不思議の国のアリス杯With木部夏生三段イベントレポート

8月28日

24時間テレビなどが放映されるなど夏の終わりを感じるなか、16名の参加者が町田囲碁サロンに集まりました。 戦いを制し最高の夏の思い出を手にする者を決める戦いが始まりました。

本イベントは予選 スイスドロー固定五回戦 1,2回戦 9路盤5分切れ負け 3回戦 13路盤10分切れ負け 4,5回戦 19路盤30分切れ負け 決勝トーナメント 準決勝 13路盤10分切れ負け 決勝戦 19路盤30分切れ負けで行われました。また、木部夏生三段をゲストでお迎えし予選終了後に本戦と並行して木部先生と芝野によるトークショーを実施しました。
こちらの町田囲碁サロンさんのページで大会の様子の写真を多数あげていただいてます。

今回は新たな取り組みとしてトナメルというスマホ等々のブラウザー上で大会の申し込みから組み合わせの確認や勝敗報告が行えるサービスを利用しました。 初めてトナメルを利用されるかたが多いなか参加者の皆さんにご協力いただきトラブルなく大会が進行できました。

大会中にスタッフ内で印象に残ったのは町田囲碁サロンの子供教室の生徒で最年少で参加している矢島選手がかなり堂々と打ってる様子や木部先生が検討に加わってご指導されてる様子でした。


決勝トーナメント

進出したのはこの四人
予選一位 Sakaya選手 囲碁トレーナー また「ひかるとさかやの囲碁ラジオ」のパーソナリティとしても活動
予選二位 Michael選手 今年7月に来日したばかりのカナダ人科学者
予選三位 豊島選手 理科大囲碁部のレギュラーメンバー 
予選四位 矢島選手 本大会最年少 会場である町田囲碁サロン子供教室の生徒さん

会場の反対側では木部先生と芝野による和やかなトークショウが行われていましたが会場の奥では真剣勝負の決勝トーナメントが始まろうとしていました。

準決勝 白番 予選一位Sakaya選手 VS 黒番 予選四位 矢島選手

対局前にSakaya選手は予選での戦いでの疲労を訴えていましたが矢島選手は若さもあって冷静そうな面持ちでした。
二人は三回戦で13路ですでに対戦しており再び同じルール同じ手番での対戦となりました。

白番中押勝ち
Sakaya選手「龍之介に誘われてさんかしました。とても危なかったインストラクターとして恥ずかしい。決勝も頑張ります!」と話してくださいました。
矢島選手はここまで来れてうれしかったと言いトーナメントから去っていきました。

龍ちゃんの棋譜解説

1譜(1~18)
黒13まで、黒が足早に展開している。白は14から堂々と仕掛けていったが、16からサバキにいかなければならないようでは苦しそう。

2譜(19~44)
黒19では23のアタリを先に決めた方がよく、それなら黒優勢だった。本譜は白26からの攻めが厳しく、黒が苦しくなってきた。白32から左下を固めつつ先手を取り、白44に回って白が優勢になった。

3譜(45~86)
黒は51、61、69と、攻められながらもヨセる手を打ち続け、地合いでも悪くならないように粘っている。白は70から右上の黒の大石をしっかり仕留め、勝ち切った。

決勝 白番 予選一位Sakaya選手 VS 黒番 予選二位 Michael選手

Michael選手は豊島選手を下し決勝に駒を進めました。豊島選手はSakaya選手の大学の後輩にあたります。Sakaya選手にとって後輩の敵討ちの一戦となりました。

白番中押勝ち
142手でMichael選手が長考し思わず「詰碁嫌い」と発言。
143手でSakaya選手も「なんだこれは わからないな 難しい わっかんない」と発言
146手ごろ難解すぎるがゆえに逆に和やかなムードな対局となりました。

