熱帯林は20年で78%再生できる 最新の研究で判明(推敲中)

熱帯林がある開発途上国などでは、人口増加にともない農地の確保や木材の輸出のために森林破壊が進み、熱帯林が失われている。

だが2021年12月にサイエンス誌に発表された共同研究チームの研究結果によると、熱帯林は自然に、しかも比較的早く再生できることがわかった。人間が20年ほど手を加えない状態を保てれば、熱帯林が再生する可能性はかなり高いという。この発見は、荒廃した森林の再生に向けて世界に希望を与えるものだ。

その内容によると、回復にかかる時間は、土壌については平均10年、植物や動物の生物多様性は60年、バイオマスは120年だ。この回復は、古い熱帯林の動植物が新しい熱帯林の成長を助ける多次元的なメカニズムによるもの。「二次遷移」と呼ばれる自然のプロセスが働いているそうだ。

熱帯林が自然現象や人為的に破壊されたとき、土壌や種子などの植物体が残っている状態から植物が変化していく過程を「二次遷移」という。

熱帯林が原生林のレベルまで回復する時間は、長くかかる場合と短い場合があるが、平均わずか20年で原生状態の約78%まで回復できると判明した。

環境問題では「未来のため」と語られることが多いが、その未来がいつのことを指すのか曖昧でわかりにくい。その点、「熱帯林の回復には20年かかる」と、具体的かつ想像しやすい期間が示されたことは、非常に喜ばしいニュースと言えるだろう。

二次遷移の「二次林」と自然再生は密接な関係にあり、優先的に二次林を使用するプロセスを導入し、必要な場合に植林していくことが大切である。


                    出典   ELEMINIST

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