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歴史を愛し、社会人向けにも歴史教育イベントを開催した教育系ベンチャーCOO文学部生

こんにちは、Humans of Meidaiです。

さて今回は、文学部の堀成海さん(以下:堀。敬称は省略します)が、歴史に関する教育イベントを開催した経緯や、興味を持ったきっかけ、現在の活動、歴史の意義、これからのビジョンなどについて語っていただきました。

HM No.5 堀 成海 のプロフィール

名古屋大学文学部四年次を休学中。

現在は、友人である水元陸大が立ち上げた名古屋大学発教育系ベンチャー企業、株式会社FroomのCOOとして活動。過去には「せかいしけいえい」というイベントも開催していた。

勉強のスタートは意外にも...

 歴史が好きな人は、いつから好きになって、どういう気持ちで勉強するんだろうか。素朴な疑問であったが、直接この質問をぶつけてみた。回答は意外なものだった。

「好きだったのは中学生の頃からかな。先生が面白かった、それだけの理由で歴史の授業が楽しみで(笑)そこから歴史そのものにも興味を持って、暇な時は気がついたら教科書読んでたり、資料集を見てたりしたかなってくらい没頭してた。」

と堀は話してくれた。純粋に興味だけでそこまで没頭、集中できるのか...いや、純粋な興味が大きかったからこそ、それだけ没頭できたのか...序盤から考えさせられる。だが、少なくとも堀にとって勉強のスタートは「ただの興味」であったようだ。

その興味は絶えることなく、大学でも学び続けた

 いわゆる「受験期」と呼ばれる時期、堀の心にはある不安があった。

『歴史は好きだ、面白い。けれど、これを続けていて、お金を稼ぐ能力を身につけることはできるのか?大学を卒業したらもう社会人。好きなことだけやっていていいのか?』

そのこと担任の教師に相談すると、

大学は自分の好きなことを学ぶ場だ。働くことだけを考える必要はない。それに、好きなことは必ず武器になる。」

という言葉をくれたという。その言葉に後を押されて、大学でも歴史を学んでいいんだと、自分を肯定できるようになったそうだ。

「せかいしけいえい」

 大学に入り歴史も引き続き学んでいた堀であったが、

「これを自分の頭の中に蓄積していくだけというのも面白くない。それに、歴史にはもっと、そこから得たものを応用して生み出せる価値が何かあるはず。」

そう思い立った堀が考えたイベント。それが「せかいしけいえい」であった。このイベントでは学生から社会人まで広い層を対象に、「世界史の知識」を、「普段の仕事や経営活動、学生生活」に活かす方法を教えたり、議論したりしたそうだ。これにかなり人が集まったことで、

「やはり歴史の知識は、社会にとって価値のあるものなのだ」

と再確認できたという。またこのイベントの開催には、「人文科学は稼げない」という常識めいたものを払拭したいという野望のようなものも実はあった、と話してくれた。

なぜ歴史を学ぶことは大事なのか?

 堀は続けて、歴史の学ぶことの意義についても話してくれた。

「歴史を学ぶということは、国や人の間に見られる関係性や、そこから誰がどう動いたを知るということになる。それを知っていると、自分が何かを判断をしなければいけない状況下に置かれた時、似たような状況を歴史という膨大なデータから引っ張ってきて、そこでどんな行動を誰が取ったのかという情報を参考にすることができる。つまり、歴史を知らない人よりも多くの選択肢を手の内に揃えることができるんだよね」

これを聞いた時、心底「なるほどな」と思った。歴史は今に活かせるということを、堀ははっきり言語化してくれた。この考え方があるからこそ、後に現れる壁をも乗り越えることができたに違いない。

やっぱり世の中、いつ何があるかわからない

 「せかいしけいえい」を無事成功させた堀であったが、言語化できない違和感に悩まされていた。しかし、自問自答を繰り返し、

俺のやりたいことはこれじゃない

はっきりとこう思い、自分の得意なこと、興味あること、強み、を考え探り始めた。そこで出した答えが、「ロードマップを描くこと」だったそうだ。つまり、どうやったらうまくいくか考えたり、進もうとする人に対するコーチングであったり、事業戦略を立てたりすることに自分の強みを見つけたということだ。歴史から選択肢を増やせることを知っている堀にとって、これは間違いなく強みであったのだ。

そんな時、同じシェアハウスに居住していた名古屋大学の教育学部生である水元陸大さんに、

「俺起業したいんだけど、力を借りたい

という話を持ちかけられたという。もともと教師になりたいという気持ちもあったことから、教育系の事業を考えていた水元と意気投合し、起業に向けて歩み始めた。これが、2019年8月のことである。

子供の夢を、「学校の先生」に。

 それから現在までは、事業の収益化モデルや事業アイデアのブラッシュアップ、壁打ち、ピボットを繰り返す日々であったそうだ。小・中学生がたくさんの学びを経験し、自分の将来に選択肢を持てるようにするために、学校とプログラミングスクールなどのマッチングができないかと、現在は試行錯誤しているようだ。

今後のビジョンはどんなものか、という問いに対し堀はわかりやすい表現をしてくれた。

「子どもの将来の夢ランキングの1位が『学校の先生』になるようにしたい。教師というのは今現在、労働環境の悪さなどが原因で子供の夢になることがあまり多くないよね。でもどんな先生に教わったかで、その科目が好きになったり嫌いになったりする。また、教科担任だけじゃなく、担任の先生のあの言葉が自分を救ってくれた、あの先生が相談に乗ってくれて前向きになれた、そんな経験ってあると思う。教師っていうのは、人が育っていく上で、とても重要なポジションだと思う。教育をもっと良いものにするためには、教師の労働環境の改善がまず必要。」

と語った。


最後にひとこと

 自分の中学生時代や高校生時代を思い返しながら、確かに先生ってものすごく大事だよなと改めて思った。加えて、歴史を学ぶことの重要性は、今日からなるみさんを見習おうと思う。ということで本たくさん読みます。


written by Yuya Sodeura

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