theatre katasobi

6/11、私は幻想の世界に迷い込みました。
 
 私の身体は縮尺が変化。野に咲く花々が私を見下ろし、そして遥か天高く見上げる森の木々。ふと、風に運ばれる『何か』に気づく。私は追う。『何か』が舞い降りたそこは、植物の根や木の畝(うね)に形作られた、人の世界で言う『劇場』でした。そこに現れたのは…。
 人。いや、人型の花。花の民。花の民は舞い降りたものを拾います。それは…手紙。 
 楽器を抱えた花の民は、もう一人の花の民にそれを渡しました。受け取った花の民は、また来たかという顔で手紙を読みました。花の民同士が森の外の世界を綴り、風に乗せて送り合う手紙。『拝啓、花々。』

第一章 朝
月はまだそこに、edibleflower
両曲とも2022ver.で、とても新鮮だったし上手く纏まっているなと思いました。夜のまどろみから覚めるか覚めないかの間の独特な時間をより感じる事が出来ました。

第二章 夜
一番星、夜一夜
心落ち着く、緩やかな静けさがそこにありました。新しい曲一番星は、もっと何度も聞き直したい優しい曲、夜一夜は何度聞いても心静まります。

第三章 love hate
結露、鵺、羊
結露、羊はいつ聞いても曲の中の『彼女ら』の姿が鮮明に浮かびます。愛した人、愛する人への思いの美しさを感じます。鵺、好きな曲です。悲しい曲だけど、立ち上がろうとする強さも織り込まれている。力が湧きます。

第四章 fight
砂漠の商人(ギターソロ)、wolf、鐡
魂がもっとも熱くなった瞬間でした。歌もギターももっとも燃えていた瞬間に思いました。wolf、より力強く気高く仕上がっていました。鐡、暗い過去、弱い自分、まだ見ぬ未来を切り裂く漆黒の刀身の様でした。

第五章 懐古
涙が溢れるの、ブリキのハート
どちらも好きな曲です。涙が溢れるの、この曲は何故かいつでも浮かぶ曲になっているほど、歌詞に描かれている世界観に強く惹かれています。ブリキのハートを聞くと、包まれ感を強く感じます。

第六章 芽吹
baby's bress、拝啓、花々。
baby'sbressは新曲で、私の母もこんな思いで私を産んでくれたのだろうかと、芯に考えさせられる、優しい大きい素敵な曲です。拝啓、花々。独り立ち。孤高。そんな言葉が浮かぶ曲。力強く生きようと思える曲。

第二章、第三章、第五章、第六章で手紙が読まれました。それぞれ各章の楽曲を彷彿とさせる、とても短いけど重みのある手紙。見事な彩りでした。

拝啓、花の民。
幻想の一夜をありがとう。

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