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創薬のデジタルトランスメーション企業:Schrödinger Incシュレーディンガー(SDGR )について。惚れた!


【注:本コンテンツは2020年12月23日以降に最新情報を踏まえ大幅に改定・加筆しました。】

Schrödinger Incシュレーディンガー(SDGR )って企業、ご存じですか?

ちょっと調べてみてなかなか面白い企業で、私自身もかなり前のめりで投資していますので、私の投資メモを共有したいとおもいnoteにしてみました。

私自身虎の子のリタイア資産の5分の1をSDGRにぶっこんでいますのでかなり真剣に調査しています(笑)。BMOアナリストの長期PL予測等の表などもつけておりかなり希少性の高いコンテンツだと思います、なんたって自分のために調査・検証していますので他とはくらべものになりませんよ。

SDGRは、創薬分野におけるデジタルトランスフォーメーションを主導し、かつSaaS的な安定したキャッシュフローも期待できるという特徴をもち、さらには創薬にからむロイヤルティ収入も今後期待できるといったなかなか面白い企業です。

最近では、ブリストル・マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY)とマルチターゲット創薬にかかる契約を締結したとの報道がありました。これは、複数の疾患領域における治療薬の発見、開発、商業化を目的とした提携になります。

この提携には、シュレーディンガー社の初期段階の2つのプログラムと、未公開の追加ターゲットが含まれています。本契約の条件では、ブリストル・マイヤーズ社は前払い金として5500万ドルを支払い、シュレーディンガー社はマイルストンの支払いとロイヤルティを合わせて最大27億ドルを受け取ることができます。

シュレーディンガーは開発候補品の発見に責任を持ち、共同研究によって生み出された開発候補品の開発と商業化のための全世界での独占的な権利をBMYに付与することに同意しているとのことです。

この報道で注目すべきは、ブリストル・マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY)という世界でも屈指の製薬会社が、SDGR社の創薬分野での能力とそのソフトウエアを評価している点と、時価総額58億ドル前後のSDGRに対して最大27億ドルという巨額のインセンティブ報酬の2点です。

また、ETFとは思えない驚異的なトータルリターンをたたきだし急激に人気化しているARKG ETF(ARK Genomic Revolution Multi-Sector ETF)にもSDGRは組み込まれています(次表のARKG組入銘柄の28位)が、最近、かなり追加で組入れられています。

20201221ARKG組入銘柄

このようにSDGRは最近特に注目されるようになり、それに伴い株価もじわじわ上昇しています。

それでは、前置きはこのくらいにしてSDGRをみていきましょう。

SDGR :Schrödinger Incシュレーディンガーの企業概要

SDGR :Schrödinger Incの企業概要はseekingalphaによれば次のとおりです。

Schrödinger, Inc.は、世界中のバイオ製薬企業や産業界の企業、学術機関、政府機関に、創薬や材料設計を加速するための計算プラットフォームを提供しています。同社は、ソフトウェアと創薬の2つのセグメントで事業を展開しています。このセグメントでは、ライフサイエンス業界および材料科学業界の顧客への創薬用ソフトウェアの販売に注力しています。創薬部門では、製薬会社と共同で、計算機プラットフォームを用いて、前臨床および臨床創薬プログラムのパイプラインを開発しています。Schrödinger, Inc.は、Twist Bioscience Corporation、Thermo Fisher Scientific、Bristol Myers Squibb Companyと戦略的な協力関係を結び、複数の疾患領域における治療薬の発見、開発、商業化を目指しています。同社は1990年に設立され、ニューヨークに拠点を置いています。

上述のように、簡単にいえば、SDGRは、創薬用ソフトウェアの販売を行いつつ、その創薬ソフトウェアをつかって自ら創薬をやっているということです。実際に創薬についての能力・可能性をBristol Myers Squibb Company等に評価されて提携しているという状況です。

シュレーディンガーといえば、理系の方なら、化学というより物理(量子力学)を想起しますよね。なぜ、こんな社名なんでしょうか。モトリーフールによれば次のとおりです。

製薬およびバイオテクノロジーの研究に利用する物理シミュレーションソフトウェアを開発し、販売する企業です。会社名の「シュレーディンガー」は、物理学の思考実験「シュレーディンガーの猫」を実施した物理学者の名前が由来で、彼の「シュレーディンガーの方程式」を解くプロダクトを最初に開発したことから名付けられています。

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次に業界のなかでのポジショニングとビジネス概要をみてみましょう。なんと、バイオ医薬品業界のトップ企業のトップ20がすべて顧客だそうです。これは驚くべきことです。


シュレーディンガー社は、バイオ医薬品業界における医薬品開発のソフトウェア提供会社として大手であり、2018年はバイオ医薬品業界の売上高別トップ20社全てが同社の顧客です。また、世界中の1,250もの学術機関が同社のソフトウェアを利用しています。

で、結局何をやる会社かというと、分子(薬)の特性を、「化学実験」ではなく物理学(社名のシュレーディンガー方程式等!!!)をベースにしたコンピュータの計算で予測(シミュレーション)するということをやっています。

シュレーディンガー社の医薬品開発プラットフォームは、高い精度で分子の性質を予測することが可能です。マシンラーニングや高速データ処理の技術も活用されているこの物理シミュレーションソフトウェアは、膨大な計算量を処理できる現代のマシンパワーにより稼働しています。

シュレーディンガー社の「エッジ」

具体的にシュレーディンガー社のエッジはなにかというと、次のとおりの3つです。創薬の分野で、従来型の創薬プロセスの時間とコストを大幅に削減できるということです。

シュレーディンガー社の医薬品開発プラットフォームは、新しい医薬の発見に関するアプローチにおいて、伝統的な医薬品開発と比べて、スピード、スケール、クオリティの3つの点で優れています。
スピード:伝統的には数週間かかる分子の評価分析を数時間で可能。
スケール:伝統的には1年間で数千の分子の評価分析だが、シュレーディンガー社のプラットフォームは数時間で数十億の分子の評価分析が可能。
クオリティ:外部機関による調査によると、強結合近似の実験において伝統的な方法に比べて優れた結果を取得。

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出所:SDGR IR資料

まあ、簡単にいうと、従来の試験管・実験室ベースでの総当たり・場当たり的に実験で創薬するプロセスをある程度、計算・シミュレーションで効率化・合理化できるということですね。

これはコンピューターの計算速度があがれば、よりコスト・時間の節約が進み正確性が向上します。つまり今後ますますSDGRの強みが生かされる時代となるわけです。

ちなみに、計算科学によりコンピュータの中で薬を創ることをインシリコ創薬というようです。

20201223いんしりこ創薬

出所:https://www.ds-pharma.co.jp

株価の動き・株価パフォーマンス(なんと1か月リターン約38%!!!)

まずはなにをさておき、SDGRのリターンをみてみましょう。もうからない株には皆さん興味がないでしょうから(笑)!!!
長期のリターン実績はまだありませんが、1か月リターンがなんとSDGRは約38%と爆発しています。

20201223SDGRリターン

注:20201223時点、SDGRは、IPO時期の関係から6か月を超える期間のリターン実績なし。

株価チャートのイメージは次のとおりです。当然ながら、ヘルスケアセクターのVHT等と比べてもかなりボラティリティは高いですね。最近、底をつけて、IPO後の高値を取りに行く過程といったところです。

20201223SDGRチャート2

20201223SDGRチャート

出所:yahoofinance、20201223時点

年間・四半期、売上実績・売上コンセンサス(2017FY→2025FY)

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