最新論文:コロナワクチン後の心筋炎 NEJM2021/12

コロナワクチン接種後の心筋炎が世間に知られるようになり、ワクチン接種後に「胸が痛い、胸の違和感がある」などで受診、相談が最近多いので読んでみました。

・イスラエルからの研究
・5,442,606人が初回の接種、5,125,635人が2回目の接種を受けた
・BNT162b2(ファイザー)を2回接種 94%(day 21で2回目を接種)
・初回接種から≦21日、2回目接種≦30日で発症した心筋炎をワクチン関連の心筋炎としたところ136人で診断された

○発症率
・発症数 1.76人/10万人
・男性 3.19人/10万人
・女性 0.39人/10万人
・最も多い人口が男性の16-19歳 13.73人/10万人
・2回目接種後7日以内が多い

○重症度
・129/136人は軽症(94.8%)
・1人のみ劇症型心筋炎で死亡

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○症状
・胸痛81%
・息切れ6%
・発熱9%
・心嚢水貯留20%

○ECG
・正常21%
・STE52%(びまん性47%、部分的5%)
・T波変化18%

○血液検査
・TnT上昇100%
・平均CK値 487

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★まとめ

・頻度はかなり稀
・ワクチン2回接種後7日以内の若い男性がなりやすい
・胸痛が多く、何らかの心電図変化80%、TnT上昇100%
・ほとんどが軽症

★考察

・ワクチン接種後すぐ(特に2回目の1週間以内)に胸痛などの症状があれば、スクリーニング的にECG、CK、TnTをチェックするのはありかもしれない

・上記検査が異常であり、若年男性であれば疑いがより強まりそう(高齢者であればASCとしての対応となるでしょう)



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