音楽記号が分からなくなった日
私の人生には音楽があった。
小学校の時の音楽祭ではソプラノアコーディオンを担当し、合唱も大好き(中学校ではソロも歌わされた。私はまんざらでもなかったが、なんでだろうとは思っている)。中高ではクラリネットを吹き、吹奏楽とジャズを嗜んでいたりした。なにより、6歳から中学校卒業まではピアノを習っていたり。
とかく、野菜は音楽が好きだった。
そして、人並みに得意だった。
今でも私の人生にはまだ音楽がある。聴くのが好きだ。歌うのが好きだ。記憶と音楽が結びつくくらいに、私にとっては音楽はとても大きい。
だけれど、ある日、私は冒頭の問1に出会った。
そして、分からなかった。
全てに聞き覚えはあったんだ。アンダンテ、モデラート、アレグロ。だけれど、その意味が分からなかった。迷ってしまった。シャーペンが止まった時に、自分の中でも少しだけ衝撃を受けた。
かつて、毎日これと向き合っている時期があったはずなのに。
少し離れてしまえばこうなのかと。
なんだかなんとも言えない気持ちになって、でも、毎日楽譜に向き合っていた時期を、どうにか眩しく思い出したりした。
また音楽がやりたいな、と思った。クラリネットでも、別の楽器でも、楽器が無くとも。
なにせ、別に失ったわけでもない。身に着けた音感は、今でも健在だ。…
…多分。
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