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冗談じゃない

私が東京に行っている間、姉が家出した。

家出といっても ほんの2日ほどだけど、
母の新しい彼氏が家に遊びに来るとかで 顔を合わせたくなくて飛び出したらしい。

東京にいる間、母から何度か姉についての連絡が来た。
「未来からも連絡してよ」
「どこ行ったんだろ」
「大丈夫かな」
姉ももう22歳だし、持病があるとはいえ母は心配しすぎじゃないか?とも思うけれど、姉のいつもの様子じゃあなぁ…。
私が家に帰る頃には姉も帰ってきていつも通り過ごしていた。

今日 母にこんなことを言われた。
「お姉ちゃんと未来、一度カウンセリングとか行ったほうがいいかもね」
は?何を今更〜ていうかそっちが発端やんけw
と言いたいところをぐっと堪え、わけを訊く。
「パパもそうだけど、ケンちゃん(元彼のクソカナダ人)にも『捨てられた』と思ってるでしょ?」
「怒る時とか 感情を抑えられないところがある」
あーね。そういうね。今更だな〜ほんと…

こんな人生辞めちゃいたいなって久々に思った。

…『久々』で良いんだか悪いんだか。
そりゃこんな家庭環境なんだから「捨てられた」と感じるでしょうが。父親に愛されなかった心の隙間は誰も埋められないし、何にも生まれない。でもそれってどうしようもない。
私たち2人とも諦めてきたんだよ、母はやっとそれに気づいたんだ。
ちょっとした絶望で 涙が止まらず頭がいたい。

冗談じゃない。ほんと 私たちが何を思って生きてきたか、生き抜いてきたか、何にも知らないんだなこの人は。
母親に愛されてないとは思わないけれど、どこか無頓着に 蔑ろにされてきたとは思う。

愛されなかった分 愛したいもので隙間を埋めようとして 穴の空いた器に恒久的に愛を注いで気を紛らわせてきたけれど、軋んだ器の壁がどんどん歪んですべて壊れてしまいそう。
溢れることしか知らない愛を心に留められるほどわたしは強くなれなくて、ただ上から下に溢すことしかできず 涙に変わる。

冗談であってほしい、悪い冗談。

飛び出したい衝動も首を吊りたい願望もぜんぶ私の心象、それを真っ向から否定されても 私が居なくなる理由にしかならない。
あーどうでもいい、冗談じゃない、知りたくなかった。


7月は 学校に行けなくなった日を思い出す。

誕生日 河原で花火をして プレゼントを貰った大事な友達との思い出も 好きだったあの人とメールした夜も全部、鬱陶しい暑さと真っ黒な何かで息ができなくなる。

好きなアイドルが増えても 新しい服を買っても 結局私は独りきりだったし、好きな女の子にも好かれる自信がない。自信がないよ。
好きなことだけを考えていたい、好きなことだけでいいのに、なのになあ。

それでも続いていくらしい、毎日。
本当に偉いなあ 私も君も。そういうことにしよ。もう嫌なので。


4年前の7月23日 私が16歳になった日、大好きなボカロPが死んだ。
20歳になって約4ヶ月で「大人になってはいけないらしい」と自殺した。
今、20歳になることが 7月23日が怖い。
私にとって7月23日は呪われた日。


とっくに壊れているのに放っておかれたこと、私はきっと忘れないと思う。
どうでもいい、けど冗談じゃない。
取り留めも救いもない話。

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