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働き方のMirai Vol.3

この記事を読んでくださった方、ありがとうございます。

このnoteでは、普通の会社員である私がコロナによって大きく変化した環境を経験し、働き方の未来について考えた事を備忘録も兼ねてここに書いていきたいと思っています。また、広い視点で考えるために、様々な場所で魅力的な働き方をしている人のお話を聞かせていただき、記事としてまとめていきたいと思います。

 今回、宮城県牡鹿郡女川町をフィールドにビジネスや文化活動をする人を生み出す活動人口創出事業(お試し移住プログラム、創業本気プログラム)に取り組んでいる後藤 大輝さんにお話を聞かせて頂きました。
※後藤さんのプロフィールは以下をご参照下さい。

1.震災ボランティア活動、そして女川町との出会い

 大学在学中に女川町へ移住し、まちづくりに取り組むNPO法人アスヘノキボウで働き始めた後藤さん。そこに至るまでの経緯を聞いてみました。

 大学在学中は色々な所に顔を出していましたね。経験をしてみないとわからないことも沢山ありますし。
 そんな時、大学の先輩と同級生に誘われて東日本大震災のボランティア活動に参加した事もあります。南三陸町に行ったのが最初で、その後も何度かボラティア活動として東北に訪れる機会がありました。
 そのような活動を続けている中で、知り合いが主催する大学生向けプログラムに参加した際に訪れたのが女川町でした。

 女川町との最初の出会いの後、アスヘノキボウで働き始める後藤さん。大学在学中に女川に引っ越し、女川で働き始めることに不安はなかったのでしょうか。

 様々な経験がありますが、学生団体の頃からインターンとして関わっていた組織が一般社団法人化するタイミングに関わる機会がありました。一緒に活動していた人が、新しい事業を創り出すという事を間近で見ていて、こういうキャリアのあり方もあるんだなと感じていましたね。
 また、知り合いからは、「想像力があまりないよね」ってよく言われます(笑)
働き始めた時は、何とかなるだろうという根拠のない自信が1つあって、それは何でかというと、多くの人が色んなキャリアを歩んでいく姿を見ていたし、発展途上国を見に行った事もあるんですが、そこと比べれば、日本で何をやったとしても死ぬことはないだろうと思っていたので(笑)

 ここまでのお話を聞いていて感じた事は、大学生の頃から色々な場所に出かけ、沢山の人と対話をし、様々な価値観や考え方に触れてきたんだなと感じました。
 また、やはり大学生や高校生の時にどれだけ多くの体験や経験を積んできたかという事が、その後の人生に大きな影響を与えるのではないかと思いました。

 加えて、今の20代のキャリアの考え方についても少しお伺いしました。

 周りの友達の多くは、大企業やベンチャーに就職していましたね。少なくとも僕の周りでは、ベンチャーも就職の1つの選択肢として捉えている人が多いです。
 また、企業やベンチャーに入ったとしても、すっとそこにいるとは考えていなくて(長くいることがリスク)、むしろどこが一番成長できる場所なのか?という事が重要だし、自分がやりたい仕事が出来るかと言うことも会社を選択する際の大事な視点ですね。

 私が就活していた時は、「どこが一番成長できる場所なのか?」という視点で会社を選択するという意識は、恥ずかしながらあまり持っていない状態で会社選びをしていました。
 どんどん仕事人生が長くなる時代、人によっては50年ほど働く人だって普通になるかもしれません。そんな時に、1つの会社ではなく複数の会社を経験する事は当たり前になっていくのかもしれません。

2.地方の若者の孤独

 女川で活動し続けている後藤さん。しかし、同じように地方に移住した知人や友人が、その地域から離れるという現象が起きていると話しています。なぜなんでしょうか。(以下、後藤さんの記事を転記しております。)

《地方の若者移住者の孤独って、大きな問題なんじゃないかって話。》

 この1年〜2年で同時期に地方に移住した20代の知人・友人が、その地域から離れるという現象が起きています。
よく若者の都会離れ、都市部離れといった言葉が目立ちますが、実際は若者が都市部に進学・就職のために移動する数の方が圧倒的に多い事実があります。

 それだけではなくて、せっかく地方に移住してくれた20代の世代が、数年で離れてしまっているといる現状が多くの地域であるのではないかと感じるようになりました。
1年前くらいから秋田で活動していた知人・友人が移住して2〜3年で離れたり、女川でも同世代の先輩が離れてしまい、寂しいと感じていたのですが、ここ最近そのような話を聞く機会が増えています。

 実際に地域から離れた当事者からヒアリングした問題の要因(仮説)としては、以下の要因があるかなと思います。

・社内に同期、同世代がいない(自分はこの環境で成長しているのか不安や、仕事終わりに気軽に遊んだり飲みに行ける仲間がいない)。
・地域に18歳〜30歳の同世代がそもそも少ない(大学進学、就職は一旦都市部の層が多い、Uターンが帰って来る前)。
・家族が遠方に住んでいる。
・良くも悪くも人の目が行き届いているので、自由に交流/恋愛しづらい(結婚するまでカップルであることを表明しないなど)。

 私はこの投稿を見た際に妙に納得したという感覚がありました。なぜなら、旅行や、短期間の滞在で見える地域の姿は、その地域の表面上しか見えていない事が多く、やはり実際に地域に入り込む事で見えてくる地域の実情であったりというものがあり、人によってはそのギャップが大きすぎて受け入れきれない部分も出てくるのかもしれないなと。

 このような課題感を感じた後藤さん、これから「女川同期(仮)」なる仕組みを作り、上記の課題感を解消出来るような活動を行われるそうです。
 大きくは2つの活動があり、キーワードは「コミュニティ」「人生設計」です。
「コミュニティ」はその名の如く、10代〜20代での横のつながりを作り、より多くの時間を共に出来るような機会やイベントを実施する。
「人生設計」は、自分自身がその地域でどうしていきたいのかを同期で一緒に考える機会を作る。
 なかなか1人では億劫になって動き出せない人もいそうなテーマですが、そばにいる同期が横からサポートや助言をしながら進めていくことで、1人でも多くの人が孤独にならず、地域で活動を続けていけるような土台を作りたいと考えているのではと思いました。個人的には、とても大事な活動だと思います。

3.まちづくり

 次に「まちづくり」というテーマでお話を伺いました。

 1つは創業支援が町に1番インパクトがあるなと思いますね。あとは、お試し移住も、町に人の流れを作り出すという意味で良いプログラムだなと思います。
 創業支援の場合、参加者が創業する事が目に見える成果としてわかりやすい部分はあります。お試し移住の場合、体験した人が数年後に移住したりとか、女川のプロジェクトに関わりを持ってくれたりとかがあったりします。このように短期的なものと長期的なものを混ぜた視点でまちづくりに取り組む必要があるなと思っています。

 こう語る後藤さん、上記に挙げた取り組み以外にも様々な取り組みを試行錯誤しながら進んでいらっしゃるそうです。何事もそうですが、試してみる、行動してみることで見えてくることがあり、そこで考えて修正し、より良い方向へ軌道修正していく。
 20代からこんな多くの事を経験している後藤さん、30代になった時にどんな成長を遂げているのかとても楽しみです。また1つ女川に行く理由が増えました。

4.まとめ

 私も含め多くの人にとって、新卒で地域に飛び込んで働くという選択肢はなかなか取ろうと思って取れるものではないんじゃないでしょうか。
 また、震災のボランティア活動から始まり、女川と出会い、移住を決断するまでのスピード感にはとても驚かされるものがあります。
 ですが、人生のどこかの期間でそういう風に過ごした経験がある人は、恐らくどんな困難なことがあっても乗り切れる力を持てるんじゃないかと思います。

最後まで記事を読んでいただきありがとうございます。

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