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【きいた】安心ラジオ 超訳・『ルックバック』

憧れの人は眩しいから、暗い夜も道しるべになる

『ルックバック』、私は何度読んでも京本目線で読んでしまう。
藤野に憧れて、藤野に魅せられて、
目をキラキラさせる、京本の気持ちがわかるから。

二人の出会ったシーンが好きだ。
特に「ていうか今漫画の賞に出す話考えてて…」
と藤野がはっきりと嘘を吐くところが好きだ。
藤野は嘘を吐くけど、それを本当にしてしまうから超絶カッコいい。
有言実行だ。
京本は憧れの藤野先生が、家に来たことを知って、
出たくない外に出てしまう。
躊躇する京本に構わず、藤野はばんばん扉を開けていくから、
本当は出たかったけど、怖くて出られなかった外に出ていくことになる。
否応なくコマンドは増え、京本の世界は目まぐるしくカラーな日々に変わったんじゃないだろうか。

もういない京本の部屋の前で、
「描いても何の役にも立たないのに…」
と藤野は言う。
そりゃ、ifの世界からでも次元を超えても、想像に訴えてでも、
「背中を見て」と伝えたくなるだろうなと思う。
あなたの作っていたものは、こんなにも私を照らしていたのだ
あなたの作るものは、これからも絶対にたくさんの人を照らすのだ

セブ山さんの、「部屋の中は外」という表現が好きだ。
光と影の考え方も。
自分のは開かないけど、相手が外に出られる鍵をお互いに持っていて、
出会って交換したりできるのが、人生のおもしろいところかもしれない。

作り続けていれば、いつかまた助けたり助けられたり、
だから一生懸命にやり続ける。
わたしはまた勝手に救われて、世界が少し楽しみになる。

誰かに強く憧れると、足りない自分と対峙することになる。
よくわかってなくて、セブ山さんを追っかけ始めて自分を嫌いになったと
勘違いしていたこともあったけど。
嫌いになったんじゃなくて、もっといい自分になりたいと思ったのだ。
もっといい自分になるためには、セブ山さんが言ってたみたいに、
正しいと思ったことを、信じて一生懸命にやり続けるしかない。

一生懸命、暗中模索、試行錯誤
かつて面倒で避けていた言葉を、
最近よく耳にするし、自分でもよく使う。
誰かに憧れるということを知らなかった、かつての私に、
「もっといい自分になりたくなるよ」
って言ったら「何それ?」って笑って
いくら説明しても信じてくんないだろうな。

これからもセブ山さんに存分に憧れて、勝手に救われるし
がんばってみたりもする(こんがらがったりもする)

超訳・『ルックバック』
最後の一言がすごくすごくすごくうれしかった。

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