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有価証券報告書:初心者向け読み方の基本

今回書いていくものは、主に上場企業が公開している有価証券報告書の読み方だ。学生の身分で書く程度のものだ。就活向けに書く内容であるし、それほど期待しないでくれ。

とはいえ有価証券報告書など、その名前は記憶の隅のシミ程度には聞いたことがあるかもしれないものの、読む気など起きたことがある者たちは此処にはいないだろう。

意識的に「読もう」と思うようなハイレベルジョブハンティングを実践している人間は多分こんな駄文を見る前に、東証一部上場企業に就職して出世コースまっしぐらくらい意識が高い人物だろう。……すみません、適当言いました。

まぁ、それくらいちゃんと情報を得ようとしていることは間違いないと思う。そんな人に、勝ちたいとは思えど、勝てると思っている人も少ないだろう。だが、我々だって同じ人。同じように上を目指すことが出来れば、同じように情報を集めることもできるはず。机の上に四季報がなくとも、ネットで戦場を駆け抜けることくらいはできるはずだ。

ならば、この記事はそんな努力を始めようとする君の一助になればと思いながら書いていくものとしよう。企業の抽象的PRでくたばりそうな君よ、立ち上がれ。

有価証券報告書とは

まず、有価証券報告書とはなんなのか。これは主に上場企業が投資家に向けて公開している資料であり、金融商品取引法に基づいて公開されている。これの基本的読み方が身に付けば、なんと上場企業約4,000社の情報が得られるのだ。

もし、自分で調べてみたいと思うのなら、企業名を入れた次に有価証券報告書と検索ボックスに入れてググれ。大体出てくる。そして、有価証券報告書は主に7つの項目に大別される。

1,企業の概況
2,事業の状況
3,設備の状況
4,提出会社の状況
5,経理の状況
6,提出会社の株式事務の概要
7,提出会社の参考情報

これら7つだ。
そして書いていくのは「1,企業の概況」についてだ。
この項目には、平均年間給与、平均勤続年数、平均年齢の数値が載っている。 まぁ、これらは何にせよ、取り敢えず知っておきたいものたちだ。

実践編:実際の読み方

では今回は、例としてソフトバンクの情報を見ていく。先の検索方法で引っ掛かったページを元に話していこう。

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これが、引っかかったものだ。有価証券報告書というのは四半期、つまり三ヶ月毎に公開されているため、年間4つ出されている。我々は投資家ではないため、こんなもの全部読んでる暇も気力もない。なので基本的に通期、つまり一年分のものを読めばいい。

さて早速読んでいくのだが、2019年3月期有価証券報告書は256ページある。これ全部読むとか吐くだろ。まぁ、これだけあるのは投資家向けという点があるからだろう。我々は就活時に向けてを意識して読んでいこうと思う。目次をみて「従業員の状況」というページを見つける。

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今回は23ページだ。その開いたページのスクショを下に貼っておこう。

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んで、我々が見るべきところは何処なのか。それは「提出会社の状況」という項目だ。分かっているかと思うが、提出会社とはこの場合ソフトバンクのことだな。
従業員数、平均年齢、平均勤続年数、平均年間給与が並んでいるのが分かるだろう。と、ここでワンポイント。従業員数を見てもらえば分かるし、注の2にも書いてあるが、この平均値は臨時従業員を含めているのだ。つまり、パート等も平均に入っているんだな。まぁ注の3より、一部除かれているものもあるのだが。

それから、セグメントを見ると、本業以外の部門まで含めているのが分かる。どこの平均値なのかは、きちんと確認をすることが大切だ。ソフトバンクは、総合職を除いた職種も含めての平均値になっている。

分かっている人も多いとは思うが、企業内でも労働条件は職種によっては異なる可能性が高い。もし、事務及び技術系総合職に就く場合は平均値が自分に当てはまらないことも留意しておいてほしい。

では表に戻ろう。2019年3月期におけるソフトバンクの平均年間給与は約782万、平均勤続年数は12.4年で、平均年齢は39.7だな。総合職であればこんなものではないと思うが、それはまた別の話だ。

ただ、これが尋常じゃなく高額なのではと思うのであれば、少し情報収集をしなさすぎであろう。もう少し努力がいるかもしれん。まぁ、愚痴る時間に数社分くらい知れると思うから言うのだがね。

話が逸れた。戻すとしよう。今話した内容には、注意すべき点がある。それは平均給与や勤続年数は、年によっては意外とブレが生じていることがある。単年ではなく、直近3から5年位は見た方が良い。

ただ、それだけ調べるとするといちいち有価証券報告書を開くのは面倒だろう。自分で、そういった情報が纏められているサイトを探すなりしたほうが効率的だ。因みに、平均値が100万単位で異なる場合もあるらしい。気を付けなければ。

どうして有価証券報告書を読むのか

……じゃあ、有価証券報告書なんて読む意味ないだろ。なんて思ってないよな?有価証券報告書が読めることで初めて、有価証券報告書が出来る限りを知れる。

そもそも、理想としては志望している企業の職種に就いているOB,OGに労働条件を聞くことだ。ただ、それが出来ない人も山ほどいる。大手を目指すFランとは言わずとも、下のほうの大学や都心志望の地方大学生は特にそれが顕著に現れる。そういった人は、多少精度は低くとも利用しなければならない情報がある。寧ろお世話になるくらいの感覚かもしれない。それを理解しておく必要はあると思う。

因みに、有価証券報告書に虚偽記載をした場合、金融商品取引法や会社法に触れ、罰則を食らう。なので、有価証券報告書が確実だとは言えずとも、罰則のない公開情報よりかは信用できるだろう。……当たり前だと思うが、客観的で間違いのない資料があるなんて非現実的なことは皆、考えてないだろう。きっと様々な情報を組み合わせ、総合的に判断を下すことだろう。

番外情報

それから、たまに間違える人がいるが、今回例を挙げているソフトバンクは子会社だ。紛らわしいが親会社はソフトバンクグループだ。事業系統図等を確認をすることが大切だな。これらはたまに就活情報サイトにて比較コラム等があったりするんだが、情報源がおかしい、なんてことがある。

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まぁ、書く側も人間だ。間違えることもある。であれば、受け手のリテラシーが高くなければならないこともある。だから、自分で情報を見ようとすることは非常に重要だ。間違いにも気付けるよう、努力していきたいものだ。

まとめ

今回は企業の概況について書いていったが、まだまだ有価証券報告書から読み取れる情報はある。その会社が倒産しにくいかを健全生指標から察知したりだ。 まぁ、私の書く内容が完全に正しいとも思っていないし、書けるとも思っていない。自分自身でデータを集めて、先行きを知ろうとすることが大事ということが思ってもらえれば、この記事はきっと有用であったのだろう。また評価が良ければ書くかもしれない。

皆も、自分の人生を一つ良いものにしていこう。長々とした文章でしたが閲覧、有難うございました。

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