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『応用情報技術者試験』攻略法(2023年度版)

「応用情報技術者試験 シラバス(Ver.6.2)」の合格を目指す人向けに、試験分析や対策方法などを紹介します。

応用情報技術者試験とは

まずは、応用情報技術者試験(以下、AP)がどのような試験か確認しましょう。

APは、国家試験である情報処理技術者試験の一区分であり、その対象者像は次のように定義されています。

ITを活用したサービス、製品、システム及びソフトウェアを作る人材に必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者

情報処理推進機構HP

情報処理技術者試験の中では、基本的なレベル3とされており、範囲が幅広くかつ知識の応用力を試される試験です。

試験情報

  • 試験時間 午前試験:150分 午後試験:150分

  • 出題形式 午前試験:多肢選択式(四肢択一) 午後試験:記述式

  • 出題数 午前試験:80問 午後試験:5問(1問必須、4問選択)

  • 合格基準 60%以上の得点

  • 試験方式 PBT(Paper Based Testing)方式 *一斉受験

  • 試験日 4月第3日曜日、10月第2日曜日

統計情報

  • 受験者数(令和4年度):68,518人

  • 合格率(令和4年度):25.3%


試験分析

午前試験

公開されている過去問題から、中分類別の出題数は概ね次の通りと想定されます。

テクノロジ系(50問)

  1. 基礎理論:4問

  2. アルゴリズムとプログラミング:4問

  3. コンピュータ構成要素:3問

  4. システム構成要素:4問

  5. ソフトウェア:4問

  6. ハードウェア:4問

  7. ヒューマンインタフェース:1問

  8. マルチメディア:1問

  9. データベース:5問 ★重要

  10. ネットワーク:5問 ★重要

  11. セキュリティ:10問 ★★最重要

  12. システム開発技術:3問

  13. ソフトウェア開発管理技術:2問

マネジメント系(10問)

  1. プロジェクトマネジメント:4問

  2. サービスマネジメント:3問

  3. システム監査:3問

ストラテジ系(20問)

  1. システム戦略:3問

  2. システム企画:3問

  3. 経営戦略マネジメント:3問

  4. 技術戦略マネジメント:1問

  5. ビジネスインダストリ:3問

  6. 企業活動:4問

  7. 法務:3問

午後試験

長文の記述式問題が11問出題され5問を解答します。(問1のみ必須)
*傾向と予想については、記事最下部で紹介します。

  1. 情報セキュリティ ★必須

  2. 経営戦略

  3. プログラミング

  4. システムアーキテクチャ

  5. ネットワーク

  6. データベース

  7. 組込みシステム

  8. システム開発

  9. プロジェクトマネジメント

  10. サービスマネジメント

  11. システム監査


対策方法

APを受験されようとしている方は、基本情報技術者試験(FE)に合格されている方が多いかと思いますので、対策方法もそのような方を念頭に紹介したいと思います。

大まかな流れ

推奨する学習の流れは次の通りです。
*[ ]内に学習時間を記載していますが、あくまで目安です

  1. まずは直近の過去問題を解いてみる[10時間]
    初めてAPに挑戦する方は、本格的な学習を始める前に公開されている直近の過去問題(午前試験・午後試験の両方)を解いてみましょう。問題の感触を確かめるのが目的ですので、あまり深く考え込む必要も時間を気にする必要もありません。

  2. 午前・午後共通分野の横断対策[50〜100時間] *詳しくは次項以降
    試験の雰囲気を掴んだら、中分類の単位で学習を進めます。
    ここでの最大のポイントは、午前試験と午後試験の対策をまとめてやる、ということです。
    学習方法については次項以降で紹介します。

  3. その他の午前試験対策[時間目安:30〜60時間] *詳しくは次項以降
    2で対策しなかった残りの範囲について、同じく中分類の単位で学習していきましょう。
    これらの範囲は午前試験のみとなるため、知識重視の対策となります。
    学習方法については次項以降で紹介します。

  4. 試験直前対策[時間目安:20〜30時間]
    試験直前の1週間は、ひたすら午前問題演習を通して、知識の詰め込みに取り組みましょう。
    逆に言えば、即効性の無い午後試験対策はそれより前に終わらせておく必要があります。
    この時期においては、期別・分野別にこだわる必要はありません。とにかく量をこなしましょう。

  5. (余裕があれば)基本情報・高度区分の問題演習
    4まででAPの合格は堅いと思いますが、より高得点を目指すのであれば、基本情報技術者試験の午前試験問題、各高度区分試験の午前Ⅱ試験問題(レベル3の範囲)にもチャレンジしましょう。
    最近は他の試験区分の過去問題から出題されることも増えてきていますので、確実に得点アップにつながります。

  6. (さらに余裕があれば)シラバスチェック
    さらに万全を期すには漏れをシラバスを確認しましょう。挙げられている用語に知らないものがないかチェックし、あれば調べておくことで学習の抜け漏れを防止できます。
    ただ、APともなるとシラバスの情報も膨大となるため、知らない用語を全てチェックするのは相当時間を要します。そこまでしなくとも十分合格は可能ですので余裕がある方だけ取り組んでください。


オススメの参考書・問題集

知らない部分・わからない部分を体系的に確認するために、また効率的な問題演習のために、参考書・問題集を1〜2冊購入することを推奨します。
以下にいくつかオススメの参考書を紹介します。

  • 徹底攻略 応用情報技術者教科書
    シラバス通りの構成で各分野の解説が充実している参考書で、過去問付きかつ便利な全文PDFダウンロードも付属しています。

  • 応用情報技術者 合格教本
    こちらも概ねシラバス通りにまとめられた参考書です。過去問アプリ付きなのでスマホ学習にも便利です。

  • 応用情報技術者 パーフェクトラーニング過去問題集
    長年人気No.1の問題集です。手頃な価格で解説も充実しています。

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