「昭和は遠くなりにけり」
イラストレーターの山藤章二氏が亡くなった。
享年、87歳。失礼ながら「まだ元気だったのか」という印象のほうが強いのだが、ニュース記事にも老衰とある通り、大往生と言っていいだろう。
私自身、世代的に「ブラック・アングル」など、全盛期の連載は知らないのだが、筒井康隆氏や高田文夫氏とのコンビネーションの印象のほうが強い。
文筆家にとって、イラストレーターとの相性は命と同じくらいに大切である。星新一と真鍋博。三谷幸喜と和田誠。すぐれた文筆家とイラストレーターはある意味で一蓮托生であり、文字通り二人三脚で作品を世に送り出してきた。
私も20代前半から中盤にかけて、朝日新聞社の医療サイト「アピタル」でコラムを毎週連載していた経験があり、プロのイラストレーターによる挿絵をつけてもらっていたから、イラストレーターとの相性の大切さは身にしみてわかっているつもりである。
残念ながら、「アピタル」での連載は5年ほどで終わってしまったが、もしも奇跡が起きてもう一度どこかの媒体で連載を持たせてもらうことができたら、憧れのイラストレーターとペアを組んでみたい。
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