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学歴ロンダリングの実践2

はじめに

前回の記事では、学歴ロンダリングとは何なのか、どのようなスケジュール感で動けばよいのか、について確認しました。今回の記事では、学歴ロンダリングをする上で検討対象となる大学院(独立研究科あるいは独立専攻、大学院大学)について解説します。

対象とする課程とその理由

日本の大学院は2年間の修士課程(博士前期課程)と3年間の博士後期課程からなりますが、本記事では2年間の修士課程(博士前期課程)に焦点を当てています。(情報収集年は2015年であるため、新しい大学院・研究科など設置されているでしょう。下記記載の大学院・研究科を中心にご自身でも調べてみてください。)

学歴ロンダリングを検討している方の最も大きな目的の一つとして、最終学歴のバリューを上げたいというものがあるでしょう。つまり、学術界で職を得るというよりも、就活戦線を有利に進めて条件の良い企業に就職したいというモチベーションです。
この場合、もしかすると就職先が求めていないような専門性を3年も歳をとりながら、一生懸命磨いてしまうという事になりますので、博士後期課程に進まずに、修士号を取得した後はさっさと就職した方が年齢も若く有利です。

したがって、独立研究科、独立専攻、大学院大学であっても、始めから博士号の取得を目指す、5年一貫制の課程については対象外とします。また、医学系および専門職大学院も対象外とします。

実際は5年一貫制の課程の中にも、2年間で修士号をもらって辞めることもできるところもありますが、途中退学時の周りとの人間関係を考えると心象はかなり悪いものがあります。そういった関係者の方々にも迷惑をかけることにもなりかねないので、5年一貫制課程を修士号取得と共に途中退学することはお勧めしません。

学歴ロンダリングの検討対象となり得る大学院(独立研究科あるいは独立専攻、大学院大学)

さて、前置きが長くなってしまいましたが、学歴ロンダリングの検討対象となる大学院、研究科、専攻はざっくりと下記の通りです。
完全なる文系ですと、圧倒的英語力(TOEIC800以上等)等の学歴と関係のない要件が就活戦線で必要になってきますので、学部が文系の方にも緩やかな理転を図るという意図で、理系と文理学際的なもののみ示します。

国公立

北海道大学大学院
情報科学院/ 情報科学研究院
環境科学院/ 地球環境科学研究院
国際広報メディア・観光学院
メディア・コミュニケーション研究院
国際食資源学院
先端生命科学研究院

東北大学大学院
国際文化研究科
情報科学研究科
生命科学研究科
環境科学研究科

東京大学大学院
新領域創成科学研究科
情報学環・学際情報学府

東京工業大学大学院
環境・社会理工学院

お茶の水大学大学院
人間文化創成科学研究科

東京農工大学大学院
生物システム応用科学府

名古屋大学大学院
国際開発研究科
多元数理科学研究科
環境学研究科
創薬科学研究科

京都大学大学院
エネルギー科学研究科
情報学研究科
生命科学研究科
地球環境学舎

大阪大学大学院
情報科学研究科
生命機能研究科

神戸大学大学院
国際文化学研究科
科学技術イノベーション研究科
国際協力研究科
システム情報学研究科

広島大学大学院
2020年に11あった研究科を統廃合して、4研究科体制となっていますが、新研究科の中身は専攻やプログラムに分かれており、学部との関連性がない専攻やプログラムを探すのは簡単です。例えば、人間社会科学研究科・人文社会科学専攻・国際平和共生プログラムや国際経済開発プログラムなどです。

九州大学大学院
地球社会統合科学府・比較社会文化研究院
人間環境学府・人間環境学研究院
システム生命科学府
システム情報科学府・システム情報科学研究院
統合新領域学府

私立

慶應義塾大学大学院
政策・メディア研究科
システムデザイン・マネジメント研究科
メディアデザイン研究科

早稲田大学大学院
環境・エネルギー研究科
情報生産システム研究科
国際コミュニケーション研究科
アジア太平洋研究科

修士課程(博士前期課程)を提供する大学院大学

学部を持たない大学院大学も独立研究科ですので、主要なものを紹介します。なお、少数精鋭で博士号の取得をフォーカスしている総合研究大学院大学や沖縄科学技術大学院大学と、主に社会人経験者の受け入れを行っている政策研究大学院大学は除きます。

北陸先端科学技術大学院大学
先端科学技術研究科(知識科学系、情報科学系、マテリアルサイエンス系)

奈良先端科学技術大学院大学
先端科学技術研究科(情報理工学、情報生命科学、バイオサイエンス、バイオナノ理工学、物質理工学、知能社会創成科学、データサイエンス)

さいごに

いかがでしたでしょうか。上に紹介した研究科以外にも独立研究科・専攻はあるかと思いますが、学歴ロンダリングをして就活を有利に進めるという文脈では有力な選択肢リストと成り得ると思います。話は変わりますが、大学院に入ったあとは、目的はどうであれ2年間は研究をしっかりとこなす必要があります。
しかし、後悔しない就活をするためにも、就活にそれなりの時間と労力をかけるということははっきりと周りに伝えておき、バランスの良い院生ライフを送ることが最も大事なことです。
次回の記事では大学院入試時に活用した研究計画書の書き方について解説します。
この記事が皆様にとって大学院選択の一助となれば幸いです。

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