しゆさんの教えはこうして生まれる

はじめに

どうしても筆が進まなかった。振り返りの記事を書こう、書きたいとは思っていたが、なぜ書きたいのか、書いてどうしたいのか、がいまいち不明確なままだった。

どうも社会人になってから何かアクションを起こす際にそれがどういう影響をもたらすのか、どうしたいのか、のようなことを考えてしまう理屈っぽい人間になったよう。

というわけでこの記事の位置づけを書きたいと思う。

ここでは対象読者を自分、と設定し、誰かに見てもらう、誰かにこの記事を読んで何か行動を起こしてほしいといったものではなく自分のための自分による振り返り。それをインターネットの世界にパブリックに保管しているだけだ、ということにしようと思う。

振り返り

自分のための振り返りなので導入や背景はやはり不要かと思ったが、後で読み返したときにはてなが浮かばない程度に経緯を残す。

今回やったコーチというのは、20年8月ころからSplathonにて開催された大王戦にて、レートで区分けされた階級のうち王子王女帯(XP22~25程度)での1チームのコーチをやってほしいとの打診を受け、承諾した、というもの。

チームの最終結果としては予選(総当たり)では7勝1負にて1位通過。唯一予選で負けたチームと決勝で再戦し、見事にリベンジを果たした、と言う結果になった。

気を付けたこととその評価

■指導軸を3つ用意した。

格闘ゲームにおける実力には2つの要素がある。一つは地力、もう一つは駆け引き。この2要素はトキド氏の言葉を借りたものである。

地力:相手や状況と関係ない土台の力
駆け引き:相手や状況の中で発揮される「一過性」の力

(努力2.0より)

さらにチーム競技であるスプラトゥーンでは1つ要素を加えてチーム力(チームとしての総力)。この三つを指導軸とした。

初めにチームでの練習を見て(正直コーチをする前から思っていたことではあったが)、このチーム力をさっさとある程度まで上げてしまうのが良いと思った。というのも先に述べた2要素は一朝一夕で身につくものではないし、いくらコーチが指導したところで新たな立ち回りや対面を実践する為にはものにするまでは実力が一時的に落ちてしまうと思ったから。加えて戦う相手も同レベルで組まれているのであれば他チームがチーム力を上げる切る前にあげた方が勝利に直結すると思ったから。そのために最初の課題はチーム力を上げられるような動きを個人個人の単位で課題として伝えた。(とはいったもののほか2要素を完全に省いたわけではなかったが、結局この2要素に関する課題は大王戦開始前から終盤までほとんど変わらず同じ内容を伝え続けた。)

以降試合ごとの振り返りでは3要素のどれが顕著に足りていないか、に応じて指導する内容を変えていった。

余談ではあるがメンバー4人はトキド氏の2軸にあてたときにどの辺にいるかは勝手にマッピングさせてもらっていた。

⇒これはかなり効果が出たと思う。特にチームを組んですぐの試合をしっかり勝ち切れたのはさっさとチームに足りていない要素を伝えたことが大きく寄与したと思う。とはいってもチームの雰囲気を見るにいつか、自分がてこいれしなくても、今の形(大王戦後半の状態)に至るだろうな。その到達を促進しただけだな、と思っていたので、最初の数試合の勝ちだけは自分の手柄にしてよいと思っていた。ので、しゆさんの教えで勝てたと言ってと伝えていたのは最初に関しては本心である。

■悪かった点はできるだけマクロに、良かった点はできるだけミクロに。

試合中のワンプレイレベルのミクロの悪かった点はできるだけ指摘しないようにした。(ワンシーンを切り出して、ホコショットが一発多いとかボムの投げ方が悪い、とかあの場面のSPの履くタイミングが悪いと言ったもの)

先程の話と関連する部分があるが、悪いプレーの修正には改善のための試行錯誤が要る。さらには、悪いプレーをしないために今まではよかったプレイが萎縮して出なくなってしまう場合がある。長期的に見ていくのであれば指摘して、改善を図る方が良いだろうとは思う。ただし今回は短期決戦ということを踏まえ、悪い点はできるだけ試合の流れに影響するような試合の大局的な(マクロな)指摘(ラインを上げきれない試合であれば、後衛は強ポジを取りに行けてなかった、他メンバはそのポジションを用意してあげれていなかった)をするようにし、ミクロな個人のワンプレイでのミスが負けにつながったとしてもそこが負けの原因だった、とは考えてもらわないようにした。(1カウント差で負けた試合での抱え落ちや誤った鉾ルートを敗因視するような振り返りをしないようにした)

代わりに良いプレイについてはできるだけミクロに伝えた。特に結果につながらなかったが、試合に大きく寄与できた(もしくはその可能性がある)動きはそのままダイレクトに伝えた。

