『ITパスポート試験』攻略法(2023年度版)
「ITパスポート試験 シラバス(Ver.6.0)」の合格を目指す人向けに、試験分析や対策方法などを紹介します。
ITパスポートとは
当記事をご覧になっている方は、既にITパスポート試験(以下、iパス)について十分ご存知かとは思いますが、簡単におさらいしておきます。
iパスは、国家試験である情報処理技術者試験の一区分であり、その対象者像は次のように定義されています。
情報処理技術者試験の中では、最も初歩的なレベル1であり、ITについて学習したことがない方でも、挑戦しやすい試験です。
試験情報
試験時間:120分
出題形式:多肢選択式(四肢択一)
出題数:100問
合格基準:60%以上の得点
(ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系各30%以上の得点)試験方式:CBT(Computer Based Testing)方式 *随時受験可
統計情報
受験者数(令和3年度):211,145人(前年比+60%)
合格率(令和3年度):52.7%
試験分析
分野・分類別出題数
受験回によって多少のブレはありますが、中分類(23分類)別の出題数は概ね次の通りになっています。
*分野・分類の詳細については試験要項・シラバスをご確認ください。
ストラテジ系(35問)
企業活動:5問 ★重要
法務:7問 ★重要
経営戦略マネジメント:6問 ★重要
技術戦略マネジメント:2問
ビジネスインダストリ:8問 ★重要
システム戦略:5問 ★重要
システム企画:2問
マネジメント系(19問)
システム開発技術:3問
ソフトウェア開発管理技術:3問
プロジェクトマネジメント:5問 ★重要
サービスマネジメント:5問 ★重要
システム監査:3問
テクノロジ系(46問)
基礎理論:2問
アルゴリズムとプログラミング:4問 ☆注目
コンピュータ構成要素:3問
システム構成要素:3問
ソフトウェア:3問
ハードウェア:1問
情報デザイン:1問
情報メディア:1問
データベース:4問 ★重要
ネットワーク:7問 ★重要
セキュリティ:17問 ★★最重要
プログラミングの追加について
2022年以降、それまでiパスでは出題されていなかったプログラミングが出題範囲に追加されました。
それに伴い、「アルゴリズムとプログラミング」からの出題が若干増加しています。まだ公開されている問題も少ないため注意が必要です。
対策方法
iパスを受験されようとしている方は、ほとんどがIT初学者(またはかじった程度)かと思いますので、対策方法もそのような方を念頭に紹介したいと思います。
対策の流れ
推奨する学習の流れは次の通りです。
*[ ]内に学習時間を記載していますが、あくまで目安です
まずは1回分解いてみる[3時間]
本格的に学習を始める前に公開されている直近の試験1回分を解いてみましょう。問題の感触を確かめるのが目的ですので、あまり深く考え込む必要も時間を気にする必要もありません。分野別に“参考書読み込み⇄過去問演習”を繰り返す[50〜100時間]
試験の雰囲気を掴んだら、知識のインプットを開始しましょう。
上記〔分野・分類別出題数〕で示した中分類の単位で、参考書を読み込んではその範囲の過去問題を演習する、を繰り返します。
いきなり過去問題全体を解く、という対策をされる方もいますが、知識の整理がつかず混乱することになるのであまりお勧めはできません。
分野別の学習方法については次項以降で紹介します。シラバスチェック[時間目安:5〜10時間]
2で一通り学習・演習が済んだら、シラバスに目を通しておきましょう。
シラバスには各分野で出題される可能性がある用語例が記載されていますので、これらをザッと確認して、知らないものについて調べておけば、試験に必要な知識の抜け漏れがほぼ無くなります。(余裕があれば)上位試験の問題演習
iパスに合格するためには3までで十分ですが、より高得点を目指すのであれば、基本情報技術者試験、情報セキュリティマネジメント試験の過去問題にもチャレンジしましょう。
特に「アルゴリズムとプログラミング」を基本情報技術者試験で、「セキュリティ」を情報セキュリティマネジメント試験で強化すると、効果が高いです。
オススメの参考書・問題集
iパスの過去問題については、ネットに無料かつ解説付きで数多く紹介されていますので、わざわざ問題集を購入する必要はないでしょう。
ただ、知らない部分・わからない部分を体系的に確認するために、参考書は1〜2冊購入することを推奨します。
以下にいくつかオススメの参考書を紹介します。
いちばんやさしい ITパスポート 絶対合格の教科書+出る順問題集
概ねシラバスに沿ったオーソドックスな構成で、問題集も付属しており人気の高い参考書です。
イメージ&クレバー方式でよくわかる 栢木先生のITパスポート教室
イラストが豊富でわかりやすさ重視の構成の参考書です。
情報セキュリティ読本
最重要分野の「セキュリティ」を学ぶのに最適です。IPA発行のため内容の信頼度が高く、安く・薄く・易しいためお手軽です。
ここから先は
¥ 100
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?