見出し画像

【Sample Theme】新卒について

4月入社の新卒経理部員は「放置」されてあたり前


1.なぜ放置されるのか?

3月に学校を卒業して採用された企業に入社した新卒社員がちまたに溢れるこの季節。

見た目もフレッシュで、スーツを「着せられている感」がなんともいえず微笑ましいと感じます。

さて、そんな4月もすでに半月が経ち、そろそろ5月病の兆候が見え始めた気の早い方も多いのではないでしょうか。

特に「経理部」に配属された方は「放置されている」と悲観していることと思います。

では、なぜあなたは放置されているのでしょうか?

その理由はあなたが「無能」だからでもないし、ましてや「ハラスメント」でもありません。

ズバリ、決算のまっただなかだからです!

経理にとっては一年で一番忙しい季節、とても新人さんに仕事を割り当てたり、指導したりという余裕なんてありません。

もちろん、私のように実務経験も職務経歴もベテランの域に達している(?)職人経理マンにとっては、いつ、どのタイミングで入ろうとなんなくこなしてしまいますが、実務の経験やコツ、感のようなものがないといくら学校で学んだり資格を持っていたとしても即戦力として活躍するのは不可能です。

なので、まずは放置されている状態は「正常」なのだと思って悲観せずに読み進めてください。


2.いつまで「放置」は続くのか?


あなたの会社がどの程度の規模かにもよりますし、場合によっては子会社か親会社かでも異なります。

上場会社なら単体決算が終わったタイミングで連結決算が始まり、並行して税金計算も始まります。

それが終わると申告業務、有価証券報告書などの開示資料の作成や総務などと連携して株主総会の準備も始まります。

そのため、長い場合だと5月下旬くらいまで放置される可能性があります。特にコロナ禍でリモートワーク対応を強いられている新人経理部員にとっては、4月からほとんど仕事らしい仕事もないのに、このままゴールデンウィークに突入してしまうのではないかと不安を抱えてしまっていることでしょうが、その不安はまだまだ続くことになります。


3.「放置期間」にすべきこと。


経理規定があるのであれば、内容を読んでおくことです。

また、日次や月次の経理処理がどのような流れで行われているか、スケジューリングリストなどあれば、会計システム上の仕訳と見比べながら自分なりに理解しておくことが必要です。

これをしておくだけで、あとで先輩や上司に質問するときに質問の質が変わってきます。

「お、こいつわかってるな!」と、評価の感度があがります。

経理課長をしていた経験から言わせてもらえれば(偉そうですみません)、例え年上でも調べもせずに質問してくる人はすぐにわかりますし、やはり1から教えるのは面倒くさいと感じてしまうので「いいです、私がやりますから」とつい言ってしまいます。

会社の月次の経理でどんな仕訳を入れる必要があるのか、どういう流れで進めているのかは自分なりにでいいので、できるだけ情報を整理しておきましょう。


4.プラスアルファの知識を求める貪欲さ。


日本の「会計」が大きく転換したのは2001年のこと、今の企業会計基準委員会(ASBJ)が設立され、日本の会計基準は目まぐるしく進化してきました。

そのため、ベテランと言われる年配の経理職員でもこれらの変化に十分に対応しきれず、本当に理解して会計処理をしているか怪しい人も多々います。

そのため、新人とはいえ職務を遂行するために必要な知識は自分で学び、身に着けるという貪欲さも必要です。

とはいっても、会計監査六法をいきなり読むのは正直無謀ですし、そもそも何が書いてあるのかよくわからないと思います。

まずは、税理士試験の「財務諸表論」のテキストなどを読んでみることをお勧めします。会計公準、会計原則といった基本的な考え方からはじめ、少しづつ会計基準を理解していくことは「放置期間」が終わったあとの実務においてとても役に立つはずです。


いかがでしたでしょうか?
これを読んで、多少は目の前のもやもやとした不安は晴れたなら幸いです。
新しい門出に立ったみなさんの今後のますますのご発展を祈念しております。

※作業時間32分、文字数1655文字(タイトル含む)
「新卒」という切り口はいくつか考えられますが、今回は「経理部に配属された新卒のよくある不安」という視点で構成しております。
企業の総務・経理に関する紹介記事などは実務経験がないと専門用語などのヒアリングが難しいケースもありますが、私の場合はマネジメント経験も長いためより掘り下げて引き出すことが可能です。
また、国立大学会計大学院に在籍していたこともあり、内容を理解したうえでわかりやすい記事に仕上げます。
写真はフリー素材を使用しております。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?