Sakaya選手は感想として「殺すことができてよかった。一番印象に残ったこと殺せたこと。勝ちはいしきしなかった」と話していました。

対局後、Sakaya選手とMichael選手はお互いに理系という共通点から意気投合されてました。

龍ちゃん解説

1譜(1~54)
白2,4の両モクハズシから、白14まで中央志向に構えた。黒は29と固く構えて、白の出方を見ようと待っている。白は30から右下に一旦潜り、白40からサバキにいった。黒47は49の左のノゾキ等、白石を重くしに行く方が勝りそうで、本譜は黒47のシチョウアタリから黒49と切っていったが、白50の手抜きがうまく、黒がいまいちとなった。

2譜(55~124)
黒は55から眼を作りに行った。黒77と白78の交換までで生きたと判断し、黒79と右辺を取り切った。白86はやや重く、88のキリを決めてから91にノビる方が良さそう。黒107から仕掛けていき、地合いで負けている白は124から取りに行くしかなくなった。

3譜(125~150)
白28から32とスペースを狭められ、黒は33から中央に眼を求めに行った。白40が決め手となり、黒に生きる手はなくなった。仮に生きたとしても、左下の黒が危なくなっている。さかのぼって、黒27では28にコスむ必要があり、それなら黒が生きていそうだった。

芝野からのコメント

不思議の国のアリス杯感想 不思議の国のアリス杯の大会の運営は今回で4回目となります。学んできたことを活かし、今までで一番良い運営を出来たのではないかと自負しています。 初めての試みとして、サイドイベントのトークショーの開催と、懇親会を実施しました。これらも大きなトラブルなく進行できたので、良かったです。 トークショーは正直、私個人としては若干準備不足であったのですが、お客様の協力もあって、楽しませていただくことができました。 運営に協力してくださった方々、会場を貸してくださった町田囲碁サロン様、参加してくださったお客様方すべてに感謝しております。 私もいつかこの大会に参加してみたいです。 来年度以降のシリーズでまたお会いしましょう。 芝野龍之介

木部夏生三段からのコメント

不思議の国のアリス杯にゲストとして出演させていただきました囲碁棋士三段の木部夏生です。ご参加いただいた皆様、お疲れさまでした。そしてありがとうございました!

プログラムの中では主にトークショーを担当させていただきましたが、空き時間に皆様の対局を観戦するのもとても楽しく、充実した時間を過ごさせていただきました。
大会と言えば、自分にとっては懐かしいものになります。小学4年生で院生になってからは囲碁大会に出れないので、久々に大会特有の少しだけ張り詰めたような空気感を味わえて懐かしいと感じると共に「この感じ、やっぱり好きだな」とも思いました。午後スタートという短い時間の中であれだけたくさんの対局を打てるのは不思議の国のアリス杯最大の特徴ですよね。主催の芝野二段をはじめ運営にかかわっている皆様の工夫で生まれたこの形式は本当に素晴らしいと思っています。休日くらい、朝ゆっくり起きたいですもんね(笑)

トークショーは聞いてくだった参加者の皆様の人柄に助けられ私自身もとても楽しくお話することができ感謝しております。龍之介二段は正直、人前で話すのが得意!というタイプではないと思うのですが、話を引き出すと一言、一つのエピソードそれぞれに破壊力があって掘り下げ甲斐があるなと常々思っておりました(笑)少しでも彼の面白いところが伝わっていたら嬉しく思います。

今後も開催地を転々として続いていくであろう不思議の国のアリス杯が沢山の方に知れ渡ってどんどん大きな大会に育っていくのを楽しみにしています。

木部夏生

今後について

過去の優勝準優勝者を集めた決勝大会を10月30日予定しております。配信を予定していますので参加されない方もお楽しみいただければ幸いです。
また、芝野からもありましたように次のシーズンの準備もしていますので近くに皆様に報告できると思います。
ほかにも皆様にお知らせしたいこともあるので引き続きご支援やご注目のほどよろしくお願いします。

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