じげんさんの記事が面白かったので自分なりに解釈してみました。

本日更新されていた株式会社じげんさんの記事をTwitterで見かけてすごい面白かったんですよ!

面白いものはシェアしたくなる人なので、友人たちに送りつけたところ第一声が、

よくわからんけどすごい!

だったので、素直すぎて笑ってしまいました。
たしかによくわからんよね!でも、じげんさんってM&Aがめっちゃ上手く行っている企業ということぐらいしか僕も事前知識がないので、「よくわからんけどすごい!」って気持ちでした。

ただ、仮にも会計や財務系の勉強をしてきた人間がこれじゃまずい。ということで、何がすごいのか頑張って言語化してみます!
そもそもじげんさんの元記事もかなりわかりやすいのに、それの記事って。。。という気持ちを乗り越えて頑張ります。

1.前提

じげんさんは「新たな財務方針」として下記の方針を公表しています。

■更なる株主価値向上をはかるため、2020年3月期以降、当該年度の会社の所有者に帰属する当期利益から戦略投資額と配当総額を除いた金額を翌年度の自己株式取得枠上限とする方針。

これは、ものすごく端的に言うと
「今後の方針として、自己株式取得が増えやすくなるような仕組みを導入していくよー」
ということです。

なぜ自己株式取得を増やすこと方針にしたのか、なぜこの方針を導入することにしたのか、その背景を本記事で解説しています。

2.財務戦略における「保守的」とは

方針を導入した背景として、上場インターネット企業が『保守的』な財務戦略になっているという懸念を挙げています。

本記事では『保守的』を数値的に証明するため、上場企業12社をサンプルに集計しています。
※詳細な集計方法等、とてもしっかりしていて面白いので、詳細は是非とも記事を参照してみてください!

対象企業のPLとBSを確認すると、利益額とキャッシュ増加額がほぼ同額となっていたようです。これは利益を他に投資していない、『保守的』な財務戦略と言えます。
このような保守的な財務戦略になりやすいのは以下の2つの理由を挙げています。

1.インターネット企業は、製造業における工場のような大きな設備投資があまりないため、再投資先がない。
(もちろん、M&Aとかの非連続的(ある種博打的)な投資にはありますが、事業方針としてM&Aを検討してない企業は投資できなくなっちゃう。。。)

2.大型のM&A案件や、不景気による固定費対策といった、「いざ」という時に備えてお金を残しておきたい。

内部留保というと、「企業の搾取!もっと従業員に還元しろ!」みたいな論調になりやすい部分ですが、こう考えてみると上場インターネット企業において、内部留保が大きくなるのは自然な流れなのかな、と思います。
特にto Cの事業は景気やサービスの当たり外れでかなり経営が上下するので、財務面だけでも保守的になるのは納得感があります。

3.じゃあ、「攻め」の財務戦略って?

保守的な戦略に納得感はあるものの、ただ内部留保を増やしているだけでは効率的なお金の使い方じゃないですよね。
そこで、株式会社じげんでは常に一定の余剰資金を持っている状態(静的なBSマネジメント)ではなく、余剰資金を投資に回し、必要な時に必要な調達を行えるようにしておく状態(動的なBSマネジメント)を実施することを考えているようです。
※動的なBSマネジメントが可能となる背景として、上場インターネット企業においてはキャッシュ・フローの安定的なことから借入金の平均利率が低く、IR活動にも力を入れている企業が多いので、借入での調達(デッド・ファイナンス)や株式等での調達(エクイティ・ファイナンス)がしやすいという環境もあります。

そして、動的なBSマネジメントでの投資先として自己株式取得を増やす方針としているようです。
(なぜ自己株式取得なのかは次回の記事で書かれるようです。)

これは、「たしかに!!!!!!」ってなりますね。

ともすれば、財務面って「安全こそ正義!」となりやすいにもかかわらず、ここで「攻め」の財務戦略を積極的に採用しようとしているじげんさん、すごいやばい。。。

4.まとめ

財務で攻めるという発想そのものが僕の中では新鮮で刺激的だったため、改めて理解をまとめてみました。

最後に会社のSlackに今回の記事を貼ったときの画像を載せて終わります。

すげんです。

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