⇒今の編成での勝ち方、負け筋のつぶし方は伝えられたと思う。また、大王戦後半に連れて負け試合に対して自分たちで知っている勝ちパターンとの差分をチーム内で言い合えるよいサイクルに持ち込めたと思う。

■指導は方針で

コーチの命令でやってる感じになるのだけは本当に嫌だった。とは言ってもメンバから見たときに呼んだ上に指導してもらってるしなあ、みたいなところはあって、はいコーチ。なんて言うもんだから何度か自分の指導は1意見であって、やるやらんはチームで決めて欲しいと伝えた。が、自分が思っている以上にチームメンバは自分たちの意見を尊重していてただの杞憂に終わった。

⇒ただの杞憂。思い上がってた。

■できるだけその人のレベルでの指摘

XPで区分けされたレート戦、とはいえXP25付近とXP22なりたてではかなりの差があると思う。コーチ当初は試合の対局的な流れや狙いのようなものを全員に伝える回やステージごとの解説みたいなのを用意しようかと思った。(先人コーチの資料を漁ったときにそう言ったものをよく見た。)

が、すぐやめた。先述したような3軸で指導しようと思った際に全員向けに同じ理解度になるような資料を作ることは費用対効果が低すぎると思ったから。(XP 22〜25くらいならこの辺を突くとメキメキパワーを上げれる場合があるとは思う。が今回はXPを上げるといった目標ではなく、目先の勝利を掴むため、であれば短期間で効果が出るものに寄せたかった。ほんとはやりたかったけど。。)

というわけで、3軸に合わせて個人個人で課題を立てた。できるだけその人の目線に合わせたつもりではいたが実際のところどうだったかはよくわからない。特に気を付けていたのは、できるだけチーム力をあげるために、パワーの低いメンバにLv1の課題を与えているとしたら、これからLv5に取り組めるメンバにはLv5に取り組ませるのではなく、Lv1の課題に取り組んでいるメンバが周りにいることを組むことを伝え、フォローするよう伝えた。

⇒勝ててたので結局これも勝つうえではよかったのだろうと思う。上ではきれいごとっぽく書いているが、実際はその武器はよくない、とかその武器でその動きはだめ、みたいな指導になっていて、かなり勝つためのスプラトゥーンによっていたとおもう。とはいっても個人的にはコーチをやるうえでスプラトゥーンはおもしろいぞ、的なことも伝えたいともおもっていたので心苦しい部分はあった。(スプラトゥーンが嫌いになるようなシチュエーションにしたくなかった、のほうが強いかもだけど。。)

■コーチの対価

できるだけ自分の精神状態を保つためにコーチをした際の目に見える対価を用意させてもらった。最後まで同じモチベーションでやり切りたかったし、悪い雰囲気になったときにも自分が介入できるくらいになりたかったから。

⇒うまい店を教えてもらうことをコーチを引き受けることは前提としてあったし、勝つたびにコーチの教えのおかげである旨のツイートを頂いた。これはとても良いものであった。し、最後までしっかりやり通すことができた。

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↑こういうのがいいんだよな。

おわりに

コーチをする際、チームメンバときちんとコーチが入ることでどうなりたいのか、は認識合わせもしくは何をコーチとして取り組むかを決めておくべきだと思った。

コーチとして何を期待されているか。色々あると思う。チームが勝てるようにしてほしい、XPを上げる道筋を立てて欲しいと言ったストレートなものから、指揮をあげて欲しい、スプラトゥーンの楽しさを教えて欲しい、いい感じに取りまとめて欲しい、などなど。

今回のコーチに関して、練習と本番が並行して行われる性質上、かなりチームでの勝ちにこだわった指導をした。この結果楽しいスプラトゥーンを伝える、XP上達のヒントを得る、といった成果はあんまりなかったかなと思う。

結果として勝ちを収められたからよかったものの、もし勝てなかったらと思うと今でも正直ゾッとする。

勝てていたから自分の方針を貫けたし、チームメンバも話を聞いてくれてたのではないかとも思う。

必ずしも自分の伝えた内容が良い方向に出るとは限らない。その為にも結果以外の評価をきちんとできるように準備しておかないといけないと、と思えるよい経験なった。

あと、自分はゲームをするのが好きでスプラトゥーンをやっていることを再確認させられた。(振り返り後に僕の欲求を満たすためにプラベをやれた時とかはとてもよかった。)

コーチを通してとても良い経験になったし、多くの学びを得ることができた。最後にはなるけれども、コーチとして迎え入れてくれたうちだけチームのみなさん、ありがとうございました。

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