「シュート」

どストレートな青春サッカーマンガだからこそ感情移入がしやすくて、試合の描写の手に汗にぎる展開と幕間で行われる群青劇のバランスが良く、感情を揺さぶられながらのめり込んで読んでしまう作品です。各キャラの個性もはっきりしていて、それぞれの想いに胸を締めつけられる想いになります。そうかと思えば、コミカルな展開の味付けもされていて、苦しくなく世界観にのめり込むことができます。その中でも特に好きな展開が硬派キャラの健二と主人公のお姉さんとのやりとりがとても愛らしく感じれます。お姉さんは弟のチームメイトだから姉御肌を見せるのですが、ときにしおらしく、健二はストレートにお姉さんのことを好きとアピールするのですが、あしらわれて、ただじょじょに硬派な男気溢れる健二に惹かれるお姉さんとどんどんカッコよくなる健二がたまらないです。
優勝すると一回やらせてもらえる約束は試合で勝った後にどうなるのかがとても楽しみになる大きい要素です。サイドストーリーだけでここまで展開できているので、メインの主人公トシの話はそれに輪をかけて複雑に胸熱く展開していきます。そんなシュートという作品は年齢問わず青春を味わわせてもらえるとても純な作品です。