符亀の「喰べたもの」 20240428~20240504

今週インプットしたものをまとめるnote、No. 189です。



漫画

怪物事変」(21巻) 藍本松

人に見つからぬようにこの世に潜んで生きる怪物(けもの)たち。その一つである屍鬼と人との間に生まれた半妖である主人公が、化け狸に拾われて怪物事件専門の探偵社で働く物語。No. 102以来の登場です。

この巻、「漫画の中で最高だと思う巻」ベスト3に入りそうなぐらい面白かったです。マジでハマったときのハネ方がすさまじいな。

序盤の「死んだはずのお前がなぜ生きている」エピソードは順当に面白いですし、中盤の不穏な作戦会議も引き込まれましたが、やはり一番面白いのは、88〜89話の対鉄鼠戦でしょう。合計1話分ぐらいで終わる短い勝負なのに、本当に満足感がすごかったんですよね。

その満足感の理由は、敵役である鉄鼠の感情が豊かすぎることだと思います。戦うと思いきや最初から諦めムード、なのは嘘で勝ち誇りながら逃げ出し、すぐさま罠にハメ返されてビビりながら乗っ取られる。なのに幻覚の中で襲われながらも不屈の心で復讐を誓う。一番面白いのは、その後逆に夢のような幻覚を見せられてすぐ少女漫画みたいなキュン顔になり、漫才のような問答をしつつも快楽堕ちするオチです。こんな感情豊かな敵キャラ、そうそういません。しかもギャグ漫画でもないのに。

それで思ったのが、シンプルに、キャラの感情が動きまくった方が漫画は面白いのではないかという仮説です。できるだけ高頻度に、しかし自然に感情をコロコロ変えるほど、漫画、より極言すればストーリーは面白くなるのではないかと。

まあ雑すぎる仮説ですし、仮にそうだとしても、それを半能動的なメディアでありキャラがいないこともあるゲームにどう落とし込めるのかはまだ不明ですが、とりあえずざっくりと構えられそうな理論の仮説が持てたのは大きいですね。


あかね噺」(11巻) 末永裕樹(原作)、馬上鷹将(作画)

父の落語を聞いて育った娘が、父の至れなかった真打を目指し落語家となる物語。No. 181以来の登場です。



一般書籍

バッタを倒しにアフリカへ」 前野ウルド浩太郎


Web記事


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