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言語概説

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北大言語学サークル員による各言語の概説
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#文法概説

古教会スラヴ語の文法概説

文法カテゴリー総覧名詞類と動詞は, 以下の文法上の区別によって語形が変化します. 具体的な変化は記事の最後を参照してください. 性:男性 / 女性 / 中性 個々の名詞に性が付与されており, 形容詞, 代名詞, 基数詞の 1 ~ 4, 分詞は名詞の性と一致する. 数:単数 / 双数 / 複数 名詞, 形容詞, 代名詞, 動詞は数によって語形が変化する. 人称:1人称 / 2人称 / 3人称 動詞の活用に関わる. 格:名詞およびそれを修飾する形容詞, 代名詞, 基数詞

アイヌ語概説 #2 アイヌ語ってどう読むの?

アイヌ語を4回に分けて解説していく記事の2つ目です。できればアイヌ語概説 #1を先にお読みいただいてからこちらを読んでください。#2では発音やアクセントなど音声、音韻論に関わる部分を解説します。 表記と発音ラテン文字表記で用いられる字母とその発音を以下にまとめました(音声はIPAに準拠しています)。音素としてアイヌ語には12の子音と5の母音があります。 字母の一覧とその発音 発音の特徴、注意 有声音/無声音、有気音/無気音および短母音/長母音の区別が一般に認められない

アイヌ語概説 #1 アイヌ語ってどんな言語?

今回から4回に分けてアイヌ語について大まかに説明していきます。主な種本は佐藤知己(2008)『アイヌ語文法の基礎』、田村すず子(1997)「アイヌ語(言語学大辞典)」、Bugaeva Anna(2014)「北海道南部のアイヌ語」です。他文献については参考文献に記します。 初回となる今回は、アイヌ語がどんな言語か知っていただくために、基本的な情報について書きたいと思います。 系統現時点で、アイヌ語は系統的に孤立した言語だとされています。語借用関係にある言語は日本語をはじめ複数