鬱屈と厭世と食傷と

電車内には鬱屈と厭世と食傷の空気が揺蕩っている。漫然とした日々を過ごそうものなら、自らもその空気に飲み込まれてしまいそうだ。ただでさえ狭隘とした車内に有象無象の人間が乗り込んでくるものだから、その空気も圧縮されている。冬になり気温が下がれば凝縮でもするんじゃないだろうか。その凝縮した液体に触りたいとは思わないが、分留したらどうなるのかは気になる。何の成分が多く採れるのだろう。私は「倦厭」だと予想する。

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