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予測回収率のよくある誤解(オッズが変動しても予測回収率は変わらない)


●「予測回収率」のよくある誤解

回収率予報では「予測回収率」という数値を公開しているのですが、この予測回収率に関してよく誤解されてしまうことがあります。それは、
オッズが変動することで予測回収率が変わってしまうのではないか?
ということです。

まず結論ですが、当予報は原則レース前日に公開され、その時点で「予測回収率」が記されています。その
「予測回収率」は、公開後にオッズや人気順が変動してもそのまま変わりません

例えば、予報公開時に単勝オッズ5.0倍の馬の予測回収率が100%だったとします。レース直前にオッズが6.0倍に変動していたとしても、やはり予測回収率は100%のままとなります。

同様にオッズが5.0から6.0に変動しても、予測回収率が100%から120%に変わる訳ではありません。逆にオッズが5.0から4.0に変動しても、予測回収率が100%から80%にダウンすると考える必要はありません。
予測回収率をご利用の際にはご注意ください。

●オッズが変わっても本当に予測できるのか?

本来、回収率とは「配当金額」÷「購入金額」で求めるものです。配当金額はオッズで決まりますから、オッズが変われば予測回収率が変わるという考えは自然なことです。
では、本当にオッズが変化しても「予測回収率」は変わらないのでしょうか?

まず理屈の前に実績を見ていだければと思います。

2020年8月15日~2024年4月28日の194週間(約4年間)で、前日公開時に予測回収率100%となった馬は14,254頭でした。そのうち中止が76頭、1着が1,153頭で、[10,000÷単勝オッズ]で単勝を購入した場合の実績回収率は98.1%でした。

また、今年1月~4月の17週間では、予測回収率100%が1,229頭で、実績回収率は103.8%でした。

当然のことですが、実績回収率を計算する上での単勝オッズは最終的に確定したオッズです。

私は統計学に詳しくないので、この結果を数学的に正しく判定できないのですが、実績としてこれだけの件数があれば、予測できていると言って支障はないのではないでしょうか?

(予報を購入していただいた方々に対しては、100.0%を超えていないことを心苦しく思っております。)

●オッズが変化しても予測回収率が変わらない理由

なぜ予測回収率が変わらないのかを一言で言えば、予測回収率を算出する上でオッズを使用していないからです。

ある馬の予測回収率を算出する場合、様々なファクターを使用しています。
例えば、馬齢、性別、前走の着順、前走のタイム、などなどです。
詳しくはこちらを御覧ください。

使用ファクターにオッズはなく、つまりオッズを見ずに回収率を予測しているということです。

回収率を予測する手法として、その馬の勝率を予測しオッズと掛け合わせて算出する方法があります。つまり、
「予測勝率」✕「オッズ」=「予測回収率」
ということです。

例えば、まずある馬の勝率を予測してそれが5分の1(20%)だったとします。その馬の単勝オッズが5.0倍であれば予測回収率100%ですし、4.0倍であれば80%と計算できます。
この算出方法では当然、単勝オッズの変動により予測回収率が変わります。

私の開発した予測ロジックではこのような計算はしていません。
そのため、オッズが変化しても予測回収率は変わらないのです。

●当初は単勝オッズも予測ファクターに使用していた

単勝オッズはその馬の予測をする際にとても有用なファクターになります。私が回収率を予測するロジックを開発する際にも、当初は単勝オッズを使用していました。
その場合、正確な予測をするために、できるだけ正確な単勝オッズ(最終的に確定した数値)が必要です。

そこで、レース締め切り30秒前にオッズを取得して計算し、すぐさま馬券購入するシステムを作りました。
ところが、現在の競馬はネット購入の普及でレース直前の購入額が大変多いものです。ですから、締め切り30秒前のデータであってもオッズが大きく変動してしまう事実がありました。
それ以上はどうしようもなく、仕方がないことだと考えていました。

●発想の転換

ある日、考えを大きく転換しました。

オッズが分からないのであれば、使用しなければ良いのではないか?

もし使用しなければ、30秒前よりずっと前に予測が可能になる。単勝オッズは重要なファクターですので、使用しない決断は簡単ではありませんでしたが挑戦することにしました。

また同時に、レース当日に発表されるファクターである天候、馬場状態(重馬場など)、馬体重も同様に使用をやめました。馬体重は前レースの馬体重で代用できましたが、天候と馬場状態は使用をあきらめました。

その分苦労も多かったですが、なんとか現在の予測ロジックを構築することができました。
これにより、前日の公開の道が開けましたので挑戦してよかったと思っています。

●予測回収率が変化するケース

実は、前日公開後に予測回収率が変化するケースもあります。
出走馬や騎手が変更になった場合です。
ただ、発生件数が限られていることとと、再計算しても予測値はわずかに変化するだけですので再度の公開はしておりません。

なお、上記の予測回収率の実績は、出走馬や騎手が変更された場合でも、あくまで前日公開した数値で算出しています。

●買い目の計算には単勝オッズを使用しています

予測回収率とは関係ないのですが、公開する情報には「買い目」があります。その購入金額を算出する上では、データ取得時点での単勝オッズを使用しています。

また、私がレース後に公開している実績回収率では最終オッズで購入金額を計算しています。そのため、ウマニティやレジまぐでの実績回収率と、私がレース後に公開している実績回収率にはズレが生じています。

このズレは無くしたいのですが、どうすることもできません。ただ、長期的にはどの実績も同じ値に収束しますので、大きな問題ではないかと思います。

説明は以上になります。
私の予測回収率について少しでもご理解いただけると嬉しく思います。
よくある誤解を解消したく記事を作成し始めましたが、関連して色々と書いてしまいました。
長文のお付き合いありがとうございました。


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