十二人の怒れる者たち

 3月21日、推しの演者さんのお誘いもあって見て来ました。以前、今回とは別の団体様の公演を配信で見た事はありましたが、この目で見る事になりました。

 とある事件の被告の少年を十二人の陪審員が各々の意志をぶつけ合い、有罪にするか無罪にするかの白熱の討論を展開する物語。
 劇場のセッティングの工夫もあって、熱い議論をひしひしと体感する事が出来ました!
 
 初日でありながらもう何度も演じられて来たかのような十二人の仕上がりに魂が揺さぶられました!そんな中ひときわ印象に残ったキャラがいます。以前の公演で正直『このキャラ要るん?』て感じるほど影が薄かった『陪審員6号』さん。この公演ではキャラクターがとても掘り下げられ、作り込まれ、それに合わせてセリフもかなり追加され、しっかり物語の一員となっていました。あとで知ったのですが、このキャラの演者さんが、自ら性格や思考を組み立て、脚本の方に認められ完成されたそうです。波田地綾奈さん…グレイト・オブ・グレイト!

そして実は…
この作品は…
私にとって『身につまされる作品』
でもあるのです。
私はかつて自分の妻を…悪としました。
自分が派手な生活したさに借金をかさねた挙句、息子に劣悪な食事をさせていた事に私が気づき、この日私は妻を悪としました。
 いじめられて育った私が唯一本心から心を許した妻に心を壊されてしまった私は死ぬ事ばかり考えていましたが、屈託なく私にくっついて来る息子と、純粋に夢を信じ追う皆様から息吹をもらい今まだここにいます。

 劇中に何度も登場した合理的疑問。私の判断は…息子の為に、一家の大黒柱として、理にかなう決断だったのか?この作品を見るとそう思える部分もあるのです。

 私事を語ってしまいすみません。これほど人の内側に響く作品を、見事な完成度で演じられた演者の皆様、そしてそれを支えたスタッフの皆様。
 私が私を思い返す時間を下さりありがとうございました!このパワーを維持して、千穐楽まで駆け抜けて下さいね!

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