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虹ヶ咲2期11話の考察・感想

なぜ果林

果林は1期で一番最後に入ったので、初期の9人の中でスクールアイドルでいられる時間が最も短いです。スクールアイドルを始めたこと自体予想だにしていないことだったから、新しいことを始めることに夢中で、終わりのことなんて考えてもみなかったのでしょう。でもエマと彼方は気丈でした。エマかなと果林の違いは、エマ・彼方がかつて崩壊した旧同好会のメンバーだったこと。彼女らは3年生になってから始めており、エマに至ってはたった一年しかない中ではるばる日本にまでやってきたことから、時間が限られていることへの準備と覚悟があらかじめできていたんだと思います。

皆が希望ある未来へと進もうとしていくなかで、果林は独りで寂寥感と向き合うわけですが、彼女の心境を反映するかのように果林は他の部員から切り離されて描かれます。

特に、エマと彼方は果林の一番近くにいるのに外側にいる。

ぱっと見学年で固まっているのかと思いましたが、固まっているのは初期メンの3年生だけであり、あえて3人を近づけたうえで果林を他2人から切り離していることがわかります。

しかし、果林を心配したエマかなは、境界を飛び越えて、果林のいる区画に入ってきます。

お台場海浜公園

・空と海とレインボーブリッジ

空は輝くための場所です。ステージです。
海は支える側の場所です。客席です。
レインボーブリッジはスクールアイドルです。

レインボーブリッジの支柱は海に突き立っているので、これは虹ちゃんたちがファンに支えられていると読み取れます。レインボーブリッジ(虹ちゃんたち)が、海(ファン)に支えられながら空(ステージ)を背景に輝く、このような構図になっているわけです。

つまり、この景色は狭義では「ライブ会場」、広義では「支えたり支えられたりすることを通じて夢を実現しようとする場所」です。

「レインボーブリッジがステージ」という見方もありますが(未来ハーモニーのMVなどの影響が強い)、僕はそれには懐疑的で、レインボーブリッジそのものがスクールアイドルであると見ています。ステージ自体は空です。鳥(Infinity!Our wings!!、Solitude Rainなど)にしろ、星(stars we chase)にしろ、打ち上げ花火(1期10話、2期10話)にしろ、どのモチーフも、空への志向性を共有しています。

なので、2期11話で初めてしっかりとお台場海浜公園が出てきたのも、この海浜公園から見える景色がライブ会場であることからというのが理由だと思います。海浜公園は、サイコーハートなどでも出てきましたが、本編に直接絡んできたのは2期11話が初です。初の単独ライブを開催することからも分かる通り、海浜公園が出てきた時点でライブを提案するだろうということが示唆されているわけです。

「イマ」の表記

「過去・未来・イマ」というサブタイを初めて目にしたとき、なぜ今だけカタカナなのだろうと疑問に思っていました。全然答えが出ず、ずっとモヤモヤしていたのですが、このモヤモヤこそが答えだと気付きました。イマだけ表記が違うということに対して引っ掛かりを覚えている時点で、相手の術中にはまっていると言うか、「『イマ』が特別なんだ」というメッセージが伝わっている証拠です。そのまま受け止めるのが正解でした。

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