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名前のない感情に無理に名前をつけなくて良いように

もうわからなくなってしまった。


最初からわかってなんていなかったけど、
もうわかりたくもなくなってしまった。

わからない。
なにがわからないかもわからない。

自分が自分を蔑ろにした数だけ
鏡に映る自分が醜くなる。
耐えられない。
自分が自分を愛せなかった日々の
生き延ばしの甘やかしで
私は美しくなくなっていく。

自暴自棄になって
一生に一度は、と思って始めたメイド。
源氏名は“好きだけど見たことのないアニメ”の
一番好きなキャラクターから貰った。

ストーリーは知らないけれど
歌っているその子が好きだった。
美しいその子が好きだった。
戦乙女、ワルキューレが好きだった。
美しいその子の名前を借りて
虎の威を借る狐のように
美しくなりたくて

朝起きて化粧をし、昼のバイトからメイド
真夜中に帰って、ご飯を食べて眠る
美しくない顔とうまくいかない生活に
死にたい、過食、酒、眠れない
眠らず 眠れず 眠った頃には終わる一日
ああ今日も出来なかった
今日も美しくなれない
今日もすすまない、
できない、
うまく、
すすめない

私なんか


全てまやかしだった。
加工と化粧と角度で自分を騙して
液晶の中の自分しか愛せなくなっていった。
現実で誰も愛してくれないことは
知っていた、
知っていたんだ、
だって今まで

わかってしまった
わからなくていいことまで
わかりたくなかった
わからなくしてしまった
自分の輪郭を歪めてできた私はもはや


14/11/23
告白を失敗した日、
人生で初めて手首を切った。
この日を迎えると思い出す、
滲む赤と痺れるような痛み、
刃先の滴に開いた傷口、
血が止まらなくて口をつけた、
本気で死ぬつもりはなくて軽くつけたはずの傷が、
扉が開いて母に頭を叩かれた。

人生で初めて生きた心地がした。

止血で留まる程度の傷だったけど
自分で自分を終わらせられることに
酷く安堵した。
どんなに無能で無力も、
私には 自分を断つ その力がある。

自分を愛しすぎて
だれも愛せなくなった人間は
自分にしか救えないように、
自分を愛せず誰も愛せない人間も
また自分にしか救えない。

私は私をきちんと愛してやれるのか
私にしか変えられない私を
きちんと変えてやれるのか
わたしが私になれるのだろうか

ゼロにするのは簡単で
いちばん面白くないから最後の手段

私にできることを1つ1つ潰さなくちゃ
明日の自分がもっと美しくなくなってしまう。
その恐怖に 圧力に 耐えながら息をする。
いつか死ぬまできっと同じ毎日、

生きててうれしいですか
生きててたのしいですか

今を生きることに悩み
心を病む時間がある限り
きっと死ねない。

死なない感情に
名前をつける必要も
息を続ける理由もない。
それでも惰性で続けるより
希望を抱いた方が美しく死ねるなら
いつか首を括るその日を見据えて
誰より美しく素敵な女の子になりたい。

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