『基本情報技術者試験』攻略法(2023年度版)
「基本情報技術者試験 シラバス(Ver.8.0)」の合格を目指す人向けに、試験分析や対策方法などを紹介します。
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基本情報技術者試験とは
まずは、2023年度より大きく変わる基本情報技術者試験(以下、FE)がどのような試験か確認しましょう。
FEは、国家試験である情報処理技術者試験の一区分であり、その対象者像は次のように定義されています。
情報処理技術者試験の中では、基本的なレベル2とされており、範囲が幅広くITエンジニアの登竜門と評される試験です。
試験情報
試験時間 科目A:90分 科目B:100分
*科目A・科目Bは休憩を挟んで同日受験出題形式 科目A:多肢選択式(四肢択一) 科目B:多肢選択式
出題数 科目A:60問 科目B:20問
合格基準 科目A:60%以上の得点 科目B:60%以上の得点
試験方式 CBT(Computer Based Testing)方式 *随時受験可
統計情報(制度変更前のため参考)
受験者数(令和4年度):101,572人
合格率(令和4年度):37.4%
試験分析
科目A
公開されている情報(サンプル問題など)から、中分類別の出題数は概ね次の通りと想定されます。
テクノロジ系(41問)
基礎理論:3問
アルゴリズムとプログラミング:6問 ☆注目
コンピュータ構成要素:3問
システム構成要素:2問
ソフトウェア:4問 ★重要
ハードウェア:1問
ヒューマンインタフェース:0.5問
マルチメディア:0.5問
データベース:4問 ★重要
ネットワーク:5問 ★重要
セキュリティ:8問 ★★最重要
システム開発技術:2問
ソフトウェア開発管理技術:2問
マネジメント系(7問)
プロジェクトマネジメント:3問
サービスマネジメント:2問
システム監査:2問
ストラテジ系(12問)
システム戦略:2問
システム企画:1問
経営戦略マネジメント:2問
技術戦略マネジメント:1問
ビジネスインダストリ:3問
企業活動:2問
法務:1問
科目B
プログラミング:16問(問1〜16) ★最重要
セキュリティ:4問(問17〜20)
対策方法
FEを受験されようとしている方は、IT業界を目指す学生やIT系の新社会人が多いと思いますので、対策方法もそのような方を念頭に紹介したいと思います。
大まかな流れ
推奨する学習の流れは次の通りです。
*[ ]内に学習時間を記載していますが、あくまで目安です
サンプル問題を解いてみる[3時間]
初学の方は、本格的に学習を始める前に公開されているサンプル問題を解いてみましょう。問題の感触を確かめるのが目的ですので、あまり深く考え込む必要も時間を気にする必要もありません。セキュリティ対策[20時間] *詳しくは次項以降
最初の学習は「セキュリティ」から始めましょう。
最重要分野である「セキュリティ」から片付けることで、その後の学習が楽になります。
なお、後述しますが、セキュリティについては科目Aと科目Bを同時に対策するのが効率的です。科目A対策[60〜120時間] *詳しくは次項以降
試験の雰囲気を掴んだら、知識のインプットを開始しましょう。
参考書などを読み込むよりも、過去問を1問ずつ解いては書籍やネットで調べるの繰り返し、の方が効率が高くオススメです。
なお、学習は上記〔試験分析〕で示した中分類の単位で、進めましょう。
いきなり過去問題全体を解く、という対策をされる方もいますが、知識の整理がつかず混乱することになるのであまり推奨できません。
分野別の学習方法については次項以降で紹介します。プログラミング対策[時間目安:40時間] *詳しくは次項以降
最後に科目Bのプログラミング向けの学習に取り組みしましょう。
科目Bは8割がプログラミング問題であり、プログラミングの理解が試験お合否に直結します。(余裕があれば)応用情報の問題演習
4まででFEの合格は堅いと思いますが、より高得点を目指すのであれば、応用情報技術者試験の過去問題にもチャレンジしましょう。
午前試験や午後試験の問3(プログラミング)に挑戦することで知識・技能レベルが向上します。
オススメの参考書・問題集
知らない部分・わからない部分を体系的に確認するために、参考書を1冊は購入することを推奨します。
FEの過去問題については、多くの参考書に付属しており、ネットにも無料で公開されていますので、わざわざ問題集を購入する必要はないでしょう。
以下にいくつかオススメの参考書を紹介します。
いちばんやさしい 基本情報技術者 絶対合格の教科書+出る順問題集
概ねシラバスに沿ったオーソドックスな構成で、問題集も付属しており人気の高い参考書です。
イメージ&クレバー方式でよくわかる 栢木先生の基本情報技術者教室
イラスト豊富で、わかりやすさ重視の参考書です。
出るとこだけ!基本情報技術者[科目B]
現状では数少ない、科目B特化の参考書です。プログラミングが苦手な方にオススメです。
セキュリティ対策
本格的な学習は「セキュリティ」から始めましょう。出題数が最も多く、科目A・B双方に出題され、他の分野にも関わりが大きいからです。
ここでのポイントは科目A対策と科目B対策を同時にやることです。
科目Aの過去問題で一通り知識をつけたら、すかさず科目Bの問題に挑戦して、知識の定着と長文問題慣れを図りましょう。(過去問題については次項参照)
科目Bの問題は、まだ公開されているものが少ないですので、情報セキュリティマネジメント試験の科目B問題も活用しましょう。
・基本情報技術者試験の科目Bサンプル問題(問17〜20)
・情報セキュリティマネジメント試験の科目Bサンプル問題(問49〜60)
科目A対策
分野・分類別学習の順番
セキュリティ対策が済んだら、それ以外の部分について、分野・分類別にの学習を進めましょう。
テクノロジ系が得意だと感じている方はシラバス順に、
テクノロジ系→マネジメント系→ストラテジ系
そうでない方は実務順(ITパスポートのシラバス順)に、
ストラテジ系→マネジメント系→テクノロジ系
進めていくことを推奨します。
前述の通り、参考書などを読み込むよりも、過去問を1問ずつ解いては書籍やネットで調べるの繰り返し、で進めましょう。
学習の比重
FEは満遍なく出題されるため、広く学習する必要がありますが、科目Bはテクノロジ系(プログラミング+セキュリティ)に特化していますので、それに合わせて科目A対策もテクノロジ系により力を入れることをオススメします。
出題割合も、テクノロジ系:マネジメント系:ストラテジ系=41:7:12
とテクノロジ系が突出しており、極論すると合格点を取るだけならテクノロジ系だけでもいいということになります。
学習範囲の取捨選択
FEは全分野から出題されますが、出題数には偏りがありますので、学習時間があまり取れない場合は、出題が少ない分野の学習を削るのも手です。
テクノロジ系の「ハードウェア」「ヒューマンインタフェース」「マルチメディア」や、ストラテジ系の「技術戦略マネジメント」「法務」などは非常に出題が少ないため、時間がなければ無視しても合格は可能です。
丸暗記は非推奨
現在公開されている情報から判断すると、過去問題からそのまま出題されるケースも多くあると想定されます。
*かつてPBT(紙の試験)だった頃は過去問題からの出題率が50%程度
ただ、CBTの問題のバリエーションが徐々に豊富なってくることが予想されるため、丸暗記では対応できなくなることも予想されますので、きちんと理解することを心がけましょう。
使用する過去問題
科目Aの対策には旧午前試験の過去問題を使いましょう。
やや大きなシラバス改訂があった平成28年度春期から令和元年度秋期までの8期分(1期あたり80問)程度で、合格を目指すには十分な分量でしょう。
*令和2〜4年度は暫定CBTとなり問題非公開
プログラミング対策
科目Bのプログラミング問題を攻略ができるかどうかは、FE合否の大きな分かれ目になります。
その対策は、プログラミングの経験(仕事・学習問わず)のあるなしで変わってきます。未経験の方は下記の1から、経験ありの方は下記の2から進めてください。
(プログラミング経験なしの場合のみ)プログラミングのテキスト学習
プログラミングは単なる知識の問題ではないため、経験が全くない状態でいきなり問題に挑んでも、効率的な理解には繋がりません。
まずは、科目B対策本(なければ一般的なプログラミング本)を読み込んで、一通りアルゴリズムとプログラミングの基本について学習しましょう。サンプル問題演習
ある程度のプログラミングの経験がある(または知識がついた)ならば、実際の問題に挑戦して、擬似言語の問題に慣れましょう。
科目Bについて現時点で公開されている問題は少ないですが、問題慣れが目的であればこれらで十分でしょう。
・基本情報技術者試験の科目Bサンプル問題(問1〜16)
・上で紹介した参考書・問題集に付属する模擬問題
*当noteでも科目B(プログラミング)対策記事を別途用意する予定
試験戦略
時間配分
科目A 90分(1問あたり90秒)
ほとんどの方は十分余裕があるため、時間を気にする必要はまずないでしょう。普通に頭から順番に解いていく、で問題ありません。科目B 100分(1問あたり5分)
余裕がありそうですが、プログラム問題を考え込んでいると時間が足りなくなることも考えれらます。
プログラムに時間がかかりそうだと感じている方は、先にセキュリティ問題(問17〜20)を片付けてから、プログラム問題に取り組みましょう。
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