女の子は猟奇的
「あはは。痛そう~!……あぁ、帰ってきてたの。おかえり。料理作ってあるよ。食べる?お風呂でもいいよー。疲れたもんね。」
「そうそう、あの芸人さん面白いよね~。いっつも、痛そうなビンタをくらってるの!可哀想だよね~。」
「なぁに?立ち止まってないで、入っておいでよー。ここ、君の家でしょ?」
「うんうん。わかってんじゃん。私はこの家の人間じゃなくて、勝手に入った不法侵入の女の子ってことくらい。」
「警察?無駄だよ。君、今日スマホ、仕事に持って行ってないもんね。うんうん。だって、私が持ってるもん。」
「外出て警察呼ぶ?そっか。そういうことするんだ。ちょっと計画早いけど、ごめんね。」
【間を空けて】
「痛い?そうだよね。痛いようにしてるもん。どう?逃げる前に、背中にナイフ突き刺された気分は。……おっと。正常な判断ができるみたいだね。そんな声で叫んで助けを呼ぶなんて。まるで殺人映画みたい。」
「ごめんだけど、ちょっと口失礼。大丈夫。叫べないだけだから。もう一回は刺さないよ。え?刺して欲しいの?わかった。もうちょっと楽しみたいから、次はお腹にするね。」
「なぁに?無駄だよ。どれだけ君が、私のナイフに抗おうが無駄。一度刺さった刃は君の身体を蝕むの。こうやって抉れば……ほぉら。あはは。痛そう~!」
「もごもごうるさいから、やっぱ、その口刺そうか。」
「あーあ、もう死んじゃった。早いなぁ。いいね。人間って、脆過ぎて。」
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