漫才たのしい

今日の朝、「ぺこぱがM-1のエントリーをした」というニュースがファンの間を駆け巡っていることに気がついた。

昨年のM-1で3位の成績を収め、そのキャラクターと芸風も手伝って見事テレビの世界の仲間入りを果たした。
私は、キャラ芸人を提げてM-1で最終決戦まで進んだ他事務所芸人と言うことで、「オードリー」と「ぺこぱ」をいつの間にか重ね合わせていた。

2008年のM-1後、オードリーは春日さんを中心にテレビに出始める。正直その時私はあまりお笑い芸人に重きを置いてテレビを見ていなかったので、オードリーをちゃんと認識したのは2009年のオールナイトニッポンからだ。それまでのオードリーのことはわからないのだが、唯一わかること、それは2009年のM-1には出なかったと言うこと。
まぁ理由は明確で、「M-1のネタを超えるネタができないから」
オードリーの漫才は発明だった。「ズレ漫才」という新たなシステムを生み出した。でもそのインパクトがデカすぎて、それ以上にウケることは、特に翌年のM-1では絶対にできない。しかもM-1を目指す漫才師は舞台でたくさんネタをかけて、お客さんの反応を見て微修正を重ねてM-1に臨むのだ。テレビに引っ張りだこの状態だとまず舞台で漫才をやる機会は全然ない。だからオードリーはM-1に出ても勝ち目はないし、出て微妙な点数を取って微妙な感じで終わるよりは、出ない方がいいと判断した。

ぺこぱも正直上記の理由から、今年のM-1は出ない方がいいと、私も思っていた。
その中での、M-1出場、オードリーも番組で、「今年は出なくてもいいんじゃないの?」と言っていただけに、まさかと言う感じだった。確かにシュウペイさんは「楽しかったから出たい」「純粋に悔しかったから出たい」とか言っていたが、上のブログにあるように松井さんは出なくてもいいかなと思っていたようだ。

だが、今年はいつもの年と少々事情が変わってしまった。
そう普通の1年なら、M-1ファイナリストに待っているのは、テレビだけでなく、たくさんの学園祭・ショッピングセンターなどの地方営業で、ネタをやる機会は死ぬほどある。
だが今年は、お客さんの前でネタをする機会はない。まぁ、もちろん、徐々にお笑いライブは復活しつつあるが、売れっ子のぺこぱが出るわけもなく(そう言うところでウイルスもらうわけには行かないし多分事務所が止めていると思う、し、そもそもテレビ忙しすぎて無理)ぺこぱが漫才できるのはテレビと本当にわずかな営業のみ。漫才をする機会がそもそも全然ないのだ。

松井さんのブログにはこうあった。「M-1でいい点数を取りにいくのではない、漫才をやるためにM-1に出場する」(意訳)
確かに、今のぺこぱにとってはM-1に出ると言う目標がない限り、漫才に向き合う機会がなくなってしまう、そんな世の中。
漫才をやる機会が少ないなら、作ればいい。
だったら、M-1という「漫才」をたくさんの人に見てもらえるコンテンツに参加することに意味はある。このご時世だからこそ、『M-1』に出るのだ。

ぺこぱには、M-1で漫才を楽しくやってもらいたい。