Beginning Tomorrow(天道輝)の雑感 副題:偶像と輝とわたしP
私は天道輝のプロデューサーである。
プロデューサーというのは、アイドルマスターシリーズに共通するファンネームで、
天道輝はアイドルマスターSideMに登場するアイドルだ。
アイドルマスターは基本的にゲーム展開を主軸としており、SideMも例外ではなかった。7月で全てのゲーム展開が終了したが…。
SideMのアイドルがプレイアブルとして登場するゲームは4つある。
・モバゲー版(モバエム)
・ライブオンステージ(エムステ)
・ポップリンクス(ポプマス)
・グローイングスターズ(サイスタ)
この内ポプマスは現行のアイドルマスターシリーズが一同に会するお祭りゲーだったが、
それ以外はSideM単独のタイトルである。
私は特にモバエムに重きを置いているプロデューサーだ。
短いストーリーや台詞から人物の存在を浮き彫りにする手腕に感心するばかりだった。
ストーリーでアイドルの活躍を見守り、頑張って手に入れたカードで台詞を味わう。
その中にはプロデューサーに向けた厚い信頼の情も含まれている。
そんな世界と触れ合える日常が、私に単なるファンネームを越えたプロデューサーという自負を与えてくれたのだと思う。
サービス開始日にプレイを開始し、天道輝を選んだその日から、私はずっと天道輝のプロデューサーなのだ。
天道輝は明るくポジティブで情熱的な人物だ。
自己紹介の台詞は「アイドル界の一番星になる男だ!」
また、28歳の元弁護士という経歴のため、冷静で知性的な面もある。
そんな彼を名前にちなんで太陽だと評する人が多い。
しかし、(もちろん解釈は人それぞれなのだが、)私は彼を太陽だとは感じない。モバエムで見てきた彼は、多くの人が思っているよりも不安気で自信がなさそうに見えた。
そのギャップが、私がプロデューサーとして支えたいと感じた彼の魅力である。
むしろ、彼が目指す"星"こそが天道輝を表すのに相応しいと感じている。
ただ、天道輝のプロデューサーではない人が、彼を太陽に例えているのを見るのはあまり嫌ではない。
解釈違いと言えなくもないにも関わらずそう思う理由を考えていたが、
2023年9月28日にリリースされた彼のソロ曲「Beginning Tomorrow」で答えが掴めた気がしたので、楽曲で得た感情と共にここに書きたいと思う。
偶像としての天道輝
9月28日にリリースされたのは49ELEMENTS(エレメンツ)というシリーズのCDであり、
天道輝が所属するDRAMATIC STARS(ドラスタ)のユニット曲とソロ曲が収録されたCDである。
エレメンツのソロ曲は、アイドルとして成長した彼らの姿が描かれている。
天道輝も同じく。
大人の魅力が存分に散りばめられた男性アイドルらしい曲と、表現力の増した歌声は、天道輝の成長を存分に感じさせてくれた。
その中で意外に感じたのは"星"と"太陽"が並列に配置されている歌詞だった。
ドラスタの楽曲で太陽という言葉が登場することは少ない。というか、朝を表すものとして1回出てきただけである。
対して星は幾度となく使われてきた。
彼ら自身を表したり、彼らが目指すものだったり、 使われ方は様々だ。
この歌詞で浮かんだのは、
ただの人間だった天道輝(星)からアイドルとして成長し、偶像視されるようになった天道輝(太陽)の姿だった。
輝が太陽と評されることに嫌な気持ちを抱かない理由はこれだったのだ。
担当アイドルが偶像視されて好まれているのは当たり前に嬉しい。
そして、太陽という偶像を身に纏う天道輝を何よりもかっこいいと感じている。
モバエムと輝とわたしP
以下はただの自分語りなのだが、
モバエムが終わってからずっと暗くぼんやりした気持ちがどこかにあった。
それをXではプロデューサー自我が泣いていると表現していた。
モバエムで輝と8年一緒に過ごしたプロデューサーだという自我が強いため、私のプロデューサー自我はずっと暗い場所にいた。
ファンコン(SideM初の3Dライブ)は筆舌に尽くしがたいほど感動したし、
芋掘りスターズ(ポータルサイトで公開された寸劇)も大好きだ。
しかし、プロデューサーという役割を担わせてくれるのはあくまでゲームだった。
主にモバエムで、エムステやポプマス、サイスタも含まれる。
それらから切り離された今、
私のプロデューサー自我は輝と離れ離れになって暗い場所で死んでいくのだと思っていた。
そこに突然光が差した。
これは大サビの始まりの歌詞なのだが、
ボーカルから始まる大サビの転調という一番印象に残るところにそんな歌詞があった。
強く響く歌声と歌詞に、暗がりが照らされたのだ。その光は星というよりも太陽と呼ぶのが相応しい眩さだったと思う。
ずっと一緒にいたアイドルが成長し、死を待つだけだったプロデューサー自我を救ってくれた。
一緒に過ごしてきた輝は"ここ"にいるし、その輝が纏う偶像としての彼が暗がりを照らしてくれる。
きっと暗い気持ちは消えないけれど、
ずっと一緒に歩んでいきたい
行けるはず
こんな風には終わりたくない
仄暗い場所で漂っていた感情を言語化する勇気が持てた。
これは歌い出しの歌詞で、
輝ががむしゃらに努力して掴んだ弁護士の道を捨てることになった表現だと思うが、奇しくもSideMの現状にも重なるような気がしている。
モバエムが遠く離れた過去になっても、
いつかSideMがそうなっても、
天道輝は"ここ"にいて、その光は私をずっと照らしてくれる。
そんな未来を信じている。
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