気になるキーワードが含まれるレビューを検索できない

Klaviyo・・・取得した顧客のメールアドレスを元に本格的なメールマーケをできるアプリ(DLはこちら)

■選んだ理由

shopifyで取得した顧客データをもとに非常にきめ細かいメール配信ができるサービスで、過去に国内の類似業者のリサーチをしたことがありますが月額10万円レベルのサービスと遜色ないため選びました。

shopifyと完全連携しているので、購入商品や時期に応じてメールを細分化することが可能で、もちろんKlaviyo内の行動でも細分化できるので、どのメールを開いてどのリンクをクリックした人にこのメールを送る、などの細かい設定も可能です。

これを数千円で使えるのは価格破壊レベルです。笑

ちなみに月商100万円以下くらいなら無料で十分OKです。無料でもすべての機能が使えるため、顧客数が増えてきたら徐々にプランを上げていきましょう。

ただし機能面、コスパ面ともに最強最高レベルですが、唯一欠点がありそれは頻繁にバグが起きることです。

・この行動をした人はこのリストに入れる
・この人にはこのメールを送る

などの簡単な設定でもバグが起きて作動しなかったりします。

問い合わせをしても、「ごめんね、もう大丈夫だよ!」くらいの簡単なノリで返され、同じような不具合が何度も起きているので、しっかり作動してるのか?を常に確認しておく必要があるのが欠点です。

これは今後改善されることを祈るしかありません…。(逆に言えば、この欠点を補うだけの機能性と価格優位性があるということ。)

また海外企業のアプリのため管理画面や問い合わせがすべて英語なので、英語が苦手な人は少し苦労するかもしれません。

管理画面などはGoogleに頼りながら全て翻訳していけば理解出来ないこともないので、時間を掛ければ使えるようになります。これは頑張りましょう…。笑

具体的な使い方を解説!

実際に僕たちが使っている機能などをわかりやすく解説します。

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左のサイドバーにある、

・Campaigns(号外メール)
・Flows(ステップメール)
・List&Segments(条件に合った顧客の分類)
・Profiles(各顧客の状況を細かく分析)

これら4つを主に使用しています。1つずつ解説していきます。

・Campaigns(号外メール)

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中身はこんな感じです。

List&Segmentsで抽出した顧客に一斉に号外メールを送信したり、指定した時間に送信したりが可能です。

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ちなみにメール作成画面はこんな感じです。

文章・画像はもちろん、横線やテーブルなどの応用的なこともすべて直感的に行えるためデザイン初心者でも使いやすいと思います。

HTMLを使用して自分好みのメールにすることも可能ですが、専門知識が無いと動きのあるメールなどは作りにくいのが現状です。(専門知識があれば可能ですが、Klaviyoではサポートしてないとの回答がありました。)

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上記のようにおしゃれなメールテンプレートも52個ほど用意されているので、豪華なメールを送ることも可能です。

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こんな感じで自分なりにアレンジして使用することができます。

・Flows(ステップメール)

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ステップメールはこのような感じで使用します。

上記画像は何か商品を購入したお客様がいた際に、「購入してから2分後にメールを送り、その3分後に更に違うメールを送る」という設定をしています。

ちなみに、顧客が購入後初めて経験する土曜日の何時などの設定も可能ですし、この商品を買った顧客にはこれ・このメールを受け取った顧客にはこれ、などと条件分岐もかなり細かく設定可能です。

・List&Segments(条件に合った顧客の分類)

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号外メールを送るために「どんな条件の人に送るのか?」という顧客の抽出はこの画面から行うことが可能です。

ここでかなり細かく細分化することが可能で、例えば、〇〇/〇〇〜〇〇/〇〇の間に〇〇という商品を買った人などの抽出が容易に出来ます。

ここまで細かく設定できて、顧客データを一括で表示させられる機能は巷の分析ツールでも難しいので、かなり助かっています。

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上記ではすべての顧客データを確認できます。

何時何分にメールを送って、そのメールをいつ開いたか?などもすべて確認可能で、メールが届いた・届いてない問題にも冷静に対処できます。

基本的にKlaviyo内のユーザー行動はすべて解析できるという認識でOKです。

メリット

・月額10万円の国内類似サービスに引けを取らない充実機能(個人的にNO.1の神アプリ)
・月額無料〜数千円で十分使える(価格破壊的に安い)
・shopify完全連携なので、shopify内の行動で配信を調整可能

デメリット

・全部英語(管理画面も問い合わせも)
・細かいバグが頻繁に起きる


Lucky Orange・・・各種分析に使用(DLはこちら)

■選んだ理由

自分たちが必要とする分析機能がほぼ揃っており、しかも無料で利用できるので文句無しで採用しました。

初期セッションなどの情報をGoogleAnalyticsが追えてないところまで、たまに追えていることがあるので、それらのユーザーをLucky Orangeで調べます。

このアプリはなんと言ってもRecording機能が最強すぎます。

ユーザーのEC滞在時の画面をすべて録画しているので、どのページのどこを何秒見たか、どこでスクロールが弱まったか、どこで離脱したかが全部分かるという優れもの。(もちろん決済ページは録画されない)

これでユーザーがECのどの部分を重点的に見るのか?どの部分が不要なのか?を深く理解できるのでECの改善に必須と言っても過言ではありません。

ただし注意点があり、一人ひとりの録画を見ていると異質なユーザーの行動にECを最適化させたりしまうので、視野が狭くならないように全体感を見失わないことが重要です。

そして、上記と同時並行で全体感をHEATMAPなどで常に確認するのがおすすめです。

このような機能を月商100万円前後ならむちゃくちゃなPVを集めていない限り無料で使用できます。

PVの増加に伴い売上が伸びればボリュームに応じて課金が必要ですが、それでも月額数千円程度なのでコスパは最高です。

ただしデメリットというか弱点もあり、それはCVユーザーを50%くらいしか追えないことです。

とはいえ、一部の人たちだけでも確度の高い分析は可能ですし、50%あればCVユーザーのインサイトや行動特徴はつかめるのでそこまで問題じゃないです。

(個人的には管理画面がダサいので改善して欲しいと思っています…笑)

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よく使う機能は、以下の3つです。

LIVE VISITORS(いま滞在してるユーザーの行動)
RECORDINGS(過去のユーザーの録画・各種情報)
HEATMAPS(ヒートマップなど)

1つずつ解説していきます。

LIVE VISITORS(いま滞在してるユーザーの行動)

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現在、ECにいるユーザーの録画画面・ページ・ブラウザなどの情報が分かります。ただ、この機能はそんなに使うことはありません。

「あ!いまレビュー見てる!」
「あ!いまページ閉じた!」

などの不毛な分析にしか使えません。

いま滞在するユーザーに任意のチャットを飛ばすこともできますがこれもおすすめしません。

過去に実験のつもりで「げんきー?」とユーザーにチャットを飛ばしたことがありますが、驚いて離脱されてしまった経験があるので。笑

※ ちなみにユーザーからの問い合わせをリアルタイムで受け付けることが出来るチャット機能もありますが結局使いませんでした。こちらがパソコンを開いている時にしか応答できないのと、実装していた間にユーザーからほぼ質問が来なかったからという理由です。


RECORDINGS(過去のユーザーの録画・各種情報)

上述の通り、この機能が最強すぎます。

ユーザーの滞在中の動きを録画しているので、

・ページのどこを主に見ているか?
・どこを読み飛ばすのか?

などが全部分かるので、サイト設計を顧客目線で行えます。(ホントに超便利!)

HushTugの事例を出すと

・創業までの話をまとめたストーリーページはあまり読まれない
・多くの人がフッターにも興味を示す
・レビューは全部くまなく見る。
・ECサイトの読み込み速度が遅く画像が全く表示されない間にスクロールされて、凝った画像を全然見られてないことが判明

などなどたくさんの発見がありました。

これらのユーザーの動向を細かく分析することで、特に初期のLPOにはすごく役立ちます。

他にも参照元やブラウザ、滞在時間・セッション回数なども分かります。IPアドレスで検索すれば、一人のユーザーの全セッションも見れるので、初期セッション〜購入までのユーザー心理もある程度把握できるようになります。

HEATMAPS(ヒートマップなど)

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EC内、全ページのヒートマップを確認できます。

ただし僕らのECサイトは1ページで完結するLPと違って、上から下まで順に読ませるものではなく、ユーザーの好みに応じて見てもらう部類だと思うので、あまりヒートマップは使いません。

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それよりも、上図のクリック計測をよく使用します。

どの部分が全ユーザーの何%がクリックしたのか?などが直感的に理解できるため、新しいサービスや施策をEC内に埋め込んだときにどれくらい興味を持たれているのか?が測定可能になります。

もしクリックされてなければ、サービス自体に魅力がないのか?それとも場所がわかりにくいのか?などの仮説が立てやすいため改善速度が上がります。

メリット

・多方面から分析できる
・Google Analyticsで漏れた計測もできる(場合がある)
・Recording機能最強(ユーザーインサイトめちゃくちゃ深く理解できる)
・無料から利用できる。コスパが神。
・ヒートマップなども揃ってる

デメリット

・CVユーザーを50%くらいしか追えない
・管理画面ダサい(別にいいんだけどね。笑)

おわりに

以上でECサイト開設編は終了です。shopifyの現状としては日本語対応は遅れていますが、今後日本語対応もしてくると思うから使いやすくなると予想しています。

個人的には日本人向けにshopifyアプリの使用動画がないからYouTubeでやったら儲かりそうだな〜と思っています。やろっかな。

ps

僕たちは大きな失敗を1つご紹介すると、将来的な拡大の事を考えて0からECサイトを構築するためにモンゴル人のエンジニアを採用し100万円以上の開発費を突っ込みましたが『shopify』を使うことで一瞬で全てが解決したので完全に無駄金になりました。

なぜか自社開発にこだわっており、shopifyの安さと便利さを知った時の絶望感は人生の中でもトップクラスでした。笑

おわり